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自分に正直に  作者: 魚類
2/10

「えぇ〜16世紀前半、オランダが台湾を占領し…。」

授業が進み、黒板が埋まっていく。さっき殴られたせいで、授業はやる気になれなかった。


「ねぇ、かっくん。今日寝坊したの?」

隣にいた美雪(みゆき)が、話しかけてきた。

「えっ、うん。そんなとこ。起きたら既に10時で。さすがに焦ったかも。」

「やっぱしぃ。かっくんって、寝坊助だね。」

寝坊のイメージもついていたか。




 僕は良岡克彦(よしおかかつひこ)。17歳の高校2年生。身長は小さめ。部活は吹奏楽部。最近は科学部も掛け持ちしてる。兄弟は1人。ムカツク姉の廣己(ひろみ)。家族は後、お母さん(ママ)の紗季子(さきこ)だけ。お父さんは昔、離婚したとか。


まだ顔と名前が一致しない5月。この高校は2年目だが、今年は去年と違うコースを選らんだ。だから、周りはほとんど知らない。さっき話しかけてきたのは春岬美雪(はるさきみゆき)。おんなじ中学校だった人。


「遅れて学校来たのに余裕こいて井戸端会議か?」

こいつも姉ちゃんと同じこと言ってる…。

「ったく。克彦は、仕方ないな。」

克彦に近づいてくる守口。多分、また殴られる。

ゴスッ、スッ。

「ったぁぁちぃ!」

殴ってしかも擦りやがった。

「やられるたんびに変な声出すな!」

「だったら、暴力振らないでくださいよ。」

「暴力じゃない!愛のムチだ。」

「………くさっ。」

ゴスッ、スッ。

「なぁぁぁ。」

クスクスクスクス……。

みんなに笑われた。まぁいいけど。


授業も一通り終わり、放課後の部活に行った。部活はもう慣れたものだ。部員は大体25人くらいと少人数。やってる楽器はチューバ。今は部員集めもまだまだしつつ、6月にある文化祭に向け、日々練習しているところだ。



家に帰った。今日は1日が長かったような気がした。…学校には遅れたのに。

朝の事でママに話をしようと思った。けど、できなかった。携帯電話を手に持ち、力の抜けた姉を必死で慰めていたママがいた。姉は止まる気配のない涙を拭かずに、泣いていた。

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