第6話:霊力テスト
5時間目が始まっても俺はまだ職員室にいた。
1番初歩的な技はできる様になったらしい。
俺自体は霊力を持ってるらしいからきちんと基礎を積めば大丈夫らしいけど今日には間に合わないらしい。
やっと解放されたのが5時間目の終わりぐらいだった。
「で、どうだったんだよ??」
冷静に突っ込む拓也の隣に座る。
「1番初歩的なのは使える様になった。」
「初歩的なのってあのピン球ぐらいの霊力の塊が出るやつ??」
どうやら順は俺を徹底的にイジメたいらしい。
ニヤニヤ笑ってやがる。
「あ〜!!うるせぇな!!霊力なんて知らねぇよ!!」
「とうとう現実逃避に走ったな。」
「じゃぁ次は2年3組。」
と試験官の先生の声がかかる。
「じゃぁ全員頑張って行こう!!!」
いつか順の奴殺してやるからな。
順番を待っている間はかなり憂鬱だった。
周りから見ればご機嫌斜めの亮君だっただろう。
どんどん試験を終わった生徒が出てくる。
ちなみに拓也はかなり出来たらしい。
「そろそろ行って来いよ。」
「あぁ。終わっても何も聞くなよ??順にも言っといてくれ。」
手を上げて答える拓也を後に俺は壁で区切られた試験室に入って行った。
「出席番号39番の漣亮君ですね??まずはそこに座って下さい。」
これが俺の地獄の試験の始まりだった。
それから制御の試験とかコントロールの試験とかいろいろあったがまぁ客観的にみて出来たとは言わないだろう。
って言うかボロボロ……。
結果は帰るまでにわかるらしい。
拓也のおかげで誰にも
「どうだった??」
と聞かれなかったのは不幸中の幸いだった。
その幸いもつかの間、早くも結果発表の時が来た。
早すぎだっつ〜の。
どうやら読み上げて行くらしい。
ちなみに拓也は80順は78だった学年としてはかなり高い方らしい。
「次…漣亮!!……ここで言ってもいいのか??」
みんなの視線が突き刺さる。
「いいっスよ。」
「漣は……21だ。」
「……………。」
教室に気まずい沈黙ができる。
「21は学年最下位だ。」