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21話 水を無くせば簡単だよね!

ブックマークの追加と評価ありがとうございます!


「じゃあ行ってくるね! チロもレイムさんと大人しく待っててね! オヤツも置いておいたから!」


 僕はアイテムボックスから取り出しテーブルの上にタッッッップリ! …と置いてあるオヤツに指をさすと、レイムさんは困ったように笑っていた…


「あの…あの…気をつけて…貴方がいなくなると…チロちゃんも…困っちゃいますからね…。」


「大丈夫! 僕は強いから!」


 僕はチロとレイムさんに、そう言い放ち、服を着たまま飛び込んだ…。




 僕はスライムの力を持っている、スライムはこの世界に漂っている魔力を使い動いている…。故に僕は酸素を必要としないのさ!



 僕は液体操作を使い、身の回りの海水を操り僕の行きたい方向へと…早く流れていく。


 もちろん途中で見つけた、海藻や貝も拾ってアイテムボックスに入れていく…あっ!! 大っきいカニさんだー!



 僕は2メートルもある、大きなハサミを持ったカニさんに、まず指先に空気を圧縮しその前に石を付ければ……パンッ! ヒュン!


 石が海の中でも、素早くカニさんを貫いて回収した…。











 しばらく、海の幸を回収しながら、海流で移動していると…建物? 何か石で出来た古そうな建物を見つけた



「ん〜海の中に建物があるなんて知らなかったな〜…ハッ! もしかしたら誰かがいて珍しいご飯を持っているかもしれない!! …ドラゴンの肉と交換してもらおっと♪」


 僕はウキウキ気分で建物の中に入ると中には海藻や小魚が見えた


「ん〜…家具もないし…誰も住んでいないのかな? 残念…。」


 僕はテンションが下がりつつ奥にどんどん進んで行くと…不思議な模様をしたドラゴンと同じくらいの大きな扉が見えた



「わぁ〜大きな扉だ〜♪ こんなに大きな扉が見たのは初めてだよ! なっかには〜な〜にが♪ あ〜るのかっな♪



 僕は扉に近づき触れると…扉と僕が光り出した…


「えっ!? スゴーーイ! 僕がピカピカ光ってるー!」


 僕はその場でくるくる回っていると、『ゴゴゴゴゴ…と扉がゆっくりと開き出した…。僕は回るのをやめて、中に入ると…


「青竜?」


 目の前には、僕がスライムだった頃に1回だけ見たことのあるような、気がする…。


…でも…同じ竜ではないみたい…体はチロが大きくなったような、細長く、何十メートルもあるように見える…。


 色は青…? いや太陽の光が海の中まで届いて透明感がある綺麗な水色の鱗を光らせている…。


 僕はその姿をした竜を見ていると…何か食べたら悪い事が起きそうな気がするので、諦めた…。


 ため息を吐くと青竜が僕を見て口を開いた


『よく、来た勇者よ。我は四属性の水属性を司る者…青龍、リヴァイアサン。お主が真の勇者として相応しいか見定めさせてもらおうぞ。さぁ…構えよ…妾を負かせば聖剣はお主の物だ…。では行くぞ…』


 そう言ってリヴァイアサンは僕に向かって突っ込んできた…


「えっと…とりあえず…【暴食】を発動して…っとここにある水ぜーーーんぶ飲んじゃって!」


【暴食】に命令すると、僕の少し離れた所に黒い渦が出来て、あっ…と言う間に水を全て飲み込んでしまった…。


 そして、水の中で移動していたリヴァイアサンはというと…


『グッハァ!?ハァ…ハァ…ななな…なんなんじゃ今のは!?あの黒い渦から逃げるだけで殆どのエネルギーを持ってかれたじゃと!?正々堂々戦わんか!!」


 口を大きく開き咆哮を上げながら文句を言ってくるリヴァイアサンに僕は困ったような顔をした


「だって…あんまり時間かかると、お昼ご飯に間に合わなくなるし…。水とエネルギーを吸い込んだ方が早く終わるし…。」


「おおお…お主! 恥ずかしくないのか! こんな勝ち方をして! 勇者としてどうかと思うぞ!?」


「…? 僕は勇者じゃないよ?無職だよ?」


 僕は首を傾げながらそう言うと…『何を言っているんだコイツは』みたいな顔をされた…えっ? 本当だよ?


『勇者じゃなければ、あの大きな扉は開かれんのじゃ!! …。…ハァ…ハァ…ゆえに、お主は勇者なのは間違いないのじゃ!!」


「へぇ〜そうなんだ〜」


「軽いわ!! もっと、こう…ないのかの!? 勇者なんだ!! ヤッターとかあるじゃろ!?」


「ヤッター」


「心がこもっとらん!!」


…話を合わせてあげているのに…何で僕が怒られなくちゃいけないのかな〜


 僕が少しむくれていると、急にリヴァイアサンが目を鋭くした


『して、お主よ…先程使った力は【暴食】じゃな?あれは邪龍:暴食(グラドニー)破邪龍(バハムート)が持っておった力じゃ…その力…どこで手に入れたのじゃ…?」


 その瞬間…空気が重く・震え普通の人がなら、それだけで死んでしまうように思えた…。


 その時、僕の手はアイテムボックスに突っ込んでいた…


「えっと…お腹空いたからオヤツ食べながらでもいい?お茶もあるよ?」


『今、そんな空気じゃないじゃろうがーーー!!」


 首を傾げる僕にリヴァイアサンは崩れて落ちたのだった…。






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