表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/484

会議 ―新領主擁立―

 場が一瞬にして沈黙する。静寂に包まれた後にざわめきが広がる。

 

「馬鹿な? 急死じゃなかったのか?」

「ご病気と聞いているぞ!」


 動揺するのは最もだ。だが――

 

「静粛に! 話にはまだ続きがあります!」


――私は声高に力強く言い切った。そしてここからが重要なのだ。皆に賛同してもらわねばならない問題があるのだ。


「緊急事態による略式ではありますがバルセラ候の息女である〝アルセラ・ミラ・ワルアイユ嬢〟を新領主として擁立することをここに宣言いたします」

「略式?」


 私の宣言に対して疑問の声が漏れる。これは説明が必要だろう。

 

「領主の急逝などにより早急に次の領主を擁立する必要がある際に、領主の直属の親族であれば後日州政府に申告する形で略式でも良いとされています。これは侯族に関する規範法典に明記されている条項ですので問題ありません」


 そして、略式継承を確実にするためにやっておかねばならないことがある。

 

「ただしそのためには、略式継承を承認する賛同者が6人以上必要です。皆様にはこれに同意していただきたいのです。これに異論はおありですか?」

 

 法による手続きは書面による記録と他者による同意承認とで成り立っている。メルト村の人達による賛同は絶対に必須なのだ。私の説明に対してメルゼム村長が声を発した。


「異論はありません。この危機を乗り切るためにも今選びうる最善の策だと思います」

「ありがとうございます。では同意書に署名をお願いいたします」


 私の宣言と同時に執事のオルデアさんが領主承認のための同意書の用紙を運んできてくれた。それに連名で明記し、新領主の名をアルセラ自身に書いてもらえば完了だ。それをオルデアさんに託し領主擁立についてはひとまず解決する。

 ここからはこの村とワルアイユを守っていくために必要な議論へと移ることになる。

 そのためには説明しておかねばならないことがあった。私は意を決して告白した。


「皆様と行動をともにしていくにあたって説明しておかねばならないことがあります」


 アルセラが問いかけてくる。


「それは一体?」


 私はアルセラの顔を一瞥しながら皆へと毅然として言った。

 

「私達が派遣されてきたその理由です」

「え?」


 驚きの声を漏らしたのはアルセラ。それを意識しつつ私は続けた。


「私達は、このワルアイユ領においてミスリル鉱脈資源の横流しの疑義があるとの指摘を受けてその調査のために極秘裏に派遣されてきたのです」


お願い:☆☆☆☆☆を★★★★★にして、ルストたちの戦いを応援してください!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
■新シリーズの■
【旋風のルスト正当続編『新・旋風のルスト 英傑令嬢の特級傭兵ライフと、無頼英傑たちの国際精術戦線』】
⬇画像クリックで移動できます
新・旋風のルスト<

【本編リンク】

第1部:西方国境戦記・ワルアイユ編

第2部:西方国境戦記・オルレア編

■旋風のルスト:関連作品リンク■


■第2部の後のルストと仲間たちの〝それぞれの物語〟■
【旋風のルスト・アフターストーリー『それぞれの旅路』】


旋風のルスト外伝
『旋風のルスト・2次創作コラボ外伝シリーズ』連作集

▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒■いつも本作をごらんいただきありがとうございます
▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒
【幻想検索 tentatively】
ツギクルバナー 小説家になろうSNSシェアツール
小説家になろうアンテナ&ランキング
fyhke38t8miu4wta20ex5h9ffbug_ltw_b4_2s_1

Rankings & Tools
sinoobi.com

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ