【EPISODE7 PRAY(プレイ)】
●配役表
ベリオ♂️:
ラプラス♂️:
フラワ♀️:
ワカミネ♀️:
カリオストロ/女性管制官/CSパイロット♀️:
ネリル♀️:(※フラワと兼ね可)
ヒメ♀️:(※ワカミネと兼ね可)
ディール♂️♀️:
●男女比率
最小6人【♂2・♀3・不1】
最大8人【♂2・♀5・不1】
<翌日 コックピットの中でそれぞれ出撃準備をするメンバー>
フラワ:全員聞こえる?
ディール:通信良好。A.F.S専用秘匿帯域の回線を確立。ベリオさん、聞こえますか?
ベリオ:なんにもきこえん
フラワ:ちょっと!!!!いったでしょ!そこの青いボタン!!!!!!
ベリオ:これ?
<ブウゥン...という音とともにベリオの回線が途絶える>
ワカミネ:....通信が切れたな
フラワ:ぬわっっんで赤いボタン押すのよ!!!!!!!バカなの!?!?!??!?!?!??!?
ディール:同じ光景をNOAHZとのオンライン会議で見ましたね....
ベリオ:いや~~~ごめんごめん 通信回線確立。これで良しと。
ディール:カリオストロさん!!!聞こえますか?
カリオストロ:聞こえるよ。
フラワ:600秒後に当戦艦“セイヴァージーク”上昇!
IOPLANET宇宙搬入口まで移動の後各機出撃。
衛星情報から確認された位置を中心に情報を収集せよ!
観測情報の随時の共有を厳として作戦行動は900秒に納める事!
また....。
また、射撃行動を受けた場合は....絶対にやり返さないで。
絶対に反撃や威嚇行為にとられるような行為は慎んで、即セイヴァージークに帰投する事。.....誰も、死なないで。
<9分後>
ベリオ:すーーーーーっっ....ふーーーーーー........いつでも来いや。
フラワ:セイヴァージークエンジンオンライン!!!!
男性管制官:オンライン!
ベリオ:うううううううううううううううううっっっお.....!!!!!
ディール:さすがに.....Gがきついですね.....
フラワ:力を抜いて!スーツの適圧調整のおかげで呼吸はすぐに楽になるわ!!!
ベリオ:.............っっっっ、はぁ....。
ワカミネ:気を抜くな。セイヴァージークからの発艦がまだ残っている。
カリオストロN:僕だけのベリオに偉そうに......!!!!
<次の瞬間、コロニーの搬入口を通り抜けて宇宙が全員の視界に広がる。>
ベリオ:これが....宇宙......
フラワ:全機!!!!発艦!!!!
カリオストロ:....ネペンテス。
ディール:ドミナント・ディテクター!
ワカミネ:サイドホーン。
フラワ:CT!!!!
ベリオ:ドミナント・ジェイルブレイク!!!!
ベリオ:.....発進。
<全機が宇宙に放たれる様に発艦>
ディール:あわわわわわ....
<ふわふわと宇宙空間を回転するように揺蕩うディール機。>
フラワ:落ち着いて!姿勢制御はオートで行われる。
ディテクターはC地点からの調査をお願い。各機もマーカーに従って調査を行って。
カリオストロ:了解。
ワカミネ:了解。
ベリオ:うん
フラワ:うんじゃないの。作戦行動中は了解って言いなさい。
<ベリオ視点に切り替わる。>
ベリオ:....いや、特に何もねぇが。見たとこ変なモンもねぇし....。
<そう言っていると、ピピっとレーダーが反応する。>
ベリオ:んお?なんだこりゃ....フラワ!この....ウンコナウン?
フラワ:アンノウン!!!!...これは...
ワカミネ:対象に付着させるタイプの誘導マーカーだな。何かの目印として用いられるものだが....。
ベリオ:ほーん。....ま、もっと爆弾とかかと思ってたが、案外普通のもんだったな。
ディール:ベリオさん。...マーカーの横の赤い光,,,ちょっと動いてませんか?
ベリオ:ホントだ。なんじゃこりゃ。
ワカミネ:スナイパーライフルだ!!!!!回避しろ!!!!!!
ベリオ:あ?
<刹那、がごん、という鈍い音。唐突に亜音速の質量弾がドミナント・ジェイルブレイクの左腕を吹き飛ばした>
ベリオ:ッッッッッじゃこりゃあああああああ!!
ディール:質量弾検知!!!!そんな....ディテクターの探知を潜り抜けるなんて!!...どこから!!
ワカミネ:射角からの狙撃位置を予測!!!!!!!7秒くれ!!!!
フラワ:ベリオ!スラスターを全速で吹かして!!!撃墜されるわ!!!!!
カリオストロ:....まだ4分しか経っていないが。妙だね。
<どひゅん、がひゅん、とスラスターを吹かして逃げるベリオを襲う狙撃攻撃。
それに追い打ちをかけるようにランドアーマーがVAILSIDEから多数出撃。
五人に襲い掛かる弾幕をいなし、時折撃墜をしながらも五人は消耗をしていく。>
ワカミネ:真上だ!!!各機警戒の上セイヴァージークに向けて即の帰投!!!
ディール:敵機補足!!!! 超長銃身狙撃ライフル装備のスペリオルが一体!!!!!
そして....ッッッッ、該当スペリオルの背後80km!!!
こちらに対してソナーを発信している超級戦艦を補足...ッ!!!
カリオストロ:不審者を発見して飛んできた....にしては、大掛かりだね。
ディール:僕たちはすでに探知されていた....ッ!!!!
フラワ:“何故”は後!!全機離脱!!!!
<全機がようやく体制を整えたその瞬間、長銃身を構えたスペリオルがEMP弾
(電磁障害を引き起こす弾丸。あらゆる電子機器がシャットダウンされる。)を射出する。
スナイパーライフルからやけにゆっくりと射出されたその弾丸はセイヴァージークの付近で炸裂。
次の瞬間、セイヴァージークはゥゥ....ン....と弱弱しくエンジンの止まる音を最後に動きを停止した。>
ワカミネ:対戦艦用のEMPバレットだ...!!
カリオストロ:セイヴァージークからの通信が途切れた。
...完全に退路を断たれたね。ハッチも開かなければ火力支援も行われない。
僕達に影響がないという事は...範囲は狭いが非常に強力なものという事だ。
ベリオ:皆弱気だな~、おい?
ディール:ベリオさん!
フラワ:ちょっ...バカ、前に出るんじゃないの!!! 殺されるわよ!!!
ベリオ:俺等の戦艦は確かに封じられてる。でも、目の前の奴らは距離を詰めても来ねえ。
後ろの戦艦も何もしてこねえ。セイヴァージークは一時的にシャットダウンしただけだ。
完全に電子機器を破壊するEMP弾はあんな細え銃じゃ撃てねえ。つまり......ッ!!
<ぐおん、と加速して敵機に迫るベリオ>
ベリオ:軽くボコして、周りのヒコーキ全部ぶっ壊しつつビンタ2,3入れてセイヴァージークが起きたら
ダッシュで逃げろ作戦!!!!!!!!!!! 全機援護しろ!!!!!
<ドミナントJBが迫るとくるりと身をひるがえし、回避行動をするスペリオル>
ベリオ:うははははは!!!!怖えかよ!!!!!
スナイパーライフル以外の武装はねぇのか????
近接じゃあ何も出来ねえのかぁ!?!?!
ディール:....ベリオさん、すごい...!!
1か月で仕上げたとは考えられない機体操作です...!!慣性移動もスムーズで...!!!
カリオストロ:援護するよ!!!!!
ディール:...は、はい!!!
<ネペンテスの背後の長いバックパックがばかん、と口を開けるように開くと、うねうねと触手のような砲塔が現れ。>
カリオストロ:ロックオン。....対高機動射撃兵装、「PETUNIA」(ペチュニア)照射開始。
<うじゃあ、と現れた触手のような先端が開いてビームが一斉に照射される。
それらを間一髪で間を縫うように回避していくスペリオル。
ディール、ワカミネ、フラワも射撃支援を行うがすべてスペリオルをとらえることが出来ない。>
カリオストロ:.....成程。.......どう思うね、皆。
ワカミネ:逃げているのではない。....“時間稼ぎをされている”。
ベリオ:おい!!!オレの腕ぶっ飛ばした分くらいは殴らせろ!!!
ディール:!!!!! 後方の名称未登録超級戦艦に熱源反応あり!!!!!
....................これは.....
ディール:.......巨大な荷電粒子キャノン.........!!!!!!!!!!
<場面転換 NOAHZ戦艦“ヴェイルサイド”内>
ネリル:誘導マーカーとの交信完了。誤差、プラスマイナス1メートル内。
ラプラス:......賭けではあったが。
ネリル:ヤクトも損傷は軽微。作戦の続行は可能かと。
ヒメ:『あの片腕のガキがチョロチョロウッッッゼえんだよ!!!
ヒメもうブッチ切れるまであと2秒~☆』
ラプラス:急くな。圧縮荷電粒子プラズマビームキャノン“VAILSIDE DRIVE”発射用意。
ネリル:....よろしいのですね。
ラプラス:無論だ。
<場面転換 スペリオルと四機のAFSランドスタッドとランドアーマーの対峙する宇宙空間。>
ディール:敵戦艦の搭載キャノンのサイズから爆撃範囲を予測!!
......被害区域....IOPLANET全域!!!
...住民の生存確率は.....ッ、0.9パーセント.....!!!
ワカミネ:絶対に撃たせるな!!!
目標を変更、スペリオルではなく正面戦艦にありったけの火力で弾薬をぶち込め!!
....ッ、セイヴァージークの再起動はまだか!!!
フラワ:通信応答なし....ッ、それに、仮にセイヴァージークが起動していても、
あのサイズのキャノンのレーザーは止められない....ッ!!!
ベリオ:んならオレに考えがある。...やっぱり、全機俺を援護しろ。
<そう言うとごぅんっ、と音を響かせてスラスターを吹かしてスペリオルに急接近するベリオ>
ヒメ:....ッ!!!急に近寄ってくるなハエがッ!!
ベリオ:んはははは!!!!
完全に使い方違うけど思いついたからやっちゃうもんね~~~~~~ッ!!!!
<残ったドミナントJBの右腕。
その手首の付近には無重力下でランドスタッドを降りてのミッションの場合、
宇宙空間に機体が流されてしまう事を防ぐため簡易的なアンカーが装備されている。
そのアンカーを起動するベリオ。>
ベリオ:オラオラオラオラオラオラオラフルパワー握手じゃい!!!!!!!
<がぎゅんと鉄に何か硬いものが食い込む音。
ベリオの右手のスペースアンカーが起動し、鋭く太い爪がスペリオルの右手首に深く食い込んでいる。>
ディール:......何だ、あれは.....。
カリオストロ:何て強引で....男らしい....
ワカミネ:軍であんなことをやったら軍法会議ものだがな。
フラワ:だめベリオ...ッ!! もうあのキャノンはいつ発射されてもおかしくないのよ!!!
ベリオ:うおおおおおおおおおおおおおおおおっ....らあああああああああああああ!!!!!
<多数のランドアーマーを振り切り。右腕に固定したスペリオルを盾にしながらヴェイルサイドに肉薄。
VAILSIDE DRIVEの砲口に巨大な光球が生まれ、
今にも発射されそうな瞬間に右腕を固定されたスペリオルごと振り下ろし。>
ヒメ:嘘っ!!?!?ちょっ、このガキッ......!!!!!
ベリオ:イーストダーウィン流ぅ........人間ハンマァァァァァァァァァーーーーッッッッ!!!!!!!!
ディール:ほっ....砲塔を.....
カリオストロ:スペリオルで
ワカミネ:ぶん殴っ
フラワ:たぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!?!?!?!?!??!?!?!?!?!??!?!!
<鼓膜に訪れる不快な高周波の直後に訪れる全身を砕くほどの轟音。
VAILSIDE DRIVEが発射されたのだ。
然しずれた砲塔は狙いが僅かに逸れ、IOPLANETに到達するころには直撃を回避する形となっていた。>
ベリオ:オラァ見たか!!!!!!誰が乗ってるかは知らんが....
どーせ...ラプラス!!!お前が噛んでんだろう!!!!救ってやったぜアホタレが!!!!!!
ヒメ:はれほれひれ....<目を回しているヒメ>
ラプラス:『...見事だ。』
ベリオ:やっぱりな。回線を開けたら返事すると思ったぜ。
どうだ!!!宇宙まで追っかけてくるとは思わなかったろうが!!!!
ラプラス:『ああ。予想外だったよ。“短期間で追いかけてくる”という点については。』
ベリオ:...ッッッ妙な言い回しすんじゃねえ!!!!
お前の負けだ、テンペスト・ラプラス!!!!!
ラプラス:『私が砲塔がずれた程度でとん挫する作戦を取るとでも思っているのか?
...だとしたら、私の見込み違いだったな、ベリオ君。』
ディール:ベリオさん!!!!!!!!!!!
<ディールの悲痛な叫びがインカムから飛び込んでくる。嫌な予感を感じて振り向くベリオ>
ベリオ:.....あんだよ、嬉し泣きにはまだ早.........何....だ...これは.......
<ぞわぞわぞわぞわ、と宇宙空間を埋め尽くす蟻のような黒い影。
それはIOPLANET周囲のNOAHZの飛ばした人工衛星。
それらが外れたビームの行き先に壁の様に現れている。>
ワカミネ:計算は後にしろ!一つでも撃ち落とせ!!!!絶望する暇などないぞ!!!
ワカミネN:然し...この圧倒的な数....ッッッ!!
フラワ:ッッ撃ち落としきれない....!!!!
<ガチン、ガチンとフラワのCTの備えるスカウトライフルが弾切れを知らせる音を響かせる>
フラワ:これじゃ....
ワカミネ:何が押し寄せてきている...ッ!!!
ディール:衛星.....だ....。
ディール:膨大な数の衛星が.....、反射板を装備して巨大な鏡になっているんだ....!
NOAHZの飛ばした膨大な数のIOPLANET周辺の軌道人工衛星を操って....ッ、
これじゃ....ッ、どこにビームが飛んで行こうともIOPLANETに直撃する....!!!!!
カリオストロ:...まさかそもそも詰んだ盤面で戦わされていたとはね。
....その頭脳を虐殺に使うか....!!! 暗君.....!!!
ベリオ:テンペスト・ラプラス!!!!!! 降りて来い!!!!降りて戦え卑怯もんが!!!!!
ラプラス:『私の戦争は既に始まっている。戦いに乗り遅れているのはベリオ君、君の方なのだよ。君が上がって来い。』
<インカムから無慈悲な声が響いた瞬間、ブゥン....と不快な振動が機体を襲う。
やけにスローモーションに感じるその振動を振り払うように振り返るベリオ>
ベリオ:そん.....な......。
<真っ二つに破壊されたIOPLANET。それを呆然と眺めるベリオ。
右腕をパージしてドミナントJBから距離を取り、回線をつなげてヒメが煽るように叫ぶ>
ヒメ:あっははははははァ!!!
お前らみてェなハエが考えなしに突っ込んできたって関係無ェんだよ!!!
大佐に追いつけるとでも思ったかァ!!!
ベリオ:................。
ディール:IOPLANET爆散の衝撃波の到達まで7分!!!
フラワ:!!!! セイヴァージークとの通信リンク確立!!!!全機セイヴァージークへ帰投!!!!
ベリオ:お前ら.......。
ドミナントJB:『T-T-TRYOUT COMMAND ONLINE』
ベリオ:...いや、喋んのは後だ。
ワカミネ:ベリオ!!!帰投しろ!!これはミッションだ!!!
ドミナントJB:『TOOFAST JAILBREAK』
ベリオ:覚悟しろ。
ドミナントJB:『...COUNTING』
ディール:ドミナント・ジェイルブレイクとのリンクが一方的に遮断されました!!!!
....いや、あの速度は....?うわぁっ!!!
<ディールのドミナント・ディテクターをワカミネのランドアームズ
『サイドホーン』がフックを引っかけてセイヴァージークへ引っ張る。>
ディール:ワカミネさん!!!!離してください!!!ベリオさんが!!!!
ワカミネ:馬鹿者!貴様も命を捨てたいのか!!!!
怒りに任せて命を軽視するのは二流の兵士だ!!!!!!!!
フラワ:...ワカミネの言う通りよ、ディール。
いま私たちがやらなければいけない事は生きる事。
ベリオの回収はセイヴァージークのランドスタッド捕獲クローで動きを止めて強制的に離脱するわ。
落ち着いて帰投しなさい。
ワカミネN:...声が震えている。...無理もない。...この若さにはあまりに不釣り合いな地獄...ッ!!!!!!
カリオストロ:見たまえ...あれこそが覇の道を行く姿ッ...!!!
ベリオ...どうして君はこんなにも僕の胸を焦がすんだい..?
折れた腕をも構わず敵機の前に立ち塞がる君の背中が...、君の機体の軋む音色が....!!!
僕をどうしようもなく愚かにさせる...ッ!!
フラワ:カリオストロ!!!!武装をオフラインにしなさい!!!!味方をロックオンしているわ!!!!
カリオストロ:チッ....水を差す...!!! ...すまない。帰投する。
<場面は変わり、ヒメとベリオ。>
ヒメ:たかだか寄せ集めのゲリラがァァ!!!
ヒメの機体にキズつけやがって!!! 楽に死ねると思うなァァァ!!
ベリオ:テメーこそ死ねると思ってんのか?
コックピット引っこ抜いて機体粉々にして洗いざらいラプラスの作戦を吐かせてやるよ。
<二人の機体は弧を描いて時折ぶつかり合う。
互いのビームサーベルが衝突する度網膜に焼き付くようなプラズマが散る。>
ヒメ:ほざくなハエぇぇぇ!!!
ベリオ:....っこの...人殺しがァァァァァァァァ!!!!!
<ビームサーベルを放り出したかと思うと、裏拳を繰り出すドミナントJB>
ヒメN:速...、いや、何だこれは....!?!!?!?
ヒメ:うぐぁぁっ....!!!!!
<高速で繰り出される裏拳を回避できずに、思わずうずくまったような態勢で隙を見せるスペリオル>
ベリオ:...今からお前の機体の四肢を全部引っこ抜く。
コックピット事お前を潰すかもしんねえけど...ハエに潰されるようなタマじゃねえもんな?
<ぎぎ、グギギギギとヒメの耳に響く恐ろしい悲鳴のような金属のねじり切れる音。>
<場面転換。戦艦“セイヴァージーク”内。>
ディール:....ランドスタッド捕獲クローの充電を急いでください!
電圧が強すぎると回路が焼き切れる為、精密電圧調整の際は必ず僕を呼んでください!
フラワ:ディール!!!!
ディール:....フラワさん。
フラワ:どうなっているの。スペリオルのスペックを異常に越えたドミナント・ジェイルブレイクのあの加速は。
...何故隠していたの!
ディール:....すみません。然し、隠していたわけでは.....っぐ!
<殴られるディール>
フラワ:ふざけないで!!!機体情報の完全な開示と点検は絶対の義務!!!
結局突っ走るベリオを予測できなかった!!!
....これでベリオが死ぬようなことが有れば...、分かってるわね。
ディール:......................。
あぁ、大丈夫。電圧調整班に合流するよ。
<そう心配げに見ている作業員に答え、作業に戻るディール>
<場面転換 戦艦“VAILSIDE”メインブリッジ>
ネリル:大佐。作戦外での戦闘です。ヤクト軍曹の援護と保護を。
ラプラス:...本来であれば、そうすべきだ。...だが、何かおかしい。
ネリル:恐れながら...、猶予の残された戦闘ではない様に見られます。
ラプラス:勿論だとも。
“ヤクト軍曹の命という観点では”、猶予は残されていないだろう。
...だが、あの機体。 スペリオルの設計図をベースに作られた筈だ。
多少の外見の差異も説明がつかないわけではない。
...引っかかるのは、速度だ。剣を振るう速度。スラスターの角度修正時の速度。反応速度。
あれは生身の人間の限界を超えている....様に見える。
あの速度を維持するには...莫大な出力維持のために体躯は大きくあるはずだが...スペリオルとサイズは変わらない。
.....であるのなら、スペリオルのスペックを優に超えているあの動きは何なのだ?
訓練された兵士の様に理に適った動きをするでもない...
にもかかわらず、戦闘においてヤクト軍曹の歯の立たぬほどの優位を担保するあの速度は何なのだ?
.....未知とは脅威。...羅針盤たる我らには未知があってはならない。。
...例え現時点で未知であっても、限界までデータを取らねばならない。
“見”(ケン)に回る...、古い兵法にも現場のデータの重要性は説かれている。
...優先するものを見誤ると討たれるぞ、ネリル。
ネリル:.......浅学でございました。
ラプラス:責めているわけではない。
私も、ヤクト軍曹を見捨てるつもりは毛頭ないよ。
40秒後にスペリオル・CSの出撃。ヤクト軍曹の生還を主とし、援護せよ。
男性パイロットA:はっ。
ラプラスN:私の勘だが....あの機体は速いのではない。
例えば、殴られた時のスペリオルの腕の傷つき方。.....何かに“挟まれて”いる........?
<場面転換 ベリオvsヒメ>
ベリオ:ああ?もう終わりか?ジタバタジタバタしやがって。
ヒメN:何なんだ...何なんだこいつッ....!!!
ビームサーベルも反応して避けられる....っ、攻撃は全て受け流すこともできない...ッ!!
モニターで見えている映像と機体が殴られた衝撃が遅れている気すらするほど速い...ッ!!!
ベリオ:ラスト足一本。死なねえようにバカみてえに縮こまって怯えてろカカシが。
<コックピットのある位置を手で掴んで、スペリオルの足を引き千切ろうとするドミナントJB。
すると、ドミナントJBの顔の横をビームが掠める。>
ベリオ:.....あぁ?先に死にてえのか?
<そう言ってスペリオルから手を放すベリオ>
スペリオル・CS 男性パイロット:ヤクト軍曹!サポートに参りました!
今です!離脱をしてください!!!!!
ヒメ:か....必....ず.......次は.....殺......す.......
<そう言いながら手元のレバーを引くヒメ。
すると、コックピットが脱出ポッドとして機体から射出され。
簡易的なスラスターが吹かされてスペリオルCSまで向かっていき。>
ベリオ:逃がすワケねーだろうが。....面倒臭え、死ね。
<そう言うとゆっくりとビームライフルを片手で構え、引き金を引こうとしたその瞬間。>
ドミナントJB:<OVER>
<がくん、と動力が切れて動かなくなるドミナントJB。そして次の瞬間、巨大なマジックアームがドミナントJBを鷲掴みにする。
そしてベリオの機体のインカムが復活したのかフラワの声が飛び込んでくる。>
フラワ:ベリオ!!ベリオ!!!!!生きてるのよね!!!!話はあとで聞く!!!
今は,,,抵抗しないで。貴方を回収してこの宙域から離脱するわ!!!
ベリオN:声が....出ねえ.....
ベリオ:う.........
フラワ:絶対に死なないで!!! 必ず貴方を回収してみせる!!!!死なせないんだから!!!!
<フラワからインカムを取り上げ、回線にカリオストロが割り込んでくる。>
カリオストロ:ベリオ!!!!!死なないでくれ!!!いやだ!!!!僕も君の傍に行く!!!!
ディール:カリオストロさん落ち着いてください!!!
間もなく数千万人クラスの居住コロニーの爆破による振動が来ます!
何かにつかまって揺れに備えてください!!!これ以上は
<ブツン、と通信が途切れる。>
ベリオ:........くそ........
<ベリオの意識が途絶える>