第37話:初陣
次の日、朝一で部隊登録をしに行った。
もちろん俺は部隊登録なんてしなくてもいいので、イギリス大将軍であられるフェルナンド将軍に報告をしに行った。
かなり怒られた。
さすがに自分の護衛が全員訓練生から引っこ抜いて来た奴だってわかったら怒るか……。
最終的には納得させたけど。
大将軍の護衛って言ってもフェルナンドは24時間体制で本部にいるだけだから実際は現場監督みないな役に就くんだけど。
って事で今から戦場に向かいます。
拓也達はどうやら戦場には行かないと思ってたみたいでかなり文句を言われた。
「俺達は最後尾だから。」
って言ったらいくらかまっしになったけど。
ちなみに俺達が行く戦場はラオックスって所。
まだまっしな戦場だ。
何とかって言う名前の将軍2人の部隊が総出してるらしい。
現場に着くなり拓也に俺の部隊の全指揮をまかせた。
「………そんなんでいいのかよ??」
「だって俺は今から全隊の指揮取らなきゃなんね〜から。大体今日は初めてなんだし現場の空気とかに慣れとけよ。」
命令って事でって言ったら文句を言わなくなった。
………やっぱりトップってのはいいなぁ。
で、俺が将軍の所に行くのにお決まりの5人が付いて来た。
「だって現場の空気に慣れなきゃいけないじゃん。」
「そぅですよぉ。見学ですぅ。」
「命令違反じゃないしね。」
「やっぱり隊長を見て覚えね〜と。」
「亮の言いなりになってるの釈だし。」
らしい。
…………。
ほっとこう。
「現状を教えてくれ。」
将軍テントに入るなり俺は言った。
「川を挟んで対峙しています。右翼と左翼に2万ずつ。中央に3万を隊列を組んで並ばせています。」
「地形は??」
「こっちの陣の方が2、3メートル高いです。」
「右翼と左翼を1万ずつにしろ。あと中の隊列を曲線状にしといて。」
それを聞いて将軍2人は出て行った。
「お前らもここじゃなくて戦場見てた方がいいぜ。」
「………。今、指示した陣型の意味がわかんね〜んだけど。」
当たり前だ。
今日戦場に立ったばっかの奴にわかれば作戦もくそもないだろ。
「配置し終わりました。」
「1回目の合図で陣型を崩さずに中央の歩兵を2万、2回目で左右の騎馬隊全隊、3回目でまた中央の2万を前進。詳細は前の打ち合わせ通りだ。」
「はい。……しかし、本当にあんな作戦が通用するんでしょうか??」
「無茶苦茶だろ??」
「はい……。」
「だからこそ………だ。」
それから10分ぐらいすると敵が動きだした。
敵の陣型は5万の歩兵が前、3万の騎馬隊が後ろだ。
まずは歩兵が3万弱、次に騎馬隊が1万弱動き出した。
今日が初陣の俺の部隊はかなりソワソワしてる。
敵がどんどん近付いて来る。
200メートル………150メートル………100メートル………。
「今だ!!」
味方の歩兵が合図と共に動き出す。
敵の方が動き出したばかりの味方より勢いがある。
敵が次第にこっちの陣型である曲線に合う形になって来る。
「2回目。」
そこで騎馬隊が出る。
騎馬隊は敵を無視してそのまま真っ直ぐ走り抜ける。
「お、おい!!!敵を通り越したぞ!!!」
順がたまらず声を上げた。
無視………。
敵の最終ラインまで突っ切った騎馬隊はそこで方向を変えて合流する。
「3回目。」
また歩兵2万が前進する。
「拓也。全員に馬が用意してあるから準備させといてくれ。」
「出るのかよ!?」
そう言いながら拓也を始め、5人は出ていく。
ちなみに今の状況は味方が敵を囲んだ状態になっている。
ちなみに本陣を守る兵がかなり少ないし、兵隊を移動させ過ぎてる。
常識的に考えるとありえない作戦だ。
まぁだからこそ……だけどな。
もちろん俺の作戦通りに進んでいて、ラオックス軍はかなり動揺してるらしい。
護衛軍が出る必要は全く無いんだけど、見てるだけじゃ緊張感を感じれるはずがないからちょっとカマかけてみただけ。
って事で我が部隊の初陣はかなり楽勝で終わった。
まぁ俺がいる限り誰が来ようと余裕だけどな。