苦戦
なんか勢いで誤魔化してるよな…
繰り出される攻撃を躱しながら魔法を絶え間無く放つ。
なかなかバリアが剥がせない。
うーん、これはギミックでもあるのかも知れないが…。
って、お、ようやくヒビ入った。
ならこれが正攻法なのか?
流石実質最上位ランク。
ここまで面倒くさいとは。
よし、なら…。
「レーザーキャノン展開。」
左右合わせて200の魔法陣を展開。
これは純粋な魔力によるレーザー。
使用者の魔力量依存なのでボクなら絶大な火力となる。
狙いは、ヒビの入った箇所!
集中砲火だー!
「“発射”」
その言葉に合わせて一斉に魔力の光線が発射される。
うおらあぁぁぁぁぁ!!!!
おけおけ!効いてる!
この調子で!!
一点に向けてひたすら撃つ。
そして、ヒビから穴が開いた。
そこから崩れる様にバリアは消えていく。
よし今!
近付く。
近距離ブッパくらえや!
魔法詠唱開始!
厨二モードキター!!!
「来れ、消失の刃よ。到れ、純正の光よ。我が下に集い、彼の者を斬生せよ。」
使徒…いやラミエ…ちょっとアレだから別の呼び方にすっか。
うーむ、取り敢えず結晶みたいな見た目してるし、適当に結晶生命体、ライフクリスタルとでも呼んでおくか。
ソイツのコアに向けて照準を定める。
「贖え、贖え、識律にて滅びよ。神徒に抗う罰として其の罪禍と共に滅世せよ!」
詠唱完了。
撃て。
「“審理の光滅砲刃”」
光速の魔法弾、正確には刃の形をした光属性の攻撃が放たれた。
当たると対象に滅びを与える防御無視の光撃だ。
威力は押して知るべし。
普通にバ火力である。
しかしここで問題が。
その魔法はそのままライフクリスタルのコアに当たる…筈だった。
なんとコアがすり抜けた。
マジか、攻撃自体の無効化。
そもそも物理的な干渉が出来ないのか。
透明化って事?
やっぱギミックがあるのか…。
これは…かなりダルい。
しかし次の瞬間、全身から悪寒。
本能が凄まじい警備を鳴らした。
そして奴から大量の魔力反応。
まずい、これは避けられない。
せめて防御だけでも…!
奴の魔力が空間に満ちた。
僅か数瞬、ほんの一瞬の静寂が訪れた。
そして消失-膨大なまでの音が、光が、魔力が、衝撃が、全てを覆った。
それはこの空間全てを理不尽に蹂躙していく。
ボクもそう、何か衝撃波らしきものがボクの体を通った。
刹那、ボクは強烈に吹き飛ばされ、そのまま地面に叩き付けられた。
即座に立ち上がろうとするが、吐血し崩れ落ちる。
まともに動けない。
あの衝撃波、恐らく体内貫通する振動系なのだ。
そのせいで内臓がシェイクされまくっててかなりヤバい。
なんとかギリ脳や、肺とか心臓は守ったけど視界は終わってるし耳もぶっ壊れてる。
手足は…骨が粉砕されてるなぁ…。
クソ痛い。こんなん知らない。
狂いそうだなぁこのレベルは。
多分今じゃなきゃ発狂して叫んで気絶だろうね。
ボク自身が痛みにある程度適応し始めていたとはいえ無理。
なんとか回復したいが…。
やべ、追撃早っ!
「…っ!ゲホッ、ゲホッ…ぅぐ…。」
転移で避けるけど避けた先から動いた衝撃一つで全身に激痛と血の混じった胃液を吐き出す。
本格的にヤバいかも。
死にそう。
いや死んでもおもろそうだけどさ。
流石にまだ死ねないから。
例の計画もまだ未完成だから。
アレが出来れば特攻しても良いんだけど。
何より曇らせはまだ何も出来ていない!
最後に死ぬ時は最高の曇らせに相応しい終わりじゃないと!
何とか耐えれないかなぁ…。
なーんて考えてるうちに次の攻撃が。
移動する度に激痛になるのを我慢しつつ回避。
何とか攻略法を見つけないと…。
後隙を見て回復も入れないと。
第二ラウンドの開幕か…。
このシーンを見せて曇らせもアリでした。
かなりボロボロだしね