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コントラクト・エンゲーム 1編・2編  作者: 亥BAR
第3章 最低の友情、次郎と圭
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第15話 友か……または

「お前は俺のことを……友達だなんて思ってねえ」

 圭は答えを言いながら、こぶしを握り締めた。


 冗談じゃない、こんな答えがあってたまるか。

 でも、これが……答えとなる……確実な理由。

「親友だと思っている……!」


 答えプラス根拠まで告げた圭に対し、次郎の目は確かに見開いた。


 もし、これで外してみろ。恥ずかしいとかいうレベルじゃねえぞ。


 現状ですら恥ずいったら、ありゃしねえのに……、もし、次郎が「残念、正解はマル」だなんて、言ったら一生家にこもって次郎の前に顔を出せない自信がある。


 ああ、そうだ。次郎は圭に勝てる最善策を出していた。普段の圭なら、こんな答え思いついても、冗談だと理由をつけて、必死にこの答えを否定しようとしただろう。口に出すことを恐れていただろう。


 だが、やぱり……圭もまた、ネイティブを倒すために、全力を注がないといけないみたいだ……それが、この答えにつながった。


「正解は……」

 次郎が口をゆっくりと開く。

「正解は!?」


 ぐっと息を呑む中、次郎は宣言した。


「バツだ! 理由も……同じだ」


 勝った……のか。


 その事実を飲み込むのに数秒かかり、やがて大きくため息をついた。

 心なしか、次郎の顔が満足そうに笑っているように見えた。本当はそんなことができるはずもないのに。


 ゲームに負けて、全力で勝ちに行かなければならないのに、敗北した。それは、紛れもなく最悪な事態だというのに。


 笑って見えた。


 だが、本当はそれがどちらかを確認するよりも先に同時に顔をすぐ床に伏せて、壁にもたれかかるように倒れ込んだ。これ以上、次郎と顔を合わせているのですら、辛い、いろんな意味で。


 それに……どっと疲れた。


 流石に次郎も同じだったようで、圭が気づいたときには、次郎もまた床に倒れ込んでいた。

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