悪魔の嫁
ジェンティーレ家の状況は困窮していた。当主は秘密裏に親子ほども年の離れた令嬢と不倫しており、しかも不倫現場で火災に遭って帰らぬ人に。夫人は当主の死因と経緯を知るなり、愛想を尽かした様子で実家帰り。
長男が当主の座を継いだものの、前当主が不倫のために多額の借金を作っていたことが判明した。それこそ、貴族家の財政をもってしても容易く家が傾くほどの額だ。加えて、不倫相手の令嬢の家から娘を瑕ものにした損害賠償を求められている。
顔だけはいい弟妹は、泥船には付き合ってられないとばかりに素早く婿入り嫁入りを決め、家から去っていった。残ったのは、次期当主であったばかりに沈みゆく船から逃れられない長男だけであった。
「もう後がない……もうあとがないんだ」
その晩、ジェンティーレ家現当主であるコラードは疲弊し切った様子で、屋敷の地下室に籠っていた。ただの物置といった部屋ではなく、怪しげな鍋や本が山積みになった工房である。
どうやら数代前の当主がオカルト好きだったらしく、ジェンティーレ家には怪しげな物品がいくつも残されていた。元は少しでも売って金にできるものがないかと訪れたのだが、そこでジェンティーレ家は一冊の本に気付いた。悪魔召喚の本である。
悪魔。この世の裏側、魔界と呼ばれる異世界から現れる存在である。彼らは人間とは比べ物にならない超越的な力を持っており、召喚に応じてこちらの世界へ現れる。そして、代償に応じて召喚者の願いを何でも叶えるのだといわれている。
その知識を得た時、コラードは一も二もなく縋った。追い詰められた状況に正常な判断力を失っていたともいえる。もし冷静な思考が残っていれば、どれだけ生活が苦しかろうと悪魔には縋らないだろう。何せ、召喚してしまえば代償を取られることはきちんと記してあったのだ。リスクを考慮すれば、あまりにも危険な賭けだといえた。
しかし、どういうわけか。これまでの不運全てを一度きりの幸運に変えたとでもいうのだろうか。この限りなく勝算が薄かった賭けに、コラードは勝った。
「お前が私を呼んだ人間か。名を――」
詠唱と共に輝いた魔法陣から現れたのは、うら若き乙女の姿をした悪魔だった。もっと恐ろしい怪物のようなものを想像していたコラードは、不意を突かれて呆気に取られてしまう。
言葉をなくしているコラードとは別の理由で、呼び出された悪魔の方も黙りこくっていた。人ならざる黄金の目が、コラードを見つめたままぴくりとも動かない。二人揃って静止してしまったものだから、まるでこの場だけ時間が止まってしまったかのようだった。
「――お前、いいな」
「へ?」
たっぷりと眺めて満足したのか、やがて先に口を開いたのは悪魔の方だった。口振りは随分と満足げである。悪魔は高揚した様子で踏み出すと、呆気なく魔法陣を踏み越えた。
書物によれば、この魔法陣は悪魔の力を抑えるためのものである。契約が為されていない間に、悪魔が人間に危害を加えないようにするためのもの。しかし、極めて力の強い悪魔には効果がないとも記されていた。つまりは、この悪魔はそれだけの力を持っているということだ。
そう思うと、目の前にいる少女の姿をした悪魔がにわかに恐ろしくなった。いくら人に近い形をしていても、この目で魔法陣から現れるところをしっかりと見ているのだ。紛れもなく悪魔である。そう思えば、人に近い姿であるからこそ不気味なものを感じた。
魔法陣から自由になり、何の枷もなくなった悪魔がどうするかなど人間にわかるはずがない。何せ、全く別の生き物なのだから。正体不明の危機感を前にコラードが固まっていると、悪魔はコラードの頬に指先を当てた。その仕草は存外優しく繊細だ。
「ふむ……家が傾いて、かといって家を見捨てることもできず、藁にも縋る思いで悪魔を呼んだわけか」
「えっ……」
まだ何も話していないのに、悪魔は既にコラードの事情を知っているようだった。まさか考えを読み取られたというのだろうか。悪魔が超越的な力を持っていることはわかっていたが、いざ目の当たりにするとやはり恐ろしく思えた。たとえその力に縋るつもりだったとしてもだ。
「お前はいい具合に欲深いな。さらに気に入ったぞ」
「よ、欲深いって……」
「ん? だってそうだろう? いくら当主といえど、家を捨てるつもりなら沈む船から逃れる手段はいくらでもある。けど、お前はそうせず、家も自分も助かる道を探して足掻いている……別に責めてはいないさ。助かりたいと考えるのは生き物の本能だ。醜悪でない程度の欲であれば、かえって好ましい」
悪魔の好み云々はともかく、言い分は尤もだった。そう、当主だから家から逃れられないわけではないのだ。先代が作った借金と問題であれば、全ての相続を放棄すればいい。
しかし、その場合当然ながら家そのものを手放すことになる。ジェンティーレ家は領地を所有しているが、それもまた一時的に直轄領となって王家に返還することになるだろう。
ジェンティーレ家の領地は大して豊かではない土地だ。土地自体は悪くないが、山間に面しているせいで交通の便が悪く、尚且つ災害が多い。持っていても大して役に立つわけではないだろう。
それでも、コラードにとってはたったひとつの故郷だった。此処で生まれ育ち、いつかはこの領地を守るために当主としての教育を受けてきたのだ。長男であるコラードの人生はいつか当主になるためだけに存在していた。自らの存在意義ともいえるもの全てを容易く放り出せるほど、人間の感情というのは単純に出来ていない。
「まあいい。お前がそう望むのなら、私が助けてやろう」
「ほ、本当か……?」
「勿論。悪魔らしく卑怯にもまやかしの栄光を与えるのではなく、アフターケアばっちりの本当の意味で助けてやろう。但し、当然ながら代償は貰う」
一瞬手放しで喜びかけたコラードだが、代償という言葉で現実に引き戻された。どれだけ誠実な悪魔がいたとしても、彼らは願いを叶える際には必ず代償を取る。その代償が願いに見合うものかどうか、人間の価値観では判断できない。あくまで契約の鍵を握っているのは悪魔であり、代償に何を差し出すのか人間は選ぶことさえできないのだ。だからこそ、悪魔召喚はたとえ願いが叶ったとしても、大変危険な橋だとされるのだ。
「コラード、お前の一生を私に捧げろ」
「そ、れは……奴隷的な意味で?」
「脆弱な人間を奴隷にしたところで大して役に立たないだろう。そうだな……お前、借金騒ぎの一件で婚約者にも逃げられたそうだな?」
突然あまり思い出したくはない辛い過去を突きつけられ、コラードは思わず肩を落とした。どうやら本当に困ったことに、この悪魔には一切隠し事ができないらしい。いや、ばれるのはいっそ仕方ないにしても、何故わざわざ掘り返してくるのか。悪魔に気遣いを求めるのが間違っているのだろうけど。
悪魔の言う通りだった。コラードはたった数日前、長らく婚約状態だった令嬢に解消を言い渡されたのだ。書状自体は婚約者の家から来たものだが、婚約者自身から個人的に何の声かけもなかった辺り、気持ちもすっかり消えてしまったのだろう。
前当主の不倫が発覚し、借金まみれの状況となれば嫁ぎたくなくなるのも無理はないが、せめて最後にひとつぐらいは言葉が欲しかったと思わずにはいられない。それが人情というものだろう。家同士が決めた約束で、決して燃え上がるような気持ちがあったわけではないが、この人となら穏やかで平凡な夫婦生活を送れると思っていたのに。夫婦生活を思い描く程度に、気持ちはきちんとあったのに。きっと、婚約者にとってはそうではなかったのだろう。
「そう気落ちするな。私の方がずっと美人だろう?」
「え? あ、ああ……まあ、確かに」
慰め、なのだろうか。斜め上の言葉に、コラードは首を傾げながらも素直に同意した。もしかしたら化けているだけなのかもしれないが、それはそれとして悪魔は相当な美貌の持ち主だった。
絹のように艶やかな黒髪。長い睫毛に縁取られたエメラルドグリーンの双眸。傷ひとつない白磁の肌。まるで何もかも設計して誂えたかのように均整の取れた肢体。悪魔と思わなければ、コラードも見惚れずにはいられなかっただろう。敢えて欠点を上げるとすれば、妙に作り物めいた美しさであることだろうか。まるでよく出来た人形が喋っているかのようにも思えた。
「こんな美人がこれからお前の嫁になるんだ。もっと前向きに考えろ」
「……よめ?」
「ああ。先程、お前の一生を私に捧げろと言ったな? 人間の社会で一生を捧げる契約といえば、やはり婚姻だろう」
「えっ……えええええ!?」
静まり返ったジェンティーレ邸に、コラードの叫びが響き渡った。
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この国では、社交シーズンになると王都で王家主催の舞踏会が何度か開かれる。それは各地を治める貴族家と王家の繋がりを強めるためのものであり、一度や二度は都合がつかずとも、期間中必ず一度はいずれかの舞踏会に出なければならない。完全に期間中全ての舞踏会を無視すれば、どういう理由であれそれだけで翻意ありと受け取られかねないのだ。
それは、当主の代替わりに際して家が傾きかけているジェンティーレ家も例外ではない。コラードは些か居心地の悪い思いをしながらも、地方を治める当主として王家主催の舞踏会に顔を出していた。
「コラード、居心地が悪かろうと表面上は泰然としろ。弱っている様を見せたらあっという間に食い物にされるぞ」
「わ、わかってるけど……」
独身の者を除き、正式な舞踏会というのは基本的に配偶者同伴で招待される。配偶者や子供を連れていることは、その男に家を守るだけの余裕があるという証になるからだ。逆にいえば、妻があるにも関わらず連れ立っていないのは、それだけで不倫や不況などを疑われかねない。貴族の社会というのは何かとややこしいのだ。
そんなわけで、コラードも今日は当然のように同伴者がいる。とはいえ、しっかりしろと小突かれている辺り、エスコートしているというより手綱を握られているようなものかもしれない。
「とはいえ、気持ちはわからなくもないがな」
コラードの辟易した表情を一瞥し、同伴者は会場の様子を不自然にならない程度に観察した。参加者はそれぞれ繋がりのある者同士でまとまり、談笑に興じている者が多い。実際に本心から笑っているかはともかくとして、会話によって情報収集や利益を模索するのは貴族として当然のことだからだ。
しかし、それはあくまで家を預かる男の仕事。まだ家を継いでいない若者や、喋る以外にやることのない令嬢や夫人方はくだらない噂話に花を咲かせることになる。
噂の内容は色々だ。しかし、天気や土地といった穏やかな話題はごく僅かなもので、大抵は人と人の間に起こる醜聞が話の種になりやすい。人の不幸は蜜の味というやつだろう。
ここ最近、この国では大きな災害も事件も起きていない。自然と話題は貴族間のスキャンダルという極めて小さな内輪の話になり、現在持ち切りの話題はジェンティーレ家の当主交代騒ぎだった。前当主が不倫現場で死んだ上、家が借金で傾いたなどと、娯楽に飢えた人々にはいい笑い種にされたことだろう。
「……意外だな。アルセルってそういう気持ちわかるんだ……」
「人の不幸につけ込むのは構わないが、嘲笑ひとつ浮かべられないのは醜悪が過ぎる。群れなければ何もできないぐらい弱いのだと、自ら喧伝しているようなものだ」
「そっか……いや、不幸につけ込むのも構わなくはないんだけどね……」
同伴者の過激な発言に、コラードは思わず苦笑を零した。己が噂の渦中に立っている状況はどうしても居心地が悪かったが、同伴者の存在のお陰で案外悲観はしていない。彼女がいてくれてよかったと柄にもなく胸を撫で下ろした矢先、不意にコラード達の方へ女性の一団が近づいてきた。
「ご機嫌よう、ジェンティーレ伯爵」
「……ご機嫌麗しゅう、ザファロン子爵夫人」
近づいてきた一団の筆頭人物が誰か見て取り、コラードの表情が微かに引き攣りかけた。露骨に嫌そうな顔を見せてはマナー違反なので、表面上は辛うじて笑顔だが、胸中は焦りと嫌悪感でいっぱいである。
ザファロン子爵というのは、王都に居を構える法服貴族の一人だ。法服貴族は官職の相続しかできない代わりに、領地運営などにかかる維持費の出費などもないため、個人の能力次第では領地貴族を超える財力を持つ。ザファロン子爵はかなり羽振りが良く、その夫人たる彼女も煌びやかなドレスを纏っていた。
このザファロン子爵夫人、プラチナブロンドが印象的な妖精めいた容姿とは裏腹に、随分と性格が悪い。大層な噂好きで、特に他人の醜聞を面白半分に脚色して語るのだ。華やかな容姿故に社交界でも顔が広く、彼女に脚色した噂を語られた日には、しばらく王都に出入りするのも困る事態になるといわれている。コラードは領地貴族なのでいざとなれば領地に引っ込めば済むが、感情的に厄介な相手であると感じずにはいられなかった。
「伯爵のお元気そうな様子が見られて何よりですわ。前回のシーズンは色々と不幸な出来事が重なって、結局ほとんど王都にはいらっしゃらなかったようですから」
「お気遣い痛み入ります」
「婚約されていたオルシーニ侯爵令嬢ともご縁がなかったようですし……一人寂しくしておられないかと心配していたのですけれど、杞憂だったようで安心しましたわ」
オルシーニ侯爵令嬢というのは、コラードの元婚約者のことだ。最近は忙しいのもあって最早悲しくもないが、掘り返されて心地いい話題でもない。心配という言葉とは裏腹に、明らかに人の傷を突いて楽しみたいといった様子が透けて見えた。
早く諦めてどこかへ行ってくれないだろうかと念じているコラードを余所に、おざなりな言葉のやり取りでザファロン子爵夫人は満足できなかったらしい。矛先はコラードの隣、静かに立っていた同伴者へと向いた。
「ご結婚されたと聞きましたけれど、そちらが?」
「ええ。紹介します、妻のアルセルです」
「お初にお目にかかります、ザファロン子爵夫人」
「これはどうもご丁寧に。オルシーニ侯爵令嬢との一件から半年と経たずに式を挙げられたということは、もしかして平民の方なのかしら?」
この国の貴族法では、貴族同士の婚約及び婚礼は半年を待たなければいけない決まりがあった。縁が切れたからといってすぐさま別の相手に乗り換えては、元の相手を軽んじたということになってしまうからだ。貴族はプライドにこだわるからこそ設けられた猶予期間である。
「ええ、まあ。妻は異国の商人の娘でして」
「あら、そうでしたの。平民が貴族社会に入るとなると、色々苦労もございましょう? 特に、ジェンティーレ伯爵家はここ最近色々とありましたから……」
親切そうな言葉と取り繕った表情とは裏腹に、ザファロン子爵夫人の目の奥には隠し切れない嘲りの色が見える。貴族が全員そうというわけではないが、平民を見下す貴族が少なくないのも事実であった。ザファロン子爵夫人は典型的なタイプであり、ジェンティーレ家の夫人が平民出身として明らかに侮っているようだ。
少し察しがよければ容易く気付くほどの嘲りを前に、アルセルは美しく微笑んでみせた。作り物めいた美貌に真意の読めない笑みが浮かぶ。
「ええ、全て存じております。ここしばらくの間にジェンティーレ家で起きた不幸な出来事、全て承知の上で夫と結ばれたいと願ったのです」
「……あら、そうなの」
凛とした姿勢で言葉を返したアルセルに対し、ザファロン子爵夫人は明らかに面白くない様子だった。ザファロン子爵夫人とその取り巻きから集団で嘲られ、アルセルが委縮して言葉を失う様を期待していたらしい。その期待が外れ、ザファロン子爵夫人は言葉を重ねた。コラードからも満足のいく反応を引き出せなかったことから、そろそろ躍起になっているようなしつこさである。
「そうまでして貴族社会に入り込みたかったのかしら? ああ、ごめんなさい。責めているわけではないのよ? 平民が貴族に憧れるのは当然だもの」
「そうなのですか? 憧れたことのない私にはわからない感覚ですが」
いよいよ言葉尻にも悪意が滲み始めたザファロン子爵夫人に対し、アルセルもまたややはっきりとした言葉で切り返した。まさか平民如きに明確な反抗を受けるとは考えてもいなかったのか、ザファロン子爵夫人は呆気に取られて固まってしまう。それを幸いと、今まで後手に回る一方だったアルセルが口火を切った。
「私が夫と結ばれたのはひとえに愛があったからこそです。たとえ夫が貴族でなかったとしても、結ばれたいと願う気持ちに偽りはありません。そして、もし夫が家を守りたいと願うのであれば、どんなに辛い道だろうと共に歩む覚悟があったから、神の前で愛を誓うことができたのです」
毅然とした言葉に、周りでこっそりと聞き耳を立てていた夫人方はほうっと吐息を零した。女性というのはスキャンダルな話題が好きなのと同じぐらい、劇的な色恋沙汰も好きなのだ。まるで恋愛物語の主人公のような物言いに、面白がるなり興味を引かれるなり、何かしら感じるものがあったらしい。
そういった場の空気の変化を、ザファロン子爵夫人は敏感に感じ取ったらしい。社交界で力を持つというのは、ただ華やかなだけでは駄目なのだ。こうして場の流れを掴むことができなければ、噂する側から噂される側に一瞬で転落しかねない。社交界に慣れているからこそ、ザファロン子爵夫人の引き際は適切だった。たとえ憤懣遣る方ない胸中だったとしても、この場でこれ以上粘れば雲行きが怪しくなりかねないことを悟ったのだろう。
「愛情深いご夫婦のようで何よりですわね。それでは、私はそろそろ失礼しますわ」
つまらなさそうに別れの口上を述べ、子爵夫人一行がコラードとアルセルの前から去っていく。その背中をアルセルはじっと見つめていた。エメラルドグリーンの双眸がまるで獲物を見つけたかのように、しかとその姿を記憶する。
「あの、アルセル……あまり妙な真似はしないようにね?」
「……任せろ。人の不幸を喜ぶのは何も人間ばかりではないことを教えてやる」
「いや、だから過激なことは駄目だって……」
「加えて、私なら集団でなく単身で完璧に遂行できる」
「そういう問題じゃなくてね?」
「決してばれないようにもできるぞ。まあ、ばれたところで……悪魔の犯行を人間がどう立証するのか、見物ではあるが」
楽しげに囁き、美しすぎる悪魔は再び綺麗に微笑んだのだった。
内政ものを書くとしたらこういう設定がいいなというプロローグな話。
ちょっとだけ登場人物補足。
アルセル:召喚された悪魔。少女の姿をしているが実年齢は不明。コラードに一目惚れし、死ぬまで面倒をみることにする。特に献身的というより、人間の世話ぐらい悪魔には造作ないだけだったりする。根本的に人間とは全く別の生き物なので、当然の如く倫理観など持ち合せていない。
コラード:伯爵家の新当主。家の問題と薄情な家族に頭を悩ませた末、悪魔召喚に手をつけてしまう。今回はアルセルがコラードに惚れる変わり者だったため事なきを得たが、実は召喚された悪魔次第では願いすら叶えてもらえず悪戯に魂を取られる可能性すらあった。ギリギリのところで悪運が強い。