異常は重なる
祭りだーーー!!!
うん不謹慎
それは唐突に起こった。
魔法少女協会の観測室にて。
突如警報が鳴り響いた。
「っ!何事ですか!?」
最高監督者の私は咄嗟に叫んだ。
「まさか…!この魔物の数…この数値は…恐らくスタンピードです…!」
「え、嘘!?早くないですか…!?。」
あまりに早すぎる。
そういやあの人がもしかしたら今年のスタンピードはいつもより早いかもしれないって言っていた気がします…。
それでも早いですよ…。
いや、それはともかく急いで他の魔法少女に、ていうか彼女に知らせなくては…。
「え、ちょ、ちょっとこれ…。」
オペレーターの1人が青ざめてる。
「どうしたのですか?」
「見てください!これ!」
そして理解した。
「ぇ?これは…嘘、ランクS+の魔物…!?しかも3体…!?」
これはまずい。
S+は流石にヤバいです。
Sという規格外の更に上。一体だけでも被害がとんでもないモノなのに。
それが3体。
しかもしれっとSも14体。AやBの魔物もかなりいる。
過去最大級の規模じゃないですか…!
下手したらこの国沈むレベルですけど…。
「とにかく急いで彼女を、呼んでください!まずはあの人に知らせる事が最優先です!」
「いや、もういるわ。」
その声に振り向く。
現最強の魔法少女、通称“調停者”。
彼女は冷静に言う。
「状況は既に理解しているわ。もう騒ぎになり始めているし。」
「どうするんです?」
「まずは住民の避難よ。結界が貼られていないし、そもそも魔物から離れられていない。」
「これじゃあ結界が貼れません。避難まで間に合うか…。」
「住民の避難はエトに運ばせるわ。多いとは言え1人で問題ないでしょう?」
そう彼女が言ったその後ろから銀髪の少女、エトが現れる。
「勿論。ねぇ、先に行くべき重要箇所は何処?」
「あ、えっと…この五箇所です。大都市で人口密集地ですから。」
「了解。それでは先に行くわ。」
そう言って彼女は転移して行った。
「さて、では魔物だけれど…。S+は私が一つ叩く。もう一つは…。」
連絡する。
:状況は理解してるよね?出番よ
S+の場所は分かっているかしら?
:まかせロリ
ってかもうそいつ目の前にいる
多分これ
:話が早くて助かる
位置は…ああ其処ね。
頼んだ
:らじゃ
閉じる。
今S+の単独撃破経験があるのは二人。
私とあの子だけ。
「第二位に連絡してこれで二つ。残り一つは…。」
「他の魔法少女を集結させますか?あ、いやそういやしれっとSランクが14体程いました…。これの対処に行かせた方がいいですね…。」
「そうね…今欲しいのはS+ランクを単独撃破可能な者…。その可能性が一番あるのはエトだけど流石に死にかねないしあの子は住民の避難の方がいい。」
彼女は元々転移に特化した魔法少女。
結界が完全に貼られていない今は運ぶ事を優先した方がいい。
「せめてエトが避難を完了させるか私達が他のS+を倒すまで時間でも稼げる者は…。」
出来る者は…。
第四位なら耐久は出来るが、しかし位置的にどちらも遠い。
第六位は…もう交戦中か。
他は…。
どれも今は既にSランクと戦闘中、それか手が離せないか。
いや、そうだ。一人いた。
野良で、正体不明の魔法少女。
つい最近現れたばかりの新人にして、Sランクを単独撃破までした者。
だからと言ってS+ランクに耐えられるかはまだ分からない。
しかし可能性はある。
今はどのみちこれに賭けるしかないか。
「…エト!魔法少女アリウスに協力要請を送って!彼女をS+に当てる!」
『……まさか単騎で!?流石に無茶じゃない?』
「多分耐えるだけなら出来るはず。貴方が避難が終わらせた後合流して二人で対処して!」
『成程…。不安はあるけど….了解。』
「私も出来れば倒した後直ぐ向かう。最悪それでなんとかなるわ。」
『…そう。まあ、倒してしまっても良いでしょう?』
ちょ、フラグフラグ!
いや、軽口ぐらいは良いか。
かなりの非常事態だしやはり多少は落ち着いていないのでしょう。
よし、少なくともエトとアリウスが入れば倒す事自体は可能だろう。
それに私が素早く倒せれば…。
どのみちここに留まっていられない。
「私ももう出る。指揮や支援は任せたわよ!」
なんかいつの間にか視点が変わってるんだけど