表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コントラクト・エンゲーム 1編・2編  作者: 亥BAR
第2章 絶対なる契約
30/130

第15話 亜壽香による連行

 あと、確認しておかなければいけないことは……契約の解除について……


『ピンポーン』


 ルールを確認しているとき、家のチャイムが鳴り響いた。しかし、下には母が居る。すぐ出るだろうと思ってもう一度ルールを見だす。

 しかし、そんなことするまもなく、圭の部屋のドアが乱暴に開けられた。亜壽香が部屋に入ってきたのだ。


「圭! カバー買いに行くって約束したでしょ! なんで連絡でないの!?」


「……ん? あ……」


 しばらく、亜壽香の言葉の意味を考えてから思い出す。そういえば次の休みの日、スマホのカバー買いに行くって約束だった。


「あ~、でも、ちょっと今日はやりたいことが」


「な~に言ってんの。こっちは前から約束してたでしょ」

「いや~、だからさ。悪いんだけど……別の日にしてくれないか? 本当に……さ」


 正直、いまカバーやらどうたらなど言っている暇はない。そんなことよりもネイティブの対策を考えなくてはいけないんだ。今、圭には譲れないものがある。


「だめ、約束でしょ?」

「別の日、……ああ、来週、来週なら絶対行く」


 むろん、来週は開いている保障はない。今を乗り切るための嘘だが……。


「……分かった」


 観念してくれたのか? だが、亜壽香はなにやらポケットをまさぐると一枚のコインを取り出した。


「じゃあ、ゲームしようよ。コイントス!」


 ゲーム!?


『ゲーム』という単語に敏感に反応してしまう。だが、こちらが何かを言い返すまでもなく、コインを宙にはじく。それをぱっと自分の手の甲で伏せた。


「さ、表、裏、どっち?」

「ど……どっち……? お、表」


「じゃあ、表だったら来てもらうね。裏だったらあきらめる」


「は!?」


 こちらが突っ込むまでもなく、手が開かれる。そこには表が上を向いているコイン。


「はい、残念。というわけで来てもらいます。あ、ちなみにコインはどちらも表ね。おもちゃのコイン二枚を表同士、両面テープでくっつけたやつでーす」


「……あ、おい。こら、てめ!」


「はい、約束通り来てもらいまーす」


 どうやら亜壽香は圭の言葉などはなから聞く気はないらしい。圭の申し出は軽く蹴飛ばされ、圭はショッピングセンターに連行されていった。


 あの勢いはだめだ、あの勢いは……反則だろ……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ