23話 魔国に到着!…不法入国…なにそれ?
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リヴァイアサンを逃してしまった僕は、悲しみにくれしばらくその場を動かなかった…。
だけど、このままじゃ駄目だと思い…とりあえずスライムの能力【増殖】を使い僕の分身を作り出し、この海を支配するようにお願いして、僕はレイムさんと、チロの元へと海の幸を持って帰るのだった…
「ただいま〜……。」
未だにリヴァイアサンを諦めきれない思い心に抱きながら、海から上がるとそこには、チロと浜辺で遊んでいるレイムさんを見つけた
「あっ…お…お帰り…なさい…です…。その…何かありました?」
「キュ?」
心配そうにチロが肩まで登ってきて、顔に自分の顔を擦り付けている…レイムさんは一定の距離があるけど、僕を心配そうに見てくれている…。
いけないいけない! いい加減元気出さないと! 次会った時は必ず食べるんだからね! リヴァイアサン! それまで誰にも食べられないでね!!
僕は決意を胸にチロとレイムさんに「大丈夫!」…と笑顔で返し、僕は海から取ってきたカニや貝海藻、魚をバーベキューみたいに、鉄の網の上にドンドン食材をのせていった…。
魚は串に刺し塩を撒いて食べた…。とても美味しかった!
その日はご飯を食べて、明日の出発の準備をして眠りについた…
……そして次の日
僕達は魔国に向けて空を飛ぶ畳に乗り出発した。
2人とチロの空の旅は、お喋り(主に美味しい物の話)をしながらオヤツを食べて、ご飯を食べていると…あっ…と言う間に1週間が過ぎて、魔国と思う…港を見つけた。
「ね! レイムさん! あれが魔国!? わぁ〜〜角が生えていたり、翼がある人もいるー! すごーいカッコイイ!!」
僕は興奮隠さずにレイムさんを見ると、苦笑いを浮かべていた…。
ここ1週間でお喋りをしていると、僕に慣れてきたのかいろんな表情を見せてくれるようになった…。
最初はオドオドしながら、いつも僕の表情を伺いながら話してたから、これは嬉しい!
「う、うん。そう…です。ここが私達、魔族が住む大陸…アルガーン大陸で、ここは魔国…です。」
「やっぱり! じゃあ早く行こう!!」
「あ…あのこのまま行ったら警備の人に止められ――キャッ! …キュウ…。」
僕は畳の後ろに風で押すと…力加減を間違えて、飛ばされそうになっていた、レイムさんとチロを掴み……港に衝突した…。
辺りにぶつかった衝撃で地面が割れていた…。周りにいた人は僕達を避けて、ポッカリ…と空間が出来ていて、上に目を向ければ翼が生えた武装した魔人の人達…5人が向かってくるのが見えた…。
「お前達! 何者だ! 正規の手段で国に入らない怪しい奴め! ……!?お前!! その手に掴んでいる人は我等の同胞だな!! 人質のつもりか!! 小癪な!! その子をどうするつもりだ!!」
1人の魔人の人が槍を僕に向けながら、他の4人はさりげなく、僕達の逃げ場を無くすように囲んでいるみたい…。なんで?
「えっ……!? 勝手に国に入ったら駄目なの!?」
「当たり前だ! ……それより答えろ!! そこにいる我等の同胞をどうするつもりだ!! 答え次第では生きては帰れると思うな!!」
「ん? どうする…って……どうしようか?」
そういえばレイムさんからは、一緒に行く? って聞いたら、連れて行って…としか言われてないし…分からない。
僕がどうしようか悩んでいると、槍を持った魔人の人が腕を震わせていた…
「貴様〜〜! ふざけているのか!! だったら今すぐにその手を離せ!! 同胞から離れよ!!」
今にも突撃するッ!…とばかりの勢いで目をギラギラさせているので、流石の僕も何か勘違いをしているんだと気づいた。
「分かったー!」
「は?」
《は?》
ん? 何か変な事を言ったかな?…まぁいいや!…でもこのまま地面に寝かすのは、少し痛いよね!
僕はアイテムボックスから、レイムさんが僕といる間、使っていたベットを取り出して、そこに寝かせ、僕はそこから少し離れた。
《…………》
「離れたよーー!」
「…お前は何を考えているだ?」
「えっ? だって地面は硬いんだし…そこで寝かせたら寝こごち悪いでしょ?」
僕は何を当たり前の事を言っているんだと思っていると…何故か周りにいる魔族の人達が頬をピクピクさせていた…。
「…お前に我らの同胞に危害を加えるつもりはないのは分かった…。…だが…お前は不法入国したのは変わりない…。我等はお前を捕らえさせてもらう! …言いたいことはあるか?」
「ある! お兄さん、この国で1番美味しい物ってな〜に〜?」
《……………》
「確保ー!」
僕とチロは武装した魔族の人達に透明な糸でグルグル巻きにされ…地面に転がった。
「えー! 教えてよー! …ちょっと! そんなめんどくさそうな顔をしないでよ! 怒るよ!」
「キュ〜…」
「美味しい食べ物を教えてってば〜〜〜〜!」
「キュウ〜〜……。」
叫ぶ僕と呆れたような声を出すチロが魔族の人にに運ばれて行ったのだった……。
 




