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絡み合う愛情と憎しみ 少女は誰の手を掴むのか  作者: 如月麗羅
第2章 反乱軍,共通ルート
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12話 勝利?

翌々日


レオン達は幹部以上専用の部屋にいた。

レオンが集めたからである。


「それで、レオン。何か話でもあるんですか?」

1人1人の飲み物を持ってきたギルがそう聞いた。

「話というか……兄上が来るから」

「「「……」」」

「お前の兄貴が来るのか!?なら戦う用意しねぇと!!」

レオンの兄、つまり敵であるアランが来るという予想外の言葉に、全員が驚きに沈黙する中、ライアンが叫んだ。それに、すかさず否定の声をあげた。

「違う違う!戦う訳じゃないんだ!たぶん、もうすぐ1人で話をしに来ると思う」

「話?何でだ?」

「何でと言われても、兄上はそういう人なんだ。とにかく、戦う事はこれからもうないと思う」

「「?」」

レオンの言葉に、不思議そうな顔を浮かべる。


その時、どこからか声が聞こえた。


「さすがは私の弟。大正解だ」

「「「!」」」


突然、レオンの兄、アランが現われたのだ。


「おめでとう。君達の勝利だ。王国軍は負ける事にしたよ」

そう言って、一見考えが全く読めないような笑みを浮かべた。


「突然そんな事を言って、どういうつもりですか?」

ギルが眉をひそめながら聞く。

「おぉ、先日の…久しぶりだな」

「あれ、ギルいつアラン様に会ったの?」

アランの言葉に、ぼやっとしていたレノアが不思議そうに問いかけた。

「先日サンディと‘お話’した時に会いました」

「へー…………お話……」

「そんな事より、王国軍が負けって、なぜですか?」

「飽きたんだ」

「は?」

「戦うのはもう飽きた。それよりもおもしろい事も見つけたしな」

「「「……」」」

「じゃあ、王国軍が降伏したという事で。それで、兄上はどうするんですか?」

「適当に遊んでくる」

「そうですか。ではもうこの国を使って遊ばないでくださいね」

「それは約束出来ないな。だがまぁ、しばらくはやらないな」

「そーですか……」

「では、またな」


そう言って、アランは消えた。


「はあぁぁぁー」

レオンはそれはそれは大きなため息を吐き、机に倒れこんだ。

「もうやだ。関わりたくない。‘またな’ってなんなんだよ」

兄弟として長い間関わってきて、もうそれ程恐怖は感じないが、やはり苦手なのは変わらない。


「レオンに賛成。何あの人、怖すぎる。もう会いたくない」

「お前の兄貴すごいな。おれ1ミリも動けなかった」

恐怖から解放されたユーリとライアンが口々に声を出す。


「えー?そんなに怖い?」

レノアが不思議そうに首を傾げた。

「怖いよ。レノアは慣れちゃってるんじゃない?」

ユーリがすかさず反論する。

「えー?そうなのかなぁ。ねぇ、ルイはどうだった?」

「…怖く、なかった」

「ルイもこう言ってるし、ギルだって話しかけてたじゃん。」

「えー?ギルも怖くなかったの?」

「怖くなかったと言えば嘘になりますけど、動けない程ではないですね」

「うんうんそうだよねぇ」

レノアが満足そうにうなずく。


「ユーリやライアンの反応があたり前だぞ」

4人に正解を伝える。アランをみれば誰もが本能的な恐怖を抱く。レオンも幼いころは恐ろしく感じていた。レノアは最初からそんな様子はなかったが……


「そんな事より、どういう事ですか?適当に遊ぶとか言ってましたけど」

「俺達にあの人をどうこうすることはできないから、遊ぶと言ったら遊ぶんだ。善悪関係なく、おもしろい事が好きな人だから」

何を考えているか分からないようで、本当はただ何がおもしろいかを考えているだけ。兄弟のはずなのに、自分よりずっと上の次元にいると感じる。兄だが、今は敵。それなのに、逆らう事なんて出来ない。

今回の反乱も、サンディが起こした事件も、この反乱の結末も、結局は全てアランの手のひらの上。もしかしたら、これからの事も……


「とにかく、みんなに勝利を伝えに行こう。実感ないけど」


そうして反乱軍は一応の勝利を得た。


アランの思い通りに


遅くなってしまってすいません

何かない限りどれだけ遅くなっても投稿を止める事はないので、これからもよろしくお願いします

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