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宇宙創記ドミナントレガシー  作者: ZINDUSTRY
第一部
4/29

【EPISODE3 Sign of(サイン オブ)】

●配役表


ベリオ♂:

ラプラス♂:

NOAHZ兵士A♂:(※ディールと兼ね可)

NOAHZ兵士B♂:(※ラプラスと兼ね可)


フラワ♀:

フィオナ♀:

ネリル♀:(※フィオナと兼ね可)


ディール♂♀:


●男女比率

最小5人【♂2・♀2・不1】

最大8人【♂4・♀3・不1】




ベリオ:テン兄....。っぐ...<起き上がろうとして顔をゆがませる>


ラプラス:ああいや、そのままの態勢で構わないよ。痛むだろう。


ベリオ:す....すいません....。


ラプラス:止めた方が良かったかな。

だが...君たちの姿が私の思う若さとあまりに重なって...美しくすらあったものでね。

言語とは、何も声のみで伝えるものではないだろうと思ってしまったのだよ。


ベリオ:.....こんな所、見られたくなかったっす。 ダセえから....。


ラプラス:君の幼い時に何度も見たよ、この光景は。

ただ...小さなロボットの人形を握り締めた君が抵抗もせず殴られているのを助けていたあの頃とは、

大きく違う意味を持つ光景だと、私は思うがね。


ベリオ:.....聞いてましたか、殴り合いしてる時の...オレ達の会話。


ラプラス:聞いてくれと言わんばかりの音量だったよ、二人とも。

私に気付かずに熱の入った論争だった。

もちろん、聞いていたさ。


ベリオ:.....分かってるんです、本当は。

ガキを救うには、社会を変えるべきだって。

オレの自己満足で建てた小屋で、根本的に問題が変わんのかって。

捨てられたガキを救うんじゃなくて、ガキを捨てない社会を作る方が先決なんだ、....って。


ラプラス:君の年で考える事ではないのだがね。...本来は。


ベリオ:誰かが言わなきゃなんねえんです。

セントラルじゃイーストの死亡者なんてデータでしか見てねぇんだ..。

皆老衰で死ねると思ってやがる...ッ。


ラプラス:得てして人は満たされると光のみが世界を構成していると思い込むのだよ。

闇への直視を恐れ、むようになり...いつかは闇そのものを忘れてしまう。

セントラルの人間達を見なさい。

満たされ、安定した生活を送る人間達は死体をその目で見ようと闇へ足を運ばない。

その死体のよわいなど知るよしもない。

平和の為に垂れ流される汚染も、造られる武器も御伽噺だと思っている。

いや…御伽噺にすら、汚染や銃器の存在は欠片も出てこないだろう。 

だからこそ、君の言う現状への一石を投じる行為は必要であると私は感じるよ。


結論から言おう。

孤児院は必要だ。私もセントラルで議会に掛け合ってはいるのだがね。

...どうしてもNOAHへの軍事物資関連の承認や報告で手一杯になってしまっているのが現状だ。


...最早法の速度では人々の死に追いつかない。

...話は変わるが....セントラルエジソンでは高周波探査の技術研究が盛んでね。

精密動作技術の研究の進歩により、宇宙資源の回収の為のセンサーの開発が積極的に行われているのだよ。

私のような機械に疎い人間にも大量にサンプルが送られてきてしまってね。。断ってはいるのだが。


ベリオ:………!!! …つまり、どういう事ですか。


ラプラス:“もし仮に私が大量に送られたサンプルのうちの一つの高周波センサーを落としてしまったら”...。

と、日々管理に苦労している、という事だよ。


<そう呟くように言うと、ベンチにゴトン、と両手のひら大のパーツを落として去る。>



ベリオ:....テン兄。


<ゆっくりと起き上がって、すでに見えなくなったラプラスの背中を目で追うようにして、場面転換>


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<カフェ SeaCleにて座っている二人。呆れた表情でベリオを頬杖をついて眺めるフラワ。>



フラワ:で、あによその顔。


ベリオ:うるせーな....。だから言ってんだろ。 一輪車練習してんだよ。


フラワ:バレバレのウソ辞めて。

,,,,ま、どーせケンカしたんでしょ。辞めなさいよ。弱いんだから。


ベリオ:弱くねえわ。 爪隠してんだわ。能が有るから。


フラワ:何?ハゲタカ?


ベリオ:突拍子がないようで意味が通ってる悪口辞めろ!


フラワ:で。その顔からするに....ディールの勧誘は失敗ってとこ?


ベリオ:.........まーな。


フラワ:ケンカして、負けた上に勧誘も失敗。

涙をこらえてフラワちゃん助けて~ってとこかしらね。


ベリオ:違えよ。...見ろ。


<机の上にセンサーをゴトンと置く>


ベリオ:センサーだ。

High Frequency Analyze Systemハイフリークエンシーアナライズシステム

H.F.A.S。.....って、書いてある。


フラワ:書いてある...って、アンタこれどっから持ってきたのよ。

盗んできたんじゃないでしょうね。


ベリオ:バカよく見ろ。正規品だよ。

まあ正確には正規品になる前のサンプルだが。


フラワ:....このロゴとIDは.....ウソ。本物じゃないの....。


<IDを携帯端末で照合するフラワ>


フラワ:...どこから手に入れたのよ。

盗んだなんて言わないでよね。

...もし盗んでいるんだったらアンタを探すNOAHZノアーズで街中パンパンでしょうし、盗んではいないんでしょうけど。


ベリオ:えー....あー....落ちてた。


フラワ:ま!!じ!!め!!に!!こ!!た!!え!!な!!さ!!い!!

<ベリオの頬を両手で挟んでぶんぶん振り回す>


ベリオ:んおおおおおおおおおマジなんだって!!!!

それ以外にどうやって俺が手に入れんだよ!!!!


ベリオN:テン兄に作戦を聞かれててこっそりセンサーを横流してもらったなんて言えねーよ.....!!


ベリオ:イーストダーウィンの軍事基地局にはこういうパーツがたっぷり管理されてんの。

セントラルならまだしも....イーストの基地局に落ちてたセンサーだしそこまで高性能じゃねえんだと思うぜ!!


フラワ:フン。....まぁ、確かに。

正規品になる前のサンプルだし、ある程度の数は基地局に転がってそうな代物ではあるわね。


ベリオ:ディールはアレだったけど…このセンサーがあれば、関係無ぇ。

目が無えのはちょっと痛いが…

まあ、岩ごと大雑把に削って、センサーが鳴ったら掘るのをやめて…の繰り返しでいいだろ。

あとは…このOBLOM鉱石をフィオナさんに使う。

粉にして飲ませりゃいいかな。


フラワ:バカ。原始人じゃないんだから。

経口摂取けいこうせっしゅで飲ませるなんて危険だし、効き目が薄かったら無意味でしょうが。

OBLOM鉱石の砂やら不純物を取り除いて、残った純OBLOM鉱石を精製して…、点滴って形でフィオナさんに投与、ってとこかしら。

で、余った鉱石は技術部門のバイヤーのアタシの知り合いに売り飛ばして、孤児院の建設を発注。ってとこかしらね。


ベリオ:…ディールがいれば、発注とかもスムーズなんだがな。


フラワ:未練がましいのね。

ウジウジしてるトコ、父さんの飼っていた死んだ犬にそっくり。


ベリオ:可愛いってこと?


フラワ:いや死んでんだから可愛いも何も無いわよ。


ベリオ:“犬の死体”に似てんの?


フラワ:とにかく。目処は立ったわね。

精製はあたしのラボでやれば良いし。さ、行くわよ。


ベリオ:え、どこに?


フラワ:ラボのランドスタッドドックよ。あんた動かせんの?CT。


ベリオ:……今から?


フラワ:善はクソ急げ、よ。


ベリオ:慣用句の味付けが濃くなってないか?


ーーーー〈場面転換〉ーーーーー


〈ゴウンゴウンと規則的に響く重低音。薄いスポットライトで鈍く照らされる人型の巨大な物体。

不気味なやや猫背にも見える前傾姿勢で微動だにしない“それ”に思わず息を飲むベリオ〉


フラワ:あにボーッとしてんのよ。ほら邪魔どいてどいて。 

これが…超精密作戦行動用ランドスタッド…CTよ。ほら、こっち来なさい。

〈ハシゴのついた中型の車が自動で動く。その車でCTのコックピットに乗り込みながら声をかけて〉


ベリオ:…あ、あぁ。


〈共に乗り込むベリオとフラワ。胸元をはだけさせて胸元にコードをつなぐフラワをチラリンコチラリンコ見てしまうベリオ〉


フラワ:すーーーーーっ、ふーーーー…。

見てんじゃ無いわよ変態。…ランドスタッド、CT。


…起動。


CT:《CONTROL ACTIVATED》


ベリオ:な、なんか喋ったぞ!!!!


フラワ:英語でキドーシマシタって言ったの。


…で、これで。 よっと。


〈コックピットに乗り込む際使用した梯子付の車をCTの指が梯子と車に指で分解していく〉


ベリオ:…スゲーな。あんなクソ小せえパーツを指でつまんで分解するとは…


フラワ:組み立て直しも出来るんだから。

なかなか…、自分の体と縮尺しゅくしゃくが違うから難しい…、けど…ほら、出来た。


ベリオ:ドックのカメラに写ってるけど…お前ってプラモ作る時にあぐらかくタイプ?


フラワ:うううううううるさいわね!ライトに頭が当たんのよ!!!!

こうした方が簡単なのよ!!!!  はい降りる!さっさと降りる!



CT:<<CONTROL INACTIVATE>>



(コックピットから出る二人)


フラワ:…さ、これで一応動作も確認したし…決行は早い方がいいわね。


ベリオ:NOAHZのランドスタッドに乱獲されたり防衛施設を張られるかも知れねえしな。

んーじゃ…今夜。


フラワ:…………ま、筋道立ったら即行動、でいいでしょう。

今の内に寝とくのね。あと遺書とか。


ベリオ:縁起でもないこと言うな!!!………だいじょぶだよな?


フラワ:あーもー鬱陶しい!さっさと帰る!!!!



(モジモジし始めたベリオを手でしっしっと追いやるフラワ)




フラワ:....私もやっと、人を助けられるかも知れないわ。お母さん。

(ブローチの中の女性の写真に向かって語り掛けるフラワ)



<場面が変わり、酸素供給装置のウインウインとした無機質な音が響き渡る空間。戦艦“ヴェイルサイド”のとある一室で>


ネリル:良かったんですか、大佐。


ラプラス:君にしては珍しく抽象的な質問だな。


ネリル:具体的な言葉は時に野暮と等しいと教わりましたので。


ラプラス:君の師に同感だね。 .....構わないさ。

ベリオ君には存分に鉱石を発掘してもらう。


ネリル:これも“入口”に辿り着く道程みちのり....ですか?


ラプラス:....彼次第だね。


ネリル:二兎を追っていたら、それが兎では無かった、なんてことは想定しませんのね。


ラプラス:何、虎であればむしろ大助かりだがね。


ネリル:んふ。....可愛い人。


<二人が背後を振り返ると背後の壁が透明に変化し。

“VAILSIDE DRIVE”(ヴェイルサイドドライブ)と刻印された巨大なレーザーキャノンが現れて暗転>





ディールN:まったく.....ベリオさんは決めたことに対して視野が一気に狭くなるんだからな。

....僕にケンカで勝てたことなど、一度もないのに。


ディール:ただいま戻りました。

最近の軍備拡充案が重なってしまって....少し家を空けてしまいましたが。

お体に変わりは有りませんか、母さん。


フィオナ:あら。夕日がまだ昇っているのに、早く帰ってこられたのね。

お帰り、ディール。けほっ...


ディール:長引く風邪ですね。

....自宅療養ではなく、入院して見てもらうのも手だと思いますが。


フィオナ:ふふっ。私がいなくなればこの日の浅いコロニーの雇用は混乱と停滞に飲まれるでしょうに。

...この若いコロニーを未来の子供たちの盤石ばんじゃくな土地にするには、

眠る事すら私には耐えがたい怠慢なのですよ、ディール。


ディール:....イーストとセントラルにおけるインフラ設備にNOAHへの技術提供...

そして、子供たちの安全な居住地や育児の環境の確保。

これらはまだまだ発展途上です。

僕も一刻も早くムロウル家として恥じない働きをしなくては。


フィオナ:....ディール。ムロウル家の人間として恥じない行いを母は求めているわけではありません。

このコロニーを共に踏みしめて生きる人間として恥じない行為を求めているのです。

貴方の周りの人を、貴方を想う人を...。

そして何より、貴方自身が、貴方を恥じる事の無いように生きることを求めているのですよ。


ディール:...適わないな、母さんには。

....ん、このミルフラワーは母さんが買ったんですか?


フィオナ:......えぇ。 庭の手入れをしてくださる方がお部屋での鑑賞用に是非、って。


ディール:そうなんですか。....この花は、あまり好きではないんですがね。


フィオナ:あら、気に入らないの?


ディール:あはは、誤解しないでください。

温度で色が変わるでしょう、この花は。

色の変わるさまが毒々しくて。 それに、生態も。

水温次第で表情を変えるこの花が、人間の弱さを現しているようで...得意ではないんですよ。


フィオナ:....貴方も、とっても優しい子ですもの。

このお花の色の変わる様が“目まぐるしさ”に見えてしまうのも、無理はないわね。

ミルフラワーは二階の書斎に置いておきましょうか?


ディール:いえ、水の入れ替えに距離が遠いと母さんの体調によくないですから。

見える箇所においておきますよ。

僕は平気ですから。っ....と。 基地局からメッセージだ。

緊急軍備承認会議...? 今月はやけに多いなあ....。

では、母さん。申し訳ないんですが。 なるべく早く帰宅するようにしますので。 

...<そう言って足早に家を去るディール>


フィオナ:....年を取ると、言葉の裏を探そうとしてしまっていけないわね。

<そう言ってベッド横の明かりを消す 場面転換>








<IOPLANET作業用ランドスタッド搬出口はんしゅつこうの前でCTを背後に言い争う二人>


ベリオ:おーい。いつまで手間取ってんだよ。


フラワ:こんなだっさい人生で付けたこともないガスマスクなんか手間取って当然でしょ!

アンタがそんなヌルヌル付けていけんのがおかしいのよ!


ベリオ:ヌルヌルて。これがないと岩石の粉塵が肺に入って中ズタズタなる可能性が跳ね上がるんだぞ。

スペーススーツだけじゃ危ねえんだぞ。


フラワ:だぞだぞうっさいわよ! ....はい、これでいいでしょ。

んじゃ、ちょっと下がって。 潰れるわよ。


<ふわり、と無重力を感じさせる柔らかさでコックピットに乗り込むフラワ>


フラワ:ふーーーー......。やっと、ね。 やっと、私が自分で決めた道を初めて歩ける。 ....いくわよ。




CT:《CONTROL ACTIVATED》



ベリオ:.......ぞっとしねえな。

インカム越しのこの声?音だけでもイヤなもんだが...。不安になったりしねえのか?


フラワ:『あたしの胸、見たでしょ?

“この子”と文字通り繋がってる身としては、カワイイものよ。

...ほら、手に乗って。 ここからはバレたら一発でアウト。』


<ベリオをCTで受け止めたフラワ。

潰さないようにゆっくりと手がベリオを覆う。

重たい音を響かせてランドスタッド搬入口が開いていく。

CTが搬入口から宇宙空間にスラスターを吹かせて移動しながら

全身からMANTマント(multiple analyzer negative technology。多種探知システム妨害技術。

電磁波、音波によるレーダー機器の作動を認識し対極のソナー波を出してレーダーを打ち消すステルス技術。)をバラまいて

宇宙デブリ(宇宙空間に浮かぶゴミや漂流物の事。

ここでは宇宙空間に大量に存在する岩石群を指す)に移動していく。>


フラワ:『....静かね。それに、どこまでも続く黒。

...私たちは本当に地球を出て、宇宙で生きているのね。』


ベリオ:センチになるなよ。見るべきは銀河の遠くじゃなくて、近くの岩だ。


フラワ:『わかってるわよ。放り出すわよ。

....ん、モニターの概算によると....この岩石に含まれている可能性が高いわね。』


ベリオ:よし、じゃあ周囲の岩石をどけてくれ。

んで...そう、この岩を指で削って欲しいんだ。 砕けねえように慎重にな。


フラワ:『あのね...、このCTの馬力からすればこんな岩一個ゆで卵と同じなの。

どんだけ神経使う作業なのかわかって言ってんの、その注文。』


ベリオ:よし、ドリルで削ってくれ。慎重にな。


<きゅいいいいいん、と甲高い音を立てて岩の中に沈み込むCTの指先から出ている小さなドリル。

小さいと言っても人間4人分を束ねたような大きさのドリルであり。

そのすぐ真横をセンサーを持ったベリオが立って耳を澄ませており。

すると、唐突にVIIII、と鈍く音が響く。>


ベリオ:!!フラワ!!!


フラワ:『了解。 こら、手出さないの。

ドリルに触れるとトマトみたいにはじけちゃうわよ。』


ベリオ:いちいち嫌な言い方すんだもんな....。


<そういいながらベリオの持つ小さなドリルでセンサーの音を頼りに岩石を削る。

そうすると、乳白色に青みがかったような色の鉱石が現れた。>


ベリオ:お.....これ.....これが,,,,


フラワ:『OBLOMオブロム鉱石...。

ただの岩石と一緒に見えるけど。黒ずんだ、石ころじゃない。』


ベリオ:ほー。モニターで見ると黒ずんで見えんのか。

実際は青みがかった...乳白色にゅうはくしょくみてえな色してんだけどな。

ほれ、CTの回収ボックスに入れといてくれ。割るなよ。割ったらパーだからな。


フラワ:『アンタも余計なプレッシャーかけてくんじゃないの。あんまりいうとマジに割るわよ。』


<そう溢しながらもCTの回収ボックスにゆっくりと格納されていく鉱石>


ベリオ:次は...X345(さんよんご),Y600(ろくぜろぜろ)。Z-970(きゅうななぜろ)だ。人間用の端末じゃここまでしか観測できねえ。

CTの計測値だとどこらへんだ?


フラワ:『今移動してるでしょ!!!!!!!!!!舌噛むから黙ってなさい!!!!!!!

......α(アルファ)678,β(ベータ)960、ね。

だから...この岩石ね。でkkkkkっか。』


ベリオ:....帰ろっか。


フラワ:『こ....れはたまらんわね.....。

うーーん.....。取り合えず、半分に割りましょう。そい。』


<CTが腕を振りかぶって拳を岩にたたきつける>


<瞬間、ぎゅいいいいいいいいいいいいいいいいん、と耳に痛い高周波がベリオの手元から鳴る>


ベリオ:バカお前いきなり....ッッ!!!!


<─────────ッッキュンッ、と一瞬音が吸い込まれるような静寂の後に、

鼓膜をつんざく程の轟音と衝撃波がベリオを襲う。>


フラワ:『ごめええええええええええええええええええええええんっっっ!』


ベリオ:........お前さあ


<CTのモニターに大の字でべったりと叩きつけられてしまったベリオ。

モニターいっぱいのベリオの不満顔>


フラワ『あんまりでっかいのも考え物ね。』


ベリオ:どう考えても正拳突きしたのが悪いだろ


フラワ:『...どっちみちあんなに大きい中から掘り出すのも厳しいでしょ。

結果オーライよ、結果オーライ。...ッ、隠れて!!!』


ベリオ:....ッ!!!


<CTの手の中に隠れるベリオ。岩石に身を隠すフラワ>



NOAHZ兵士A『宇宙資源区域にての爆発の目視。アナライザーにより熱量....

高エネルギー分子の連続衝突によるものと断定。』


NOAHZ兵士B『了解。続き継続してアナライザからの情報送れ。

....何かがこの周辺宙域に居たのは明らかだな。 武装のセーフティを解除しろ。』


NOAHZ兵士A『とは言っても、この区域に宇宙資源認定が下りるってのはトップシークレットのはずですが。

民間の宇宙清掃事業の衛星が爆発したのでは?』


NOAHZ兵士B『先月から宇宙でのトラブルの可能性は“極力”の初期段階での確認、随時の鎮圧をとの方針だ。

警戒を怠るな。』


NOAHZ兵士A『了解。』



<CTの全身からしゅうしゅうと音が小さく出ている。

“MANT”の散布によるその音はベリオに微かに聞こえる程度の音で。

岩陰に身を隠して動かないベリオとフラワの横をスペリオルが巡航飛行で通り過ぎていく。>


フラワ:『お願い....っ、早く離れて...!!!! このままだとMANTマントの残量が....!!』


ベリオ:「おおおおおちゅちけ!こういう時は手のひらに人という字を」


フラワ:『え~と人人...』


<CTがベリオの居る手のひらに人差し指で人を描こうとする>


ベリオ:わああバカ潰れる!!!!CTと繋がってんだからやめろ!

<人差し指で潰されそうになっているベリオ>


フラワ:『あっ....ごめん。....それじゃ、続き。

ガンガン掘っていきましょうか。』


<そしてCTの収納ボックスに上限値までの採掘を終えた二人。

ランドスタッドドックに戻って、鉛製の手袋で絶振動ボックスにOBLOM鉱石を収納していく。>


ベリオ:よっし。これだけあれば孤児院の分,,,と、ディールのお母さんの分。

んで、これは...お前のラボの維持費の分。


フラワ:よくまあこんなに掘ったもんね。....ま、こんだけあればいいでしょ。


ベリオ:このOBLOM入り絶振動ボックスに宅配ラベルを貼り付けて、

ドローンで3...4日開けてエクスプレス船への配送レーンに紛れ込ませる。

全部届くまで4週間....ってとこだな。


フラワ:うまく作戦成功、って訳ね。...それじゃ、バイバイ。


ベリオ:おお。んじゃーな。


ベリオ:.....あともうちょいです、フィオナさん。



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