急行
実は他の別視点組入れようと考えてたんだけどむずくてできなかった
急ぐ。
S+相手に1人はだいぶ自殺行為だ。
S級魔法少女の最上位でも最低2、3人はいないと厳しい。
早くしないと彼女が死んでしまうだろう。
それに人々も放っておけば死ぬ。
早く終わらさないと。
「後何処?何箇所だっけ?」
重要箇所を先に周りながら転移し運ぶ。
よしここはOK。
次。
ここも終わり。
次。
次!
そして、多分残り3箇所。
急ぐ。
てかこの後S+とも戦わないといけないって結構私過重労働じゃね?
今度休み多くとろ…。
そんな事考えてたら後2つ。
しかし。
「此処は…ぁ、くっ…間に合わなかった…。」
目の前に重なる死体の山。
食い散らかされたり引き千切られたり潰されたり。
死因は様々だか皆同じ表情だ。
唯、恐怖に、苦痛に、絶望に染まっていた。
ーー酷い有様だ。
助けられなかった、そしてこの惨状を目の当たりにして胸糞な気分になる。
「…いや、立ち止まって居られない。まだ残っている。それに…」
早くしないと。
気分は最悪だが、切り替えて動く。
今までよく見てきた光景だ。
今更というもの。
そう割り切って。
じゃないと私は…。
記憶の片隅に出てきたあるものを振り払うために頭を振る。
引き続き避難者を運ぶ。
そして。
「よし。これで終わり!何とか犠牲は少なくて済んだわ…。」
此処らの避難は完了した。
妖精から声がかかる。
「結界も貼れたよ、エト。」
「よし!これで一安心かしら?」
少し肩の力を抜く。
後は…。
「あの怪物だけかしら。」
結晶で出来た四角形の魔物。
見た事ないから新種だろう。
まあ結界も貼れたから最悪時間稼ぎだけでも出来れば大丈夫。
とは言え彼女も戦っている。
行かないと。
転移。
アリウスが戦っている場所に急ぐ。
着いたが…どうやらかなり消耗している。
吐血し、白のローブは血に染まり、手はあらぬ方向にねじ曲がって、足を引き摺っている。
その痛々しい様子とは裏腹に全く反応が平坦なのは恐ろしくも思ったが。
そこまでして戦えるものなのか…?
少なくとも何者でも本当は唯の少女の筈だろうに。
しかしそれは後でいい。
死んでないならどうにかなる。
先ずはこちらも戦闘に参加しなくては。
「“烈風空斬”」
空間を切り裂く風を放ち彼女に向かっていたレーザーごと破壊する。
そうして、彼女の前に降り立つ。
「待たせたわね。」
あれ?この子の方がそれっぽいぞ???
まさかの第三者枠が奪われそうな気配
いや、時には物語に溶け込むのもあるあるの筈だから…