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コントラクト・エンゲーム 1編・2編  作者: 亥BAR
第4章 革命の時は来た
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第15話 ゲーム前交渉

 エンゲームを受ける……。

 まあ、選択肢はそれ以外ないだろうな。よし、また一つ関門を突破だ。続いて……。


「なら、ゲームについてなんですが……選択肢はあなたに渡します」

「なに?」


 予想外だったのかネイティブも驚いた表情を見せた。


「時間場所を選びますか? ゲーム内容を選びますか? どちらでも好きな方を選んでください。ちなみに、あなたがゲーム内容を選ぶなら、俺は時間場所を今すぐここに選択します」


「……なるほど」


 ここで選択肢相手に与えることで、相手に貸しを作るような形になる。それによってエンゲーム内容の交渉でイニシアチブを得やすくするのが狙いだ。


「どうしますか? もしゲーム内容を決めたいけれどトランプがない、なんていうのであれば心配しないでください。こちらでもトランプは用意してありますから。無論、イカサマなんてしてしませんし、契約でその旨をはっきりさせましょう」


「……トランプならいつも持ち合わせている」

「さすがネイティブ。本当に心理戦に対して自身があるようですね」


 さて、ここで相手はどちらを選ぶか……。圭の予想ではゲーム内容を決めるはず。トランプを常備しているところからもはっきり分かったが、心理戦の自信は相当なもの。

 なら、ゲームをして勝利する可能性があるのはやはり自分の土俵にもって込める心理戦。すなわち、ゲーム内容を決めるということになる。


 もし、時間場所を選べば、こちらは心理戦が介入しないゲームを選ぶと思っていることだろう。何しろ圭も次郎も実際にネイティブの心理を読む力を、身を持って知っているのだから。


 だが、無論それでも時間場所を選択する可能性はある。ゲーム内容を選ぶのが相手の思うツボだと考えたら、あえてそっちを選択するのだ。

 でも、それであったとしても圭は問題ない。


 もし、そうなったとしても圭が提示するゲーム内容は前にネイティブとやったトランプゲーム、『一方的ババ抜き』なのだから。どちらにしても同じだ。


 つまり、ネイティブがどちらを選ぼうとこちらにイニシアチブがある。


「げ……ゲーム内容を決める」


 ふっ、無難な選択肢を取ったか。


「なら俺は宣言通り、今すぐここでゲームを開始します。いいですよね」

「ああ……それでいい」


 次郎がセッティングしていた机と椅子にネイティブを案内する。


「さあ、座ってください。無論、お客様は上座にどうぞ」

「ふん」


 そうしてネイティブと圭は向かい合って座った。


「早速ですが、もう契約条文は考えてあるのでまずこちらで打ちますね。希望があれば加筆修正を行いますので。今回、次郎もいるので三人で集団契約を結びましょう」



集団契約『エンゲーム契約』

 第一条 ネイティブatp(以下甲という。)と仮面ファイター5103(以下乙という。)はこれからゲームを行う。

 第二条 ゲームをする上で、甲が勝利した場合、以下の内容の契約を結ぶことを乙及びドラゴン@ハンターGXアーキタイプ(以下丙という。)は認める。

  1 乙及び丙が知る限り、存在する甲の顔写真を破棄させる。

  2 乙及び丙は甲の正体に関することを口外及び発信を禁止する。

 第三条 ゲームをする上で、乙が勝利した場合、以下の内容の契約を結ぶことを甲は認める。

  1 乙たちに無理やりさせた不平等契約を解除する意思を出させる。

  2 集団契約『グループ:ネイティブ』(代表者甲)などによって納金された金の返却

  3 乙たちの独立を認める。

  4 乙及び丙の正体の秘密保持



「これで問題ないですか。俺と次郎、どちらも正体をバラさない契約にしたつもりです」

「……問題ない……」


「では……続いてあなたがゲームの内容を決めてください。トランプを使うんですか?」

「……いや、別のカードを使う。俺の自作カードだ」


 ほう……そういうのも持っているのか……。だが、おそらくそれでも問題ないはず……相手が心理を読み取るゲームをする限りは。

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