表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/50

子猫のいる日常

 異世界への転生を果たし、子猫二匹を迎えてあれから三ヶ月が過ぎた。


 幼かったあの子たちも、日に日に成長してる。


「やっぱり、子猫の成長って早いね」


 そして今しかない子猫だけの可愛さを、二十四時間、おはようからお休みまで、昼寝も含めて子猫の暮らしを見つめる、元おっさんなのでした。


 二匹ともメインは白が七割で残りが茶色だった。右耳が茶色いのが特徴で、元気いっぱい、やんちゃなほうを勝手にお姉さん猫ということにした。


「おまえはお姉ちゃんより、ちょっと大人しいな」


 大人しいという訳ではないが、お姉ちゃんに比べると、ちょっと一歩引いている感じの、左耳が茶色なほうは妹猫だ。女の子だったよ、二匹とも。


 名前はお姉ちゃんが『(かえで)』、妹は『紅葉(もみじ)』にした。出会ったのは秋だったからね。楓も紅葉も一緒じゃねえか! ってツッコミはなしの方向で。


 二匹とも元気いっぱい走り回ってるか、遊んでるか、寝てるか、食べてるかな幸せな毎日だと思う。

 二階へと続く階段も、今では自由に上り降りしている。


 最初は階段の前で前足だけ頑張って、ちょんちょんしながら俺を見て、ミーミー鳴いていたので、だっこして移動していた。


 ある日、リビングに二匹を置いたまま二階の自室へ移動したとき、お姉ちゃんの楓が勢いに任せて、猛ダッシュで一気に階段を駆け上がってきた。


 それを一階で見ていた紅葉がミーミー鳴きながら、一段ずつ、頑張って登ってきたのを見たときは、悶え死んでしまいそうになった。


 俺の生活はと言うと、マイホームの機能とか調べながら、通販大手のニャマゾンやら、動画サイトに登録して、見たかった映画や、漫画、小説を子猫を愛でながら堪能する毎日だった。


 通販以外のネット機能は使えませんでした。テレビも地上波衛星などは見ることは出来なかったので、買い物と、動画閲覧用のモニタって感じかな。


 さすがに毎日食っちゃ寝を繰り返すのは不味いと思い、マイホーム機能で庭スペースを拡張して、高めの塀で囲い、二匹が脱走しないようにして、庭でトレーニング出来るようにした。


 狭い庭なりにぐるっと一周ランニングしてみたり――もちろん二匹も一緒に付いてくる――、芝生の上で寝転んでお昼寝したり、これまた毎日堪能している。


 子猫たちが今、一番興味を持っているのは、昼間に街道を行き交う馬車や旅人たちだった。


「また馬車が来たぞ~って、俺より先に動いてるし!」


 ちょうど南側の窓から街道が見えているため、耳の良い二匹が馬車や人が近づいてくると、興味津々で窓際から外を眺めている。これもまた可愛い。


 マイホーム機能や通販機能を、ちゃんと確認して思ったんだが、かなりチートじゃないでしょうか。ちょっとした工場とかも作れるレベルで充実してるんですが……。


 さすがに車やバイク、船舶や飛行機みたいなのは買えませんでした。電動自転車やドローンはあったけどね。銃や本格的なナイフとかもなかったです。日本準拠ってところですね。


 あと手持ちの日本円を、この世界の通貨に両替する機能もありました。もちろん逆両替も可能だけど、あんまり日本円にしちゃうと現地通貨総量が減っちゃって、大変なことになりそう。

 宝石や貴金属なども換金してくれる謎機能があったから、こっちの宝石や装飾品を購入して、還元するのは出来そうだ。


 まあ約十億あるし、日本と違って税金なんてないし、ぶっちゃけ死ぬまで余裕で生きていけると思います、無駄遣いしなければね。


 子猫たちが居るので淋しくはないが、そろそろこの世界のことも気になってきている。ただ子猫だけで留守番させるのも、まだ心配なのでもうちょっと大きくなってからかな。


 俺も身体は若返ったが、長い社畜生活で受けた精神的ストレスはまだまだ解消できてない気がする。

 デブらない程度に食っちゃ寝して、もうしばらく過ごすとしよう。



お読みいただきありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ