イケメンを捕まえるのではなく、作る
この国でも御多分に漏れずイケメンがモテる。
残念ながらイケメンとまではいけずとも、せめて見劣りしないようにはできる。このままだと下位に分類されてしまいそうなところを中間層にまで引き上げたいのである。
まずは魔法で最終的にどんな姿になるかの完成図を作る
これは画像編集ソフトにも劣らない自信がある。
あら、けっこうマシじゃない
そこでお客様には最終目標より少し手前の姿を提示する。
これは、あまり目標が遠すぎるとチャレンジする前に諦めてしまうかもしれないからだ。まずは手が届きやすそうな範囲から始める
もしそれ以上になりたいならばお客様自身で続けてもらうことになる。もちろん、お客様が望むならばサポートは惜しまない
「こんな感じになるような予定ですが、ご希望がありましたら考慮します。そうですね、髪形を変えるだけでも印象は随分違います。続けるモチベーションにもなりますし、今日は髪形だけでも変えていきますか?」
「えっ、でもこの髪形、今より長くないですか!?」
これが、俺!?という視線で完成図に釘付けになっている。どうやらお気に召したようだ。
「魔女ですからね。魔法で髪形を変えることなど造作もありません」
「えっ!それって…!」
「お客様は時間さえあればまだこの長さまで伸ばせるため可能なのです」
いくら魔女とて死んだ毛根までは蘇らせない。
さすがに世の全ての男性の希望の星になるつもりは無い
「でも…髪形だけイケてる風にしても変じゃないかな…。なんというか、髪だけ浮いて見える」
試しに魔法で髪を変えてみたがそこだけ異次元感が半端ない。出来の悪いコラ画像のようになってしまっている。
「そうですね…少し顔のたるみを落としてからにしましょうか…」
営業スマイルをしつつ素早くもとの髪形に戻す。
「そうですね、ではまずは服装から変えてみましょう。ゆったりしたシャツならば体重を落とした後でもそのまま着用ができます」
「なるほど…でも俺、服のセンスがなくて、どういうのを着ていいか分からないんです」
「別に急にファッションリーダーにならなくてもいいんです。服屋のマネキン買いでも構いません。街を歩いている人や、情報誌などを見るのも良いでしょう。迷うようでしたらこちらで取り揃える事も可能です。まずは色々な物に目を向てみましょう。貴方が、変わりたい、と。そう、意識する事が大事なのです」