原石を磨いて平均値底上げします
ここは地球と良く似た並行世界
化学が発達した地球と比べて、こちらは魔法が存在する世界だ。
ここので私は、いわゆる魔女と呼ばれている
今日も迷える客が1人ーー
「会社で俺をキモがらずに話かけてくれる女の子がいて、もしかして彼女は俺に気があるのでは?」
小太りで髪が伸びたら格安カットの理髪店、美少女キャラクターのTシャツにジーンズの男性が本日のお客様である。
「…それは…。本人ではないから分からないけれど、その子がもう少し接しやすいように整えてみない?」
この店にその格好で来るということは、普段からこうなのだろう。
このお客様、顔の肉が伸びて少し判りづらくはあるが顔の醜美が物凄く悪いわけではない。標準くらいまで体重を落として小綺麗にすれば周りの一般会社員とそう変わらない容姿になれそうである。
その彼女も、もしかしたらこのお客様に好意を持つようになれるかもしれない
しかしこのままでは勘違いした男性が彼女に迫ってもいけない。せめて彼女の方にも好感を持って貰わなければ
当店のご利用者様から犯罪者が出るなどあってはならないのである。
ただでさえ魔女という怪しい身分なところに犯罪者など出したら営業停止程度では済まない。
かくして、お客様改造計画がスタートするのであった。