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転生と神様の頼み

初めての投稿です。

色々拙いところがあると思いますが、温かい目で見守ってくださるとありがたいです。

「おめでとうございます!今日からあなたは異世界の王様です。私の代わりに素敵な王国を作っちゃいましょう!」


「え?」


 ぼんやりとした思考の中、私はかけられた言葉を理解できないまま、目の前の人物を確認する。

 かわいい・・・。

 見たこともないような絶世の金髪美少女。

 神々しくて女の私でも見とれてしまいそう・・・。


「もしもーし!聞こえてる?王様だよ、王様!あれ?女性だから女王様?とにかく、もうちょっとなんか、へーとか、ふーん、とかなんかないの?」


「うん、その反応もどうかと思うけどね。」


 目の前の美少女が「納得いかない!」というような顔をして私を見ている。

 いや、いきなりそんなこと言われても、反応できないのが普通だと思うんだけど。

 それに、今日から王様です!って言われて、へー、とか、ふーんですんだら色々おかしいよね!


「まあ、いいや。 とにかくあなたにはこれから異世界に転生してもらって、新しくできた島に新しい国を作ってもらいます。以上!なにか質問はありますか?ちなみに拒否権はありません!」


「・・・。」


 おかしいな。

 国作りって強制的にやらされるものだっけ?

 さっき車にひかれた一般人が、異世界の王様?

 というか、あの子誰?

 新しい島?新しい国?

 色々謎が多すぎる。


「あの~・・・。」


「はい、そこのあなた!」


「・・・あなたは誰?」


「神様です!親しみをこめて、かーちゃんって呼んでね!」


「・・・。」


「あ、信じてないね?転生の時にこういう場面で出てくるのは、神様って相場が決まってるじゃない!」


「いや、神様っていうことよりも、その呼び方にツッコミみたい。」


 またなんでって顔をするよ。

 私がおかしいの?

 私がおかしいのかな?


「かーちゃんってお母さんみたい。」


「あ、今名前の最初に「か」がつく人全員を敵にまわしたね?全国のかおりちゃんやかすみちゃんに謝れ!」


「・・・。」


 ダメだ。

 完全にこの人面倒くさい人だ。

 さっきから私の言葉が出ない率が高い。

 こういう時はむやみに抵抗せずに、話を合わせた方がいい。

 疲れるしね!


「えっと、か、かーちゃん?」


「おぅ、ホントにその呼び方でくるとは思わなかったわ。」


「おい!」


 誰かこの神様の相手代わって!


「それで他に質問は?なかったらもう向こうに行ってもらうけど?」


「あります!あります!ありまくります!」


 いきなりこんな状況になって、全然質問がないとか一体どんな超人よ!

 その人絶対、目の前の神様並みにおかしいでしょ!


「まだあるの?できれば早くして欲しいんだけど。」


「・・・どうして国を作るということになったの?」


「それが聞いてくださいよ、奥さん!」


「私まだ結婚してないんだけど?」


「いいの!こういうのはノリなんだから!それでね、私が管理している世界の一つに新しくちょっと大きめの島ができて、せっかくだから私も自分で好きなように趣味で国を作ってみようと思ったわけ。そしたら他の神がなんか文句言ってきて、仕方ないから諦めたの。でも、せっかくの新しい土地がもったいないと思わない?だから、私が選んだ誰かに代わってもらおうと思って!我ながらナイスアイディア!」


「でもそれなら、ほっとけば勝手に国ができるんじゃない?」


「ダメダメ!せっかく私が頑張って作ったのに!私の頑張りを分からない人に任せるなんて!」


「つまり、偶然大陸ができたわけじゃなくて、趣味のために自分で意図的に作ったと?」


「・・・。さあ、次の質問いってみよう!」


 あ、スルーした。

 まあ、いいけどね。


「じゃあ、なんで選ばれたのが私だったのかな?」


「え?そんなの丁度良いときにお亡くなりになったから?」


「・・・。」


「あ!ごめんなさい!良いタイミングだったのはそうだけど、ちゃんと心が綺麗なのを見て選んだから!それに、私と同じ女性だし!私の代わりだから、そっちの方がいいかなって!だからそんな恐ろしい笑顔をしないで!目が笑ってないから!」


 まあ、そんなのが分かるなら問題ないの、かな?

 でも、そっかそっか~。

 心が綺麗なのか~。


「あの~。もうよろしいでしょうか?」


「あ、そうだね。でもせっかくの異世界なのに王様になったらあんまり色々見て回れないかも。ねぇ、どうせなら建国とかしなくても、船とかで世界旅行の方が良くない?」


「拒否権はありません。」


「でも新しい島ってことは、誰もいないし、何もないんだよね?だったら・・・」


「拒否権はありません。」


「でも、」


「拒否権はありません。」


「・・・。」


「他に質問はありますか?」


「・・・いや、ないです。」


「そっか!じゃあ、私から補足しておくね!今から行くのは剣と魔法のファンタジーな世界!あなたには良い国を作ってもらうためにも、無限の魔力と全属性魔法。そして、なんと!固有属性魔法『創造魔法』をプレゼント!さらにさらに!私が心をこめて建てた頑丈でおしゃれなお城つき!島の真ん中にポツンと建ってるよ!」


  くっ!

  無表情で「拒否権はありません。」とか言って、私が質問がないって言ったとたん眩しい笑顔をしやがって。

  というか、どんだけ国を作ってほしいんだよ!

  どこからくるんだ、その情熱は!


「あ、ありがとう・・・。」


「あと、困ったときはヘルプを使ってね!」


 しかもなぜかお城はすでにあるのか。

 それに、なんか魔法が使えるようになったみたいだけど、いまいちよく分からないな。

 まあ、ヘルプがあるなら態々この神様に聞かなくてもいいかな?

 ちょっと疲れるし。

 あれ?だったら、もう最初からヘルプでよかったんじゃない?


「あ!それとあなたの体はペッチャンコだったから、新しい体を用意しておいたから。容姿は期待しといて!私ほどじゃないけど、なかなかの清楚系美女よ。やっぱり女王がブスだったら、色々と問題よね。色気ムンムンの大人な女王もすてがたいけど、あなたのイメージと合わないし。」


 わ、私の体ペッチャンコなのか・・・。

 でも、転生して美人になれるからそれもいいのかな?

 前の私は平凡だったもんね。

 なんか複雑だけど・・・。


「さあ、あの光の向こうが新しいあなたの世界よ。」


「う、うん。」


「あれ?もしかして緊張してる?大丈夫だって!島には外からの侵入を防ぐ結界と番人のゴーレムもいるし。もちろん城の門番もゴーレムだよ。しかもそんじゃそこらのゴーレムじゃないよ!神様作の最強ゴーレムなのさ!それに国を作るっていっても、他の国と比べたらちっちゃいし。せいぜい北海道ぐらいだよ!」


「え!北海道!?十分に大きすぎるよ!島って言ってたからハワイとか想像してたのに!そんな広い土地っ・・・」


「はいはいはい。それじゃあいってらっしゃーい!」


「ちょ、まっ!」


 こうして私の第2の人生が異世界で始まる。

 そして私は誓う。

  もう絶対、あの神様と会うもんか!

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