表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/484

二つ名と勇壮曲

読者キャラ化企画枠より


maoさん〔フィッサール人行商人・マオ・ノイル〕

螢さん〔エントラタ人旅芸人・オダ・ホタル〕


 天使の小羽根亭の中が静寂に包まれている。あまりの出来事に誰もが言葉を失っていた。

 いつの間にか姿を表していたのは私達を束ねる上司。

 傭兵ギルドのギルド支部長ワイアルドさんだ。その傍らには傭兵ギルドの事務長である女性の姿もあった。


 みなが私とドルスのやり取りをじっと見守っている。それに気づいているのかいないのか、あたしにここまでコケにされたドルスがとうとう本性を表した。

 

「調子に乗ってんじゃねえぞ。小娘」


 彼の口から出たのは口汚い罵声。だが私はひるまない。


「小娘じゃないわ」

「二つ名も無ぇひよっこのくせに」

「だったらあんたの鼻っ柱をへし折って、正々堂々と名乗らせていただくわ」

「おもしれぇ」


 ドルスも立ち上がる。そして、腰に下げていた武具を抜き放った。

 

「俺が刀剣術の達人だって知ってて言ってるんだろうな?」


 抜き放った剣の切っ先を私に向けて突きつけてくる。ハッタリじゃない。片手剣の剣技だったら他に追随を許さないほどの腕前なのは有名な話だ。

 

「手加減しねえぞ。傷だらけになりたくなかったら今のうちに土下座しろ」


 だがそんな程度で怯む私じゃない。


「その言葉、そっくりお返しするわ」

「ほざいてろ、メスガキが」


 吐き捨てたドルスが更に言う。


「せめてもの情けだ、着替える時間をやる」


 だが私はそんな言葉には乗らない。戦いのテンションを落としたくない。戦いとはノリと勢いだ。それを殺さずに勢いづけるのも重要なセオリーなのだ。

 

「けっこうよ。このままでやらせてもらうわ」

「馬鹿が――」


 ドルスはそう言いながら店の外へ向けて歩き出す。

 

「丸裸にして泣かせてやるよ」


 それ以上は私は何も言わなかった。ただ、そのまま店の外へと歩いていく。足に履いたエスパドリーユが乾いた足音を奏でている。


 二弦手琴を弾いていたはずのホタルは、フェンデリオルの六弦のリュートを持ち出して曲を奏でていた。リズミカルで勇壮な戦いを盛り上げる武闘曲だ。その曲の意図を私はすでに気づいていた。

 リアヤネさんもウェイトレスの人たちも真剣な表情で見つめている。こういう場ではケンカや果し合いは珍しくない。店内で乱闘になることもある。だがそれを我が身可愛さで止めるほど甘くもない。

 マオが問いかけてくる。

 

「ルスト、思いっきりやりな! 怪我したら手当してやるよ」


 マオは男のようなさばけた話し方をする。その語り口が心地よかった。私はほほえみと共に言葉を返す。


「ありがとう」


 マオが私の背中に声をかける。


武運祈願(ウーユン チーユェン)


 その言葉はマオのふるさとで戦いの勝利を願うものだということを私は思い出していた。


お願い:☆☆☆☆☆を★★★★★にして、ルストたちの戦いを応援してください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
■新シリーズの■
【旋風のルスト正当続編『新・旋風のルスト 英傑令嬢の特級傭兵ライフと、無頼英傑たちの国際精術戦線』】
⬇画像クリックで移動できます
新・旋風のルスト<

【本編リンク】

第1部:西方国境戦記・ワルアイユ編

第2部:西方国境戦記・オルレア編

■旋風のルスト:関連作品リンク■


■第2部の後のルストと仲間たちの〝それぞれの物語〟■
【旋風のルスト・アフターストーリー『それぞれの旅路』】


旋風のルスト外伝
『旋風のルスト・2次創作コラボ外伝シリーズ』連作集

▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒■いつも本作をごらんいただきありがとうございます
▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒
【幻想検索 tentatively】
ツギクルバナー 小説家になろうSNSシェアツール
小説家になろうアンテナ&ランキング
fyhke38t8miu4wta20ex5h9ffbug_ltw_b4_2s_1

Rankings & Tools
sinoobi.com

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ