寝る!!!
面倒なことになった。
クラスメイトが全員状況を理解した後、国王に謁見するために無駄に広い部屋に通されたときに俺はそう思った。
ちなみに詳しい説明もこの部屋で国王が直々にしてくれるらしい。
非常に面倒だ。
そうしているうちに国王の話は進んでいる。
俺は何をしてるかって?
もちろん寝てるに決まってるじゃないか。
めんどくさい話は寝るに限る。
zzzzzzzzzz
国王の長ったらしい話が終わった。
要約すると「来てくれてありがとう。いまは割とましな状況だけど、いつまずくなるかわからないから頑張って強くなって元凶をたおしてね!!」ってことらしい。
そのほかに元の世界に戻るとか何とか言ってた気もするがそこは熟睡していて聞いていない。
どのみち些細なことだからどうでもいい。
続いて、勇者(俺たち)の扱いについての説明が始まった。
早速、全身鎧をまとったまさに騎士といえるような恰好の人が前に立って話し始める。
「では、まず自分のステータスを確認してください。ステータスオープンといえば目の前に現れます。」
まさにファンタジーだな。
そう思いつつも試しにやってみる。
「ステータスオープン」
ステータス
スキル「貪食」
・なんでも食べられるようになる。
・食べたものを100%エネルギーとして取り込むことができる。
目の前に出てきたステータスはこんなのだった。
HPとかMPなどのようなものはないらしい。
現れたのはスキルだけ。
なんだか寂しい。
さて、また話が長くなりそうだ寝よう。
zzzzzzzzz
「はい。皆様、ステータスが見えましたでしょうか?そこに書かれているスキルが皆様方の今後の成長の方向を示す目安となります。」
「体力や魔力はでないの?」
クラスメイトの一人が聞いた。
「そのようなものは分かるはずがありませんが・・・・・・・」
困惑したような表情で説明をしていた騎士は答える。
「あ、そうなんだ。」
ほかのクラスメイトの中にも同じようなことが気になっていた人もいたようで、安心した顔をしているのが何人か見受けられた。
「では、説明に戻ります。皆様方には今後ステータスで見たスキルに従って鍛錬を積んでいただく予定ですが、最初の1月は各自に騎士と魔導士を1人ずつ付けて剣術および魔法の訓練をしていただきます。ここまでよろしいでしょうか?」
勇者たちは魔法といったところで「おお~」と声を漏らした。
「では早速、各人にあった騎士と魔導士を見つけに訓練所へ行きましょう。」
そういって勇者と騎士たちは部屋から出ていった。
そうして部屋の中に国王と紫音が二人残るのだった。
もちろん相変わらず紫音は寝ている。