異世界へ行く
特になし。
青春真っ只中の高校生、クラスの中でポツンと一人、この状況は一般的に灰色の青春と言われる状況だろう。
しかし、俺、御前紫音はそうは思わない。
人間関係に煩わされることなく自分の好きなようにすごす、これも一つの青春ではないだろうか?
大人になって仕事をするようになったら、嫌でも、人と関わる必要が出てくる。
そう考えると人とあまり関わらないでいられるのは青春と呼ばれるこの時期しかないだろう。
もう一度言おうこれも一つの青春なのだ。
俺は高校生だ。
そして今日は3時間目に体育がある。
はっきり言って体育は憂鬱だ。
ほかの授業では先生の話を聞いていればいいだけだが、体育は違う。
準備運動で二人一組で行う体操があるし、スポーツを行う時には班に分けられその班で行動する。
まさに煩わしい人間関係そのものである。
私にとってこの体育という授業ほど鬱陶しいものはないし、気にかけるものもない。
そう、たとえ放送室のカギが今朝からどうしても開かないというおかしなことを聞いたとしても野次馬のごとく見に行ったりなどはしないのだ。
俺は、そんなことはどうでもいいと思い3時間目をどう乗り切るかを考え始めた。
2時間目の世界史が終わった。
未だ3時間目を乗り切る方法は考え付いていない。
先週は体調不良を訴えて休んだ。
その前はけがをしていたのでそれを理由に休んだ。
その前のことは忘れた。
そんなことで今日は前に使った言い訳を使用するのはまずい。
怪しまれたら困る。
そう思い憂鬱になっているときだった。
スピーカーからピーーーーーーという音が鳴った。
もちろんそんな校内放送など普段は流れない。
すぐに収まるだろうと思い、また、俺にとってもどうでもいいことなので無視して再び3時間目を乗り切る方法について思案する。
そして、仕方ない。
出来るだけ目立たないように授業を受けようと決めたとき、視界が白く染まった。
視界が色をを取り戻したとき目の前にはちょうど2時間目の世界史でやっていた中世の貴族と騎士のような恰好をした人たちがいた。
周りを見てみると俺以外にもついさっきまで同じ教室にいた人たちがいた。
みんな放心状態だ。
誰がいなくて誰がいるなんてことは分からないのだが、それなりに人数がいることは分かる。
数えてみると42人。
俺のいるクラスの人数と同じだ。
まぁ、俺にとってそんなことはどうでもいいのだが・・・・・
そんなことを考えているうちに俺以外の人たち、いた、クラスメイトは周りの状況に気が付いたようだ。
中には、状況についていけずまだ放心しているのがいるが、これまた俺には全く関係のないことだからどうでもいい。
やるべきことは一つだ。
目の前にいる貴族?に声をかける。
「ここどこ?どういう状況?」と。
貴族?は答えていった。
「ここはエルトニア聖王国です。私たちが皆様方を勇者として召喚させていただきました。どうか私たちを魔族どもの魔の手からお救いください」と。
感想、文句、嫌味、ほめ言葉、何でも送ってください。
あ、でも暴言だけはやめて~~~(>_<)