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第31話:キス??

船の上には沈黙しかなかった。

完全な沈黙。

物音1つしなかった。

「その時の俺は親父が生きていると知っておかしくなっていた。そして、目的であったトラファリア王を目の前にして俺はチームの解散を言い渡したんだ。」

………まだ沈黙は続く………。

「その後は気を失ってわからない。俺が気付いたときには、王の死体があった。……そして、親父はいなかった。」

………まだ沈黙は続く………。

「こんなもんかな??なんか聞きたい事あるやつ??」

この気まずさ最上級の空気をなんとかする為に俺は質問を受け付ける事にした。

「ティル・グレゴリーは何でお前の敵になったんだよ??」

「あぁ、それを話してなかったな。あいつは元々、古代3国のスパイみたいなんだったんだよ。俺を利用して、トラファリア王を殺したんだよ。それで、何か知らねぇけど元チームの奴集めて俺を殺したがってるんだよ。」

「お前の親父は??」

「さぁ??わからねぇ。」

また沈黙ができた。

やっぱ話すんじゃなかったぜ。

「それより『漆黒の死神』と『黒き征裁』って知らねぇのか??」

「……知ってるに決まってるだろ。トラファリアが潰れた裏話にほとんど伝説として知ってる。」

拓也がやっと喋った。

なんか一安心。

「じゃぁもっとなんかねぇの??『ほんとに黒き征裁なの??すご〜い。』とか言う歓声が上がると思ったんだけどな。」

「本気で思ってたのか??」

今度は順が喋った。

ついでに睨まれたけど……。

「そろそろ、自分の部屋に戻れ。」

ちょうどいいタイミングでイギリス兵が言った。

今回は徴兵として行くのだからちゃんと部屋もある。

皆がそれぞれに部屋に入って行く。

「漣亮。ちょっと来るんだ。」

って事で俺は呼び出された。





イギリス軍の中佐か大佐か知らないけとそいつに俺の過去が本当なのかを聞かれて、いろいろ喋らされてやっと帰る事ができた。

部屋に着くと、扉の前に優華がいた。

「久しぶりにセリフありのトージョーをした優華ちゃんです♪♪」

……………。

「部屋には上坂も安永もいるんでしょ??」

「あぁ。たぶん寝てるけどな。」

「ちょっと付き合ってくんない??」

って事で甲板に行った。

「亮ってあの『黒き征裁』だったんだねぇ。これでいろいろ説明つくよ。」

「悪ぃな。黙ってて。」

「いいよ。タダじゃ許さないけど。」

優華は花の咲く様な笑顔を浮かべて俺に寄り添う。

………なんで優華と2人で喋ってるとラブコメ方面に行っちゃうかな??

「で、何か用あるんだろ??」

「別に……。ただ喋りたかったのよ。」

「は??何だよそれ??」

「恋する乙女のささやかな希望です。」

ったく………いつ見ても可愛いんだよ……。

………引くなよ??

優華の前にいたらどんな男でもそう思うって。

「亮ってさ、何人彼女いたの??」

「……またそっち方面に話題が行くのか??」

「だって興味あるもん。」

「………3人。」

「嘘だ。」

「嘘じゃない。」

「じゃぁちゅ〜は??」

………普通女の子がこんな事聞くか??

「………そんなに知りたいのか??」

「………やっぱやめとく。聞いたらブルーになりそう。」

「キスしてやろうか??」

ちなみに下心無しの冗談だけで構成された台詞だぜ。

「や〜だ。えっち!!!」

……拒否られた。

「………やっぱりしよっかな??……キス。」

…………。

え〜と……絶好のチャンス到来??

「でもなぁ。」

「何だよ??」

「亮、今彼女いるでしょ??」

「は??誰がそんな事言ってるんだよ??」

「女の勘です。」

「いね〜ぞ??」

……なんでそんな疑う目を向けるんだよ??

「じゃぁいないってわかったらしてもらう♪♪」

「わからせなきゃダメなのか??」

「そぅ。わかったらキスだけじゃなくてその後もまかせるから♪♪」

優華はそう言って走って行った。

…………。

今日からはどうやって分からせるか悩まなきゃなんねぇなぁ。

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