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猫リフォーム

「ふう、なんとか形になったかな……」


 昨日の学習成果を形にするため、朝からリフォームを頑張った!

 色々と弄るので楓と紅葉は、寝室に用意したゲージに待避してもらってるが、生まれかわったリビングと、猫部屋を中心とした我が家を見ればきっと許してくれるだろう。


 今後作る猫カフェなどのことも考え、衛生面からもキッチンは猫が入れないように、リビングと切り離し独立させた。


 猫が入って欲しくない部屋の扉は両面サムターンの鍵をつけ、ドアノブも垂直なタイプにして猫が回せないように取り替えて対策は万全のはず。


 反対に猫が入れる部屋の扉はスライド式にして、容易に前足で開けることができるようにした。傷が付きにくいように保護もしたよ。


 またガラス窓のあるタイプの扉を選んで、扉の向こうに猫がいるかどうかが簡単に見えるようにし、かわいい猫の姿を見やすくしてみた。


 リビングの約半分を使い、天井近くの壁周辺をぐるっと巡る通路であるキャットウォークを作り、何ヵ所か螺旋状のキャットツリーも設置して回遊性を持たせた。


 キャットツリーの一ヶ所は天井に穴を開けて二階の猫部屋と繋いだった!

 ついでに猫天井も作ってみた。猫天井は幅四センチの角材を一定感覚で並べた、スノコ状の床板を天井付近に設置したものだ。

 人が生活する上で天井までニメートルちょっとの高さがあればいいから、天井と、猫天井との隙間は二十センチちょっとだ。


 壁の猫ステップとキャットウォークの一部には小窓を付けて、猫が外を眺めることができる場所も作った。


 キッチン側の壁にも天井付近に細長い窓を作り、キャットウォーク上の猫をキッチンの中から見える仕組みを作った。


 でもこれは楓と紅葉の二匹だけだと、中々思うようにそこで遊んでくれないから、あまり意味はないかもしれないけどね。

 俺が料理しているときに高みの見物ができるから、ぜひ二人には利用してもらいたい!



挿絵(By みてみん)

 ・スノコ状の猫天井とそれに続く道を、柱にステップを取り付けたキャットツリーを設置して、キャットウォークへ繋げている

 ・街道のある南側に小窓や、横長の窓を作り、猫が外の景色を楽しめるようにしている




挿絵(By みてみん)

 ・玄関のある南側。小窓と、横長の窓枠は、色を付けて彩りを添えている。左側は庭を囲う壁、ぶさいくだけど仕方ない




 洗面所を改造して餌場兼水飲み場と、トイレスペースも作った。トイレスペースは床を少し下げて、防水処理と排水溝を作り掃除しやすくした。また、換気扇を設置して臭い対策もばっちりだ。


 その上に大理石で作った天板を作り、猫専用の水道とシンクを作った。水場の壁はタイルを貼って、見た目も涼やかお手入れも安心!


 猫は新鮮で酸素を豊富に含んだ水を好むので、常に少量の水を流し続ける贅沢な水場だ。ボウル型のシンクは水が一定量までくると溢れないように、排水されるようにしてある。


 これで十分な水分を摂ってもらえば、内臓への負担が軽減されるはず。といってもこの世界に召喚した猫は加護があるから大丈夫という噂もあるが、それでもやはり猫には楽しんでもらいたい。

 常に水が流れることによる視覚的な楽しみもあるしね。


 水場には生ゴミシューターを設置して、直接トイレごみを外のゴミ箱へ排出出来るようにもした。まあ自分の倉庫のゴミ箱へ入れてもいいんだけど、気分的な問題さ。

 餌や猫砂のストックを置ける扉つきの棚も作った。


 ここへ誘導する流れとしてはリビングのキャットウォークから廊下に出る穴を作り、そこから猫ステップやそれを組み合わせた猫階段なども使い、この水場へと続く道を作った。


 もともと洗面室の隣が階段だったので階段裏のスペースも利用した。

 天井にも穴を開けてキャットツリーで二階と行き来出来るようにしている。


 キャットウォークや、猫ステップ、ツリーもそうだが単体で完結した行き止まりにならないように回遊性を持たせた上でリズム良く動ける間隔で設置するのが重要なんだよね。


 二階は納戸は猫禁止にして、寝室は禁止じゃないけど壁や天井には手を出していない。洋室の猫部屋を中心にして、一階のリビングや水場へ続く道を、廊下の壁や、天井を含めて作ってある。


 廊下には麻縄を巻き付けた爪研ぎ柱を、キャットウォークへ繋がるようにいくつか建てて、それを登ってたどり着けるようにもしたよ。


 とりあえず、行き止まりを作らないこと、爪研ぎ柱も爪を研ぐだけじゃなくて廊下天井のキャットウォークに続くようにしたとか、回遊性とそこにある理由を考えて配置した。


 猫禁止空間へはこういった道を遠ざけるようにして興味を逸らしている。

 リビングの食事をするテーブル周辺の天井には道は作っていない。


 あと、あまり玄関からはでないけど練習もかねて玄関は二重にして、内側の扉はガラス窓があるタイプにして、帰ってきたときに猫のお迎えを見ることができる形にした。

 これは脱走防止も含めているんだよ。


 まあ全部、読んだ本の受け売りなんだけどさ。頑張って読んで、自分なりに実現したんだしいいだろ、ちょっとぐらい自慢してもさ!

 楓と紅葉もきっと楽しんでくれるはず!

 でも、全く興味持ってもらえなかったら、俺は寝込んでしまうかもしれん……。


 さて、寝室に待避させていた楓と紅葉をお迎えに行くぞー。

 なんかすごいドキドキするんですが、これってまさか恋!?

 前世ならただの動きすぎ、働きすぎです、危険です、検査入院です、はい。


「楓~! 紅葉~! お待たせ! とりあえずリビングまで抱っこするぞ」


 寝室で待つ二人をゲージから解放して、ちょっと重いけど抱えてリビングへ。こういう時、ちゃんと大人しく言うことを聞いてくれるのは、とてもありがたい!


「新しい遊び場だぞ、さあ存分に遊びたまえ!」


 作業終了とばかりに俺は一人、高らかに宣言して二人をリビングで解放した!

 俺は、きっとそのとき、どや顔になっていたに違いない。


 体はあんまり使ってないけど、頭を使って配置を考えていたので遅めの昼ご飯は軽めにして、おやつを色々食べる。

 一仕事したあとの炭酸飲料は旨い!


 リビングのソファーでゆったりしながら、天井付近で遊ぶ二人を眺めていると、うたた寝をしてしまったのか気づくと陽が暮れていた。


 リビングには楓と紅葉の気配がない。水場にいることをマップで確認したので、ついでに二人にご飯もあげようかな。


 水場へ行くと、新鮮な水が溜まっているシンクに、蛇口からチョロっと流れ落ちる水が作り出す波紋に、二人して興味津々で水面を眺めている感じだった。

しばらくこっそり眺めていると、水面を前足でチョンチョンして可愛すぎる。


 意図していた流れができていることにニンマリしながら、カリカリフードを取り出して、それに気づいた二人はご飯モードに突入だ。


 そのまま水場へご飯ボウルを置いて、カリカリフードを投入してあげた。一杯遊んだのか食い付きがいいな。


 猫トイレの掃除もして綺麗にしておいたぞ、トイレの場所も変えたけどちゃんと理解してくれたようだ、ヨシヨシ。


『ニャ~、ニャ~』


 あ、猫電話が鳴ってる。そういえばもうそんな時間だな。とても楽しそうにミカエルの話や、その日の出来事を話すソフィーさまとの電話を楽しんだあとは、寝る時間まで楓と紅葉が遊んでいる風景を眺めて、残りの一日を過ごすとても充実した一日だったよ。


お読みいただきありがとうございます。

猫にマタタビ、作者にブックマークや評価ptを与えていただけると、励みになります。


挿し絵に使用したアプリケーション


3Dマイホームデザイナー12

XnSketch


マイホームデザイナー12で出力した3Dデータの画像を、XnSketchでイラスト風に加工しました。

マイホームデザイナー12には、猫ステップや、キャットウォークなどの家具データはないのですが、無理やりそれっぽい感じにすることはできました。

キャットツリーに関しては、完全に一枚の板が連続してますが、実物だと板がL時になっています。さすがにパーツがなかった……。


拙い挿し絵ですが、物語を楽しむ補足になればと思います。



参考文献

「猫がうれしくなる部屋づくり、家づくり―猫と暮らす建築家が本気で考えた」

(著者 廣瀬 慶二)


大変参考になりました。

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