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法律と大公の役職

 国において法律はかなり重要なものだ。

 法律がなければ犯罪をしほうだいだからね。

 というわけで、ポラリス王国でももちろん法律を作ることになった。

 まずは私が大まかな考えをみんなに提案して話し合い、他にも法律に加えてほしいものがあれば大公にも提案してもらう。


 私が考えたのは

 ・人殺し、放火、誘拐は重罪(死刑あり)

 ・盗み、恐喝、暴行の禁止

 ・犯罪者を国に入れない

 ・奴隷、人身売買の禁止

 ・盗賊は殺してもよいが捕まえると人数に応じて褒賞金がもらえる

 ここまでが犯罪に関する法律。

 貴族であってもこれは同じ。

 貴族が市民を殺したり傷つけるのも禁止。

 できるのはせいぜい捕縛するくらい。

 しかも貴族が平民を勝手に罰することはできないようになっている。

 ではどうやって罪に問うのかというと、司法機関をつくって裁判みたいなことをして刑罰を決める。

 実際には裁判官が嘘発見器(みたいな魔道具)を使って質問して、はいかいいえで答えるだけなので弁護士などは存在しない。

 高位の貴族の場合は王都の裁判所で裁判を受けてそれには王の立ち会いが必要になる。


 次は国民の義務について。

 ・税金の支払い(但し税金を払うことが困難な場合は検査を受けた後、労働によるものでも可能になる)

 ・戸籍の登録

 ・6~9歳の義務教育

 税金はみんなで話し合って決めないと私はどのくらいがいいのか分からないんだよね。

 とりあえずできれば安い方がいいんだけど。

 戸籍は冒険者ギルドや商業ギルドみたいにギルドカードを応用して作ろうと思っている。

 領地によってデザインを変えて身分証を作るのだ。

 名前と年齢と職業が書いてあればいいかな。

 そのカードがあればポラリス王国の国民だと証明されて、国の施設を無料もしくは格安で使える。

 あとお金を払う機能もつけたいと思っている。

 そこから税金が引かれるのもいいかもしれない。

 もちろん持ち主しか使えないようにする防犯機能もつけないとね。

 義務教育をするのは6~9歳の3年間。

 ポラリス王国には学校を絶対作りたい。

 読み書き計算くらいはできるようになってもらいたいし。

 じゃないとこの世界では値段を誤魔化されたりするそうだ。

 私が考えているのは小学部、中学部、大学部をつくってそれぞれ三学年まであり小学部だけを義務教育にする。

 中学部と大学部は希望した人だけ。

 これは平民、貴族関係なくだ。

 小学部では読み書き計算などの一般知識を学ぶ。

 中学部は色んな学科があって将来自分が就きたい職業の勉強ができ、大学部は王宮で官僚などの仕事をするためのエリート学校だ。

 大学部は試験が必要かも。

 もちろんコネとかは一切通じないようにしよう。


 とりあえず私が考えたのはこのくらいだ。

 国の運営を始めたらまだ足りないことがでてくるとは思うけどその時は追々法律を制定していこうと思っている。


「こんな感じでどうかな?」


 私が一通り説明が終わりみんなに問いかけるとみんな考えこみ始めた。


「革新的、かつ面白いと思える内容が多くあった。まだ甘いがよくこんなことを考えつくものだと関心しましたよ。」


「ありがとう、クロード。」


「しかし、一応聞きますが謀反や暗殺は反逆罪として死刑になりますよね?」


「そ、そうだね。」


 私を殺そうとする人がいるかもしれないっていうことだよね?

 そこまで考えてなかったな。


「一応女王なんですから普段からしっかり危機管理を怠らないようにしてください。」


「一応ってどういうこと!?」


 会議だからって敬語を使われても全然敬われてる気がしない!

 むしろその分いつもより言葉に刺がある気がするんですけど!


「まあまあ。今は会議ですから落ち着いてください。女王陛下のお考えは私も素晴らしいと思いますよ。ですが、まだ足りないのも事実です。新たに法律を制定したり、法律を改正する場合はどうしましょうか?」


 ローランさんがもっともなことを言ってくれたので少し落ち着いて考えてみる。


「そうですね。じゃあこの代表会議で案をだして3分の2以上の大公の賛成と王の許可で可決ということにしましょう。」


「代表会議はどのように開くんじゃ?」


 ゴードンが手を挙げて質問する。


「うーん。王か大公の呼び掛けでいいんじゃない?」


「かなり大公の権力が強い気がするのう。」


「一番高い爵位だからね。とりあえず全種族の意見を取り入れることはできるし。それにそのために私自らスカウトしたわけだしね。」


 魔眼はもの凄く便利でした。

 あまり使わないように考えていたけどかなり便利だからつい使っちゃいそうなんだよね。


「まあ、法律の制定や改正についてはこのくらいにして他になにかありますか?」


「学校についてですが、その案自体はよろしいと思います。その学校には王族も通われるのですかな?」


 セリオンさんの質問に私は「もちろん。」と答えた。

 私は王族だって友達と勉強したり遊んでもいいと思うんだよね。


「では、王侯貴族と平民では学校は分けるのでしょうか?」


「え?あ、でも王族も貴族も平民とふれあういい機会だと思うし別に分けなくても」


「しかし、貴族と平民では価値観が違いますし学ばなくてはならないことも違ってくると思われます。貴族社会で生きていかなくてはならない子供たちには子供のころから学ぶ必要があるかと。それに貴族の子供というのは狙われやすい。防犯面でも考えると・・・」


 セリオンさんの言うことが分からないわけでもない。

 でも貴族のいない世界から来た私にはそこまで考えつかなかったな。

 たしかに貴族同士の付き合いというのもあるし、防犯でも不安がある。

 貴族のごたごたに平民を巻き込むのもなあ。


「じゃあこうしよう。平民の小学部は王都も含めてそれぞれの領地でもつくって、貴族の小学部は寮制にして王都だけにつくろう。中学部、大学部は身分は関係なし。これでどうかな? 」


 平民にもいい人材はいると思うし、ポラリス王国の国民にはなるべくなりたい職業をしてもらいたい。

 だから小学部はともかく、仕事の勉強をする中学部、大学部まで平民と貴族を分けたくはないんだよね。

 そのことを伝えるとみんな一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに笑顔になった。


「よろしいかと思われます。それが女王陛下の理想の国なのですな。他の国ではあり得ないことですが、子供たちの夢に溢れた素晴らしい国ですな。」


 みんな微笑ましそうに私を見るのでちょっと照れくさい。


「こ、こほん。そんなに他の国ではあり得ないことなの?」


「ええ。読み書きができる平民自体あまりいませんのよ。ましてや計算なんて。」


 レティシアが私の疑問に答えてくれる。

 そっか。平民って読み書きできないんだ。

 ますます学校をつくらないとな。

 目指せ!世界一頭のいい国!


「それならさ!6歳から9歳の子供は強制で小学部に通わないといけないけど、希望する人は大人も通っていいことにしない?もちろんクラスは子供と分けるけど。」


「それはいいな。大人でも読み書きできるようになりたいやつは多いだろう。」


 カミロが賛成してくれる。

 他のみんなも口々に賛成してくれた。


「ちなみにここにいる人で読み書きのできない人は?」


「「「「「「「・・・。」」」」」」」


 いないみたいだ。みんな優秀だね!


「学費はどうする?」


「私が考えているのはポラリス王国の住民は無料。但し貴族の学校はお金かかるだろうから学費をもらうことにする。」


「平民の小学部はそれでいいと思うが、中学部と大学部もか?それは予算的に厳しい気がするが。」


 クロードがぶつぶつと呟き始めた。

 やっぱりちょっと難しいかな?


「でもほら。貴重な人材の確保はお金よりも大事だと思うし。駄目、かな?」


「せめて中学部と大学部は成績優秀者には援助をするということにした方がいいだろう。さすがに無料は無理だ。」


「うーん。わかった。でも代わりに奨学金制度は譲れない。」


「・・・最終的には税金で賄えるように持っていくが、それまでは陛下がお金を出すことになってしまいますよ?」


「うん、いいよ。」


「即答か。まあ陛下がそれでいいならべつにいいですが。」


 クロードが苦笑いをするけど、結構王宮の宝物庫に使いきれないほどのお金があるから余裕があると思うんだよね。


「はいはいなのじゃ!どの学校の生徒とか卒業とか戸籍カードに記載するとよいのじゃ!」


「お!それいいね!さすがエレオノーラ!」


「ふふんなのじゃ。魔道具も妾が作ってやるので感謝するとよいのじゃ!」


 吸血鬼の魔道具はいいものらしいからそれは助かる。

 有り難く作ってもらうことにしよう。

 もちろん無料で!

 それから学校について私がしたい行事とか給食か学食かとか勉強の時間に学習することまで色々みんなで話し合い決めていった。

 校舎は私がダンジョン機能で造ることになったのでお金はかからない。

 また中学と大学部の学科も考えた。

 疲れたけどこういうことを考えるのもなかなか楽しい。

 みんなも生き生きして意見を出しあっているし、学校の完成が楽しみだ。

 学校のこと以外にも公共施設や税金の値段、貴族のことなど法律を決める。

 こうしてポラリス王国の法律が段々と形になっていったのだった。








「今日は代表会議の2日目です。今日の内容ですが、大公の役職について決めていきたいと思います。」


 私がそう話すとクロード以外みんな首を傾げていた。


「大公の役職とはなんでしょうか?」


「みなさんも知っての通り、クロードは宰相の役目もしています。よって他の大公のみなさんにもそれぞれ仕事をしてもらいます。」


 何人かが「うげ。」と嫌そうな顔をするけどちゃんと仕事をしてもらわないと。

 目標は私がいなくても大丈夫なくらい。

 じゃないと私が出掛けられないしね!


「ではクロード、説明をお願い。」


 クロードと会議の前に打ち合わせをしていたので説明を任せる。

 宰相の初めての仕事なのでいつもより張り切っております!


「・・・。」


 クロードが睨んでくるけど人の心の中でも読むことができるんだろうか?


「こほん。ではどのような役職があるのか説明していきます。財政、外交、公共、学問、医療、法律です。それぞれ担当を決めたいと思います。希望があればお聞きしますので。」


「私は外交を担当いたしますわ。それを買われてここに来たのだもの。いいわよねクロード?」


「ああ。俺もレティシアには外交をお願いしようと思っていた。もちろん他に外交がいいという人がいなければだが。」


 クロードがみんなを見て確認するけど、他にいなさそうなので外交担当はレティシアになった。


「妾は学問がいいのじゃ!昨日の話し合いの学校というのは面白そうなのじゃ!」


「ではエレオノーラ殿が学問担当ということでよろしいですか。」


「うむなのじゃ!」


「では私は財政を担当しましょう。以前そのような仕事をしていたことがありますので。」


「それは心強いですね。一番大変かと思いますがよろしくお願いしますローラン殿。」


「分かりました。」


「それでは私は医療を担当することにいたしましょうかな。薬草については少し知識がありますからな。できれば医師を補佐にお願いしたいですが。」


「了解しましたセリオン殿。腕のよい医師を探しておきまょう。」


「頼みますぞ、宰相殿。」


「あー、儂らはどうするかのうカミロ。」


「俺はどちらでもいい。」


「ゴードン。公共は国営の設備や建築物、新しい事業をしたりする部署だよ。」


「おお!設備や建築物か。面白そうじゃな。それはもちろん儂が設計をしてもいいんじゃろ?」


「え?ああ、まあゴードンがしたいならしてもいいけど。」


「よし!儂は公共をするぞ。」


 設計をしたいってさすがドワーフ。

 そのうち自分で建てるとか言い出すんじゃないだろうか?


「ではゴードン殿が公共担当ですね。カミロ殿は法律担当でよろしいですか?」


「問題ない。」


 みんな問題ないということで大公のそれぞれの役職が決定した。

 あとは大公ごとに仕事の内容を詰めていくので全体での会議はこのくらいかな。

 長かったけどかなり国の運営の開始まで進んだような気がする。

 まあ、まだまだ受け入れはできないんだけど。

 ポラリス王国が人で溢れるようになる日がくるのが楽しみだな。

 それまで頑張らなくちゃね。

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