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絡み合う愛情と憎しみ 少女は誰の手を掴むのか  作者: 如月麗羅
第2章 反乱軍,共通ルート
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10話 4日目 ユーリ

4日目


「ねぇ、なんでユーリも参加してるの?ユーリ人形だったし仲直りとかしなくて良くない?」

目の前で寛ぐユーリに疑問をなげる。

「だって他の3人がやったのに、ぼくだけやらないのはつまんないじゃん。ぼくだって2人と遊びたい」

そう言って、頬を膨らませる。

「それに、大事な時にいなかったのは申し訳ないと思ってるんだよ」

申し訳なさそうに、眉をさげる。

「そんなの気にしなくて良いのに……じゃあさ、外に遊びに行こうよ!」

気にするなという思いを込めて、明るい声で言う。

「…外?何するの?なにもないじゃん」

ユーリが、不思議そうな顔をする。

「広場があるじゃん!ピクニックしよう、ピクニック」

レノアはキラキラとした笑顔でそう提案した。

「ピクニック……良いね、行こっか」

「やったぁ!ルイは良い?」

レノアの問い掛けにルイがすぐに頷く。

「よし!そうと決まれば……ギルー」 ガチャ

そう言いながら、ギルがいるだろう隣の部屋へ続くドアを開ける。

「はい、お弁当です。暗くなる前に帰ってくるんですよ」

「おー!さっすがギル。まるでおか……ひぃっ!」

レノアが言う前に、事前に予想してお弁当を渡してきたギル。

その後のセリフも聞き、思わずお母さんと言いかけたが、寒気を感じ悲鳴をあげる。

「ベベベベベベ、別に、な、何も言ってないよ?」

噛みながらも、急いで弁解する。

「そう。それは良かった」

「し、失礼しましたー!」 バタンッ

にっこりと笑顔を浮かべたギルを見て、もうギルの前でお母さんとは言わないと誓った。しかし、この誓いをもうレノアは何10回もしている。この誓いも、すぐに破られてしまうだろう。


何はともあれ、ギルからの許可も得たので、レノアたち3人は外へ出ていった。


3人で、広場への道を歩く。


「そういえば、ユーリ。この前の隣国の王子の私への伝言って、なんだっけ?いろいろあって忘れちゃった」

「あぁ、伝言ね…もうマルセル王子に近づくなってだけだよ。レノアマルセル王子と仲良くなったでしょ?それで凄い嫉妬しちゃってさ、めっちゃ怒ってたよ、あのブラコン王子」

ユーリが笑いながら話す。

「えー、それって大丈夫なの?」

隣国の王子を怒らせたなんて、何が起きるか分からない。レノアは少し不安になる。

「大丈夫大丈夫。ちょうど反乱軍のところに帰ろうとしてたぼくに、あの女に言っといてって言われてね。もう殺気が凄くて凄くて、面白かったよー」

「……殺気が」

ユーリの言葉に、少し寒気を感じる。

「だから、大丈夫だって。レノアに何かするくらいなら、兄さんといる方が良いって考えてると思うから。まぁ、レノアがまたマルセル王子に近づくなら話も変わると思うけど……だから、もう近づいちゃダメだよ」

「分かった。絶対近づかない」

命の危機を感じたレノアは、絶対に近づかないことを決意した。


その後のピクニックは、久しぶりでとても楽しいものだった。


そして、きれいな赤色の空の下、レノアは仲間の元へと帰ってきた。


ドアを開ける。

中は何故か真っ暗だ。しかし、前回と違いその闇の中にはたくさんの人の気配がある。


「?」


首を傾げながら1歩踏み出してみる。すると――


パーン!!


大きな音がなると共に、明かりがついた。


「レノア(ちゃん・さん)!ルイ(くん・さん)!お帰りなさい!」


目の前には、笑顔を浮かべるレオンとギル、ライアン、ユーリが並び、その後ろには、大勢の反乱軍のメンバーがいた。



■■■■



レノアは、ぼくの数少ない信頼できる人。

孤児だったぼくは、幼い頃国の暗部のリーダーである男に引き取られて、いろいろなことを教えこまれた。

指示されるままに、昔からいろいろなところに侵入していたから、信用、信頼とは無縁だった。

そんなある日、隣国の反乱軍の幹部になれと言われた。反乱軍の情報を盗むためかと思ったけど、ただたんに手伝うためだった。いくら歳が近いからと言って、なんでぼくなのか。幹部になるなら、信頼関係をつくることは大切。信頼を得るのは得意だけど誰かを信頼なんて出来る気がしない。

最初はそう思っていたし、素の自分を見せることなんてなかった。でも、幹部としてみんなの国への思いを聞いてきて、いつの間にか反乱軍が好きになっていた。信頼、していた。


幹部以上の6人でいる時が一番楽しかった。唯一の女子のレノアは、今まで情報を引き出してきたバカな女たちと違って、外を走り回って、大声で笑って、叫んで、女らしさなんてないくせに、ちょっとからかっただけで顔真っ赤にして、こんな女もいるんだなぁって、ぼんやりと思った。


戦いながらも楽しく暮らしていたある日、国から急ぎの任務を頼まれた。みんなといたかったけど命令だし、魔法人形をおいて国へ行った。やっと任務を終えて、街を歩いていると、何故かレノアとルイがいた。マルセル王子を問い詰めると、反乱軍が大変なことになっているらしく、急いで後始末をして戻った。そしたらちょうど解決しているところだった。


大事な時にいなかったのは申し訳ないけど、レノアは許してくれた。ぼくが信頼している女の子。今までの奴らとは違う、信頼できる人。そんなレノアだから、ぼくを許してくれた。レノアも、ぼくを信頼している。好きでいてくれる。そうでしょ?


これで全員終わりました!

早くヤンデレ化させたいので、あと1話か2話でルート分岐させようと思います。

レオンルート、ギルルート、ライアンルート、ユーリルート、ルイルートの5つです。

もし希望があれば是非教えてください!

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