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コントラクト・エンゲーム 1編・2編  作者: 亥BAR
第3章 作戦準備
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第11話 タッグポーカー

 時間はすぐに過ぎていった。


 瞬く間に十日が過ぎ、二週間という期限が迫ってくる。その迫るにつれ、もはや、これ以上時間をかけるのは無駄だと判断するようになっていった。


覚悟を決めると、アカウント『ヴァームス』に以下のメッセージを送りつけた。

『明日。午後四時二十分からエンゲームを開始する』


 授業が終わるのが三時半。ホームルームなどがあって、四時前には教室を出られると考えてこの時間を指定した。


 それから、さらに時は過ぎて当日の午後三時過ぎ、こちらから場所(第二教室棟、四階西から三番目の教室)を指定するとほとんど同時、敵からもゲーム内容が送られた。


 実に授業中のできことである。


 ゲーム内容は……タッグポーカー? 


 いったい何のゲームだ? ポーカーだけなら分かるが……。

 しかし、ちゃんと内容はつづられていた。


『ジョーカー(ワイルドカード)あり、ドローポーカーとフロップポーカーを混ぜたルールで行われる。


 二対二で行い、三枚のコミュニティカードと、それぞれニ枚のホールカードを持ち、七枚で役ができる。タッグ相手であろうと手札を見せ合うことはできない。


 基本的なルールと流れはポーカーと同じ、最後のショーダウンで二人合わせて役ができる。』


 と、なっている。


 言ってしまえば、七枚でポーカーを行うわけだ。役も強さの順でつづられているが基本的にはポーカーと同じ。


 これを考えるにワンペアはもちろん、ツーペアでもそこまでの強さにはならないだろう。逆にストレート、フラッシュ、ストレートフラッシュは鬼難易度から超鬼畜難易度へと変貌を遂げる(まあ、普通はそろえられないと思う)。


 そのため、フラッシュやストレートは本来、フォーカードをよりも弱いはずだったが、このタッグポーカーではフラッシュやストレートのほうが強いことになっている。


 他に七枚なので新しい役も生まれている。スリーペアとかスリーツーペア(三枚二組)とか。あとは、二枚三枚でできるツースリー。二枚四枚組ができるツーフォー。

 強さの順番は以下のとおり。

 (クラブ:ク、ダイヤ:ダ、ハート:ハ、スペード:ス)


・ストレートフラッシュ

・フルハウス(例:ク3・ダ3・ハ3、ク7・ダ7・ハ7・ス7)

・フラッシュ

・ツーフォー(ハ4・ダ4、ク6・ダ6・ハ6・ス6、ス5)

・スリーツーペア(ハ2・ク2・ダ2、ハ5・ス5・ク5、スA)

・ツーツースリー(ダ3・ハ3、ダ4・ハ4、ク7・ス7・ハ7)

・ストレート

・フォーカード

・スリーペア(ハ4・ダ4、ク2・ダ2、クQ・スQ、ス3)

・ツースリー(ダ2・ハ2、ス3・ク3・ダ3、スK、ハJ)

・スリーカード

・ツーペア

・ワンペア


 とりあえず、二人にゲーム内容をメッセージで送りつける。そして適当に確率を確かめるためノートに計算をなぶり書きで起こしていった。


 時間も賢い頭脳もないため全部を正確に計算するのは不可能だが……一応数学で組み合わせなら習っていたのは幸いか。


 二枚一組のペアが三つできるスリーペアが初手で来る確率は……おおよそニパーセント未満といったところか。


 普通のポーカーの条件でスリーカードが大体二パーセントちょっと。タッグポーカーでスリーカードを揃えようと思ったら四・五パーセント。やはり、可能性があって強いのはこのスリーペアあたりまでだろう。


 特に一番注意すべきは……ツーペアだ。五枚手札だと確率は五パーセントに満たない強い役だといえよう。

 だが、七枚手札だと、確率が二十パーセント以上に跳ね上がる。これは……いざゲームをするとなる上で、一番難しくなるところだろう。


 二割は……高い。カード交換が含まれれば……もっと高くなるのだから。


 一応、タッグポーカーとなっているがゆえ、タッグ相手……今回では森の手札は見ることができない。


 そこに何らかの駆け引きが生まれるのかもしれないが、これは胸ポケットあたりにペン型の隠しカメラを仕込んで、次郎に送れば全ての手札を見ることができる。


 で……ドローポーカー、フロップポーカーってなんなんだよ……。

 そんなツッコミを心の中でかました直後、授業終了のチャイムが校舎に広がった。確率計算で結構な時間を費やしていたらしい。三時半を時計が示していた。


 それをいいことにスマホでさっとその単語を調べる。


 どうやら、ドローポーカーは日本人が一番始めに思い浮かべるポーカーのことらしい。すなわち、五枚のカードを交換しながら役を揃えていくポーカー。


 フロップポーカーは全員共通で公開される『コミュニティカード』というのと自分の手札である『ホールカード』を合わせて役ができるポーカーらしい。


 すなわち、これを混ぜ合うということは、さっきの内容と照らし合わせると……。


 コミュニティカードの三枚が出つつ、二枚のホールカードを交換して役を揃えるということになる。


 これで、ようやくゲーム内容が理解できてきた。


 あとは、具体的にどうするか策を練りながらホームルームが終わるのを待った。


※19/2/19大幅修正:ポーカーの役の例

※19/2/24大幅修正:タッグポーカーのルール

 コミュニティカード二枚、ホールドカード二枚or三枚 →

 コミュニティカード三枚、ホールドカード二枚

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