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アイテム小説

魔法道具 勝手風鈴

作者: リィズ・ブランディシュカ



 私は魔法道具屋の店員よ。

 魔力を注いで使う道具を売っているの。


 でも、最近はめっきり売れなくなっているのよね。

 みんな、科学道具の方がいいみたい。

 科学道具は魔力が無くても使えるみたいだから人気なの。


 でも、私は魔法道具をこれからも売っていくわ。

 だって、皆は科学の方が便利だっていうけど、科学道具にだって欠点があるもの。

 壊れやすかったり、高かったりしてね。


 皆いつか、魔法道具の良さを思い出してくれるはずよ。


 さて、今年の夏は何を売ろうかしら。


 夏の季節にふさわしい商品を売らなくちゃ。


 蚊取り線香とか、花火とかそこらへんはいつも通り売るとして。

 あと他には。


 あっ、お客様が来たみたい。


 頑張って魔法道具を売り込まなくちゃ。


 いらっしゃいませー。


 なにをお探しでしょうか。


 ふむふむ。


 夏を涼しくのりきる魔法道具が欲しい?


 クーラーとか扇風機とかの科学道具じゃなくて、もっとふわっとした効果のものがほしい?


 風情を求めている?


 部屋の飾りにもなるものが良いんですね。


 なるほどなるほど。


 でしたら、こちらはいかがでしょうか。


 その名も勝手風鈴。


 気温が一定以上上がったら、空気を読んで勝手にちりんちりんと音を鳴らしてくれるんですよ。


 それだとうるさくならないか?


 あー、確かに真夏日が続くと大変ですよね。


 しかし大丈夫です!


 この風鈴はさかさまにつるす事もできるので、暑い日は水をいれてあげていると、ごくごく飲んじゃいますよ。


 そうすると、音を鳴らさなくなるので静かに過ごせます。


 えっ?


 微妙、ですか?


 ペットみたい?


 そっ、そうでしょうか。


 でっ、では別のものをご紹介しますねっ。







 はぁー、なんとか商品を売る事ができたわ。


 接客って難しいわね。


 でも、まさか結局最初に紹介した勝手風鈴を買っていくとは思わなかったけど。


 風鈴が勝手になついてくれてよかったわ。


 試しに動かしてみたら、ちりんちりん言いながらお客さんにすりよっていったのよ。


 魔法道具の商品に助けられる店主ってどうなのか?


 うっ、確かに。


 でっ、でも大丈夫よ!


 今はあれだけど、将来的にはすんごい魔道具売りになってるから。


 さぁ、気合を入れて頑張るわよ。


 次のお客さんがやってきたわね。


 いらっしゃいませー。



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