32話 貴方を攫いに来ました!
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(*´꒳`*)
転移で一気に、レイムさんの側まで行こうとしたけど…お城に結界を張られているみたいで、中に入らなかった僕は、走ってレイムさんの魔力まで行くと…。
目の前には黒く高い塔がいくつも合体したようなお城が見えてきた。
僕はそのお城を見て、違和感を覚えながらも、門にいる兵隊さんの近くまで行った…。
すごい速さで走っていたからなのか…止まる時に埃や風が兵士さん達を襲い…空高く飛んで行った…。
「「うわぁぁああ!!」」
…まっいっか! レイムさんを攫った仲間かもしれないもんね!
「何だ今の悲鳴は!」
悲鳴を聞き、お城の中から数十人の黒い鎧を着た兵士さん達がやってきた。
兵士さんは、僕を見ると、いっせいに、腰にさしてある剣を抜いた
「何者だ! 貴様! ここにいた兵士をどうした!」
「えっと…飛んでちゃった?」
「貴様〜! 兵士達を消し飛ばしたと言うのか!」
「えっ…? うん」
さっきまで、いた場所から消えたから、そうなのかな?
「部下の仇!」
他の鎧より、1段と…立派な鎧を着た、魔族が一気に距離を詰め…剣を振り下ろし――
「スリープ」
ドサ
《…は?》
「皆も〜スリ〜〜プ!」
ドサドサドサドサドサ!
「よし! じゃあ、お邪魔しま〜す!」
僕は眠る、兵士を通り過ぎ、白の中まで入っていった…。
…………
「モグモグモグ…ハッ!」
しまった! またやってしまった!
僕はお城から、漂ってくる…美味しそうな匂いにつれられ…なかなかレイムさんがいる場所に辿りつけずにいた…
「むむむ…こんな罠があるなんて…! 僕は甘く見ていたかもしれない…! …でも必ずレイムさんを攫うんだからね!」
さらなる、決意を決め…レイムさんのいる場所に進む―――
「な! 何だお前は!? どこから入ってきた! って…! 待て待て! それは今日のウエディングケーキだ!やめ…止め――――」
…………
「モグモグ…ハッ!? もう! もう! 悔し〜い〜〜!! お城の警備厳重すぎ! 色んな所に美味しそうな匂いをさせて〜〜!」
「いたぞーー!!侵入―「スリープ」」
ドサドサドサ!
「このままじゃ、いつまで経ってもレイムさんの元まで辿り着けない! …そうだ!」
僕はその場で、少し力を入れてジャンプすると…天井を突き破り、空高く跳んだ…。
そのまま、【フライ】を使いレイムさんの魔力を目印に、レイムさんがいる部屋の天井に着いた…。
ん?…レイムさんの近くに、嫌な魔力があるなぁ〜。
それも…どこかで感じたことのある魔力…⁇いや…それよりも、魔力の量が少ない……まっ…いっか!
僕は足に力を入れて、屋根を踏むと…簡単に崩れ…僕も一緒に落ちていく…。
「ん?…あーー!! レイムさんが知らない人…それも、気持ちの悪い魔力の人に捕まってるーー!! 今助けるからね!」
僕は空気を圧縮した、足場を空中に作り…崩れた天井が、床に落ちるよりも早く、レイムさんの元まで行き……気持ちの悪い魔力の魔族を横に蹴り飛ばした…。
「グボォア!」
急にレイムさんを、掴んでいた手が離れたせいか…レイムさんがバランスを崩し…倒れそうになったので、僕は優しく背中に腕を回し抱きしめた。
レイムさんが、僕を見上げるような、形で涙を流したのか…潤った瞳を僕を捉えた…。
目を大きく、見開いたレイムさんに、僕はラティーナさんに教えられた、ように言い放った…
「レイムさん! 貴方を攫いに来ました!」
「え!? な…なんで…レアル…さんが…? 嘘…。どどど…どうして!?」
「どうして…えっと…僕はレイムさんに、恋? をしちゃったからだね!」
「えええええ〜〜〜〜!!」
レイムさんは、今にも煙が出そうなくらい…顔を赤くしながら…口をパクパクさせている…。
…うん! やっぱり恋っていうのは、まだよく分からないけど…レイムさんと離れるのは嫌だ! それに…
「なんだか…こうしてると落ち着く…。」
「はわわわわわ!! キュウ…。」
レイムさんに、両手を回しギュ〜〜! と抱きしめると…レイムさんのお屋敷にいた、メイ?さんみたく、慌てて、可愛く見えた
気を失った、レイムさんを結界で囲んで、ようやく僕は辺りを見渡すと…そこには…!
「クッ……ここにも罠があるなんて!」
天井が崩れたのにも、関わらず…テーブルの上に置いてある料理には傷1つと…ついていなかった…。
どうやら、無意識に、瓦礫が料理の上に落ちないようにしたみたい…
「貧弱な下等生物風情が〜〜!! やくも、やってくれたな!! しかも、俺の所有物まで奪いやがって!! ここから生きて出られると思うな!!」
気持ちの悪い魔力の魔族が、上に乗っていた瓦礫を吹き飛ばし…僕を睨んだ…
「ね…? 僕は今、少し怒っているんだよ?」
「ああ? 何言ってんだテメェ? 俺の方がテメェよりも怒ったんだよ!! これが終わったら、ようやく、あの女をヒィヒィ言わせようと思ったのによ〜!!」
少しずつ…僕の黄金の魔力が部屋に満ちていく…。
「レイムさんは…泣いていたんだよ…? お父さんは…女性は守るものだった言ってた…。
…でも、気持ちの悪い魔力の人は…レイムを泣かせた…、僕は君を許さない!」
僕の怒りに火がつくと、同時に一気に魔力が解き放たれ…部屋いっぱいに黄金の粒が広がった…