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自分に正直に  作者: 魚類
4/10

親友

「ねぇ、この服なんてどう?廣己にピッタリじゃん!」

「そぅかな…。」

星花と2人で洋服屋さんにきていた。星花は私にあう服を探してくれている。

「この黄色とか……うん!ピッタリじゃん!やっぱ似合うと思ったんだぁ。」

「私、黄色好きだけど…着るのは…。」

「大丈夫!着てみて。ほらほら。」

「ぅうん…。わかった。」


最近は、いつも2人で行動している。帰り道で話しかけられて以来、星花はいつも私にかまってくる。

学校でも、気付けば廊下でいつも待っていた。

なんでいつもかまってくるのか。わからなかったけど、一人より楽しかったからいつも一緒にいた。一人でいる時、周りの視線を凄く感じたけど、二人でいたときはあまり気にしなかった。毎日のように二人で喋って、遊んで、笑った。私は、無二の親友だと感じた。そう思った。そう信じたかった。だから、星花を信頼した。


「ねぇ星花。」

「なに?」

「あの時、どうして話しかけてきてくれたの?あの帰り道のとき。」

「………」

廣己の言葉に星花は少し笑った。

「私が話しかけた理由?決まってるじゃん。」

「…?」

「ただ単に………廣己と、友達になりたかっただけだよ。それだけ。」

「…フフ。」

二人は笑いながら座っていた。廣己はその言葉が嬉しかった。本当に仲良しの親友だと思った瞬間だった。

教室は違うけれど、暇があれば一緒にいた。部活も同じ部活に入った。高校もわざわざ同じところを選んだ。みんなに裏切られてから、唯一信頼できる存在だった。離ればなれなんて考えられなかった。




高校三年。受験生真っ最中な姉。中学校以来、姉は強くなった。姉の弱いところは、中学生以来見ていない。そんな姉が泣いていた。止まる気配のない涙も拭かずに、泣いていた。今にも落ちそうな携帯電話を片手に、ママの腕のなかで声を荒げ泣いていた。なぜ泣いているのだろうか。その理由は、あまりにも単純で、あまりにも重すぎることだった。星花さんが、あんなに姉と仲のよかった、無二の友だとも言っていた星花さんが、さっき死んだのだ。

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