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頂きました

久しぶりの更新

短いです。

紫音は千切った少女の腕をむしゃむしゃと食べていた。

一方腕を千切られた少女の方はあまりの痛みに気絶している。

もっとも腕の方は既に8割がた治っており、吸血鬼ヴァンパイアの回復力の高さがうかがえる。

「うん。普通だな。」

紫音は少女の腕の味をそう評価した。

つまり少女の生物的な強さは今まで出会ってきた生き物の中では中ぐらいでしかないということである。

実のところこの味で実力を完全に判断することはできない。

判断できるのは魔力や膂力といったあくまで本人が持つスペックのみであり、技術などは反映されない。さらに言えば、味の良し悪しはあくまで紫音の主観なのでかなりあいまいな判断になる。


この味について不思議なことが一つある。

それは、この味にはその味を表現できる味がないということだ。

確かにおいしいとか、まずいといった評価はできるのになぜか分からないがその味を表現できる言葉がない。

ほかのどのような料理にも似ていなく、ほかのどのような食材にも似ていない味なのだ。



紫音は村人たちから善意でもらった(巻き上げた)服を着て、聖王国があると言われた方角に向かって歩いていた。

紫音は別段変態ではないので服を着ないで人前にわざわざ出ようとは思わない。

だから、忘れずに村人たちから服をもらった(奪った)。

貰った(奪った)服はなぜか知らないがすべて執事服。

それらの服は形こそ紫音の気に召さなかったが伸縮性、通気性とも抜群に良く、もしかしたら吸血鬼ヴァンパイア特異種が狙われるのはそれが原因なのではと思ってしまうほどだった。

そして、その執事服を着ることによって紫音は単なる変態からなんちゃって執事にジョブチェンジしたのだ。



紫音の後ろにはさっきまでいた村で一番強いらしい少女がついてきている。

紫音は先ほど少女の腕を味見として食べた。

そのため意識を失った彼女の腕と意識が戻るのを待ち、戻ったら後についてくるように言って、憤る村人を排除しつつ村からやってきたのだった。

少女はおびえていた。

それは、仕方のないことであった。

いきなり自分たちの村に来て村の人たちを拘束し、自分のことを押し倒して腕を引きちぎり食べた男が目の前にいるのだ。

恐れを抱きおびえないはずがない。

本来なら逃げ出してしまいたかった。

しかし、目の前の男がそれを許さない。

自分が逃げれば、自分はもちろんのこと同郷の者たちがどのような目にあわされるかもわからない。

そのため、少女は可能かなぎり紫音から離れつつ、しかし確実に後ろをついていくのであった。

感想あると嬉しいです。

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