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コントラクト・エンゲーム 1編・2編  作者: 亥BAR
第3章 最低の友情、次郎と圭
40/130

第7話 エンゲーム再び

 じゃんけんの結果、圭が先行、攻撃側でゲームがスタートした。名付けるなら、マルバツゲームか……、う~ん、センスないな。

 まあ、名前なんてどうでもいい。とにかく、次郎の実態を暴く。


「まず、先行だ。問題を提示する」


 圭は一歩前に出た。次郎はそれに合わせて、これから起こることを見逃すまいと視線をこっちに寄せてきた。


 このゲームに置いて、”表向き”重要なのは、提示する問題の内容か……。

 このゲームに置いて答えは0か1か、全て二択だ。単純に当てずっぽうで答えれば、五分五分の勝負となる。だけど、それじゃあ、こっちに勝率を引き寄せられない。


 ならば、問題は自ずと、相手に「ウソ/ホントに決まってる」と思わせて、逆の正解を叩きつけられるものとなる。だが、相手はそれを加味して答えを導き出すだろう。そういった、裏の読み合いが重要になる。


 だが、所詮答えは0か1。裏の裏を書いてしまえば、たちまち反対に点を取られてしまう。そこのさじ加減こそが、重要になる。

 冷静になれば、ここの部分までは大抵、たどり着けることだろう。これが、このゲームの基本的な思考の流れ。


 そこまで、既に圭は理解している上で、自分の胸に手を置いた。


「俺は今、ガラケーを持っている。マルかバツか?」


「ガラケーを?」

「ああ、そうだ」


 そこで次郎は深い思考に入りだしたように見えた。やはり、思考はするよな……。


 次郎は圭がスマホとガラケーの二台持ちだというのは、当然知っている。すなわち、普通に真っ向から考えたらマルだ。


 だが、次郎はいま、おそらく、だから答えはマルだなんて、微塵も思っていないだろう。当然、そんな単純じゃない。


 次郎にとって、答えはマルとまかりきっているからこそ、マルであるはずがない、とバツである根拠を探そうとする。だが、無論、それを狙っての純粋なマルである可能性も当然ある。


 そこは、裏表のさじ加減ってやつになるわけだ。


「現状の……俺の情報なからしたら、それはマルだ……」


 圭はゆっくりと胸に置いた手を下げた。


「でも、”持っている”、その定義はなんだ?」


 早速、そこに気づいたか……本当に冷静だな。


「それに答える義理はない」

「……なるほど」


 次郎は何か言いたげだったが、観念したように引き下がった。当然だ、エンゲームは契約内容が全て。契約していないことを守る必要なんて微塵もない。


「ってことは、この問題は……持っているの定義をまず、当てなければいけないわけか……持っている……、その定義……」


 ”持っている”、非常にあやふやなこの言葉には、当然いくつもの意味が有る。手で握っているという意味か、所持しているという意味か、ほかにも探せばいくらでも出てくるだろう。


 それを、お前はどうやって絞り込んでいく?


「単純ながら、随分と乱暴な質問だな……範囲が広すぎる」


「それがこのゲームだ、嫌なら降りるといい」

「冗談を……俺は、勝たなきゃいけないんでね」

「そうか……せいぜい頑張れよ」


 とりあえず、次郎に牽制を入れるため、せいぜいの煽りを入れてみた。

 こういうゲームに置いて、煽りは基本中の基本だろう。もっと、煽りスキルを磨いておいて損はないはずだ。

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