表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/43

第30話:過去

港に着くと船が出発する瞬間だった。

ギリギリセーフ。

拓也によると俺を30分ぐらい待ったらしいが、ティルが来たのでティルに任せて先に出たらしい。

「知り合いなのか??」

「あぁ……昔……な。」

「また昔ですかぁ??」

船に乗って拓也に説明してもらった瞬間に順と綾に言われた。

優華には殴られた。

「遅い!!!かなり心配したんだから!!!」

と言って。

「それよりよ………そろそろいいだろ。」

「………過去か??」

拓也のせいでいきなりシリアスモードに突入した。

船に乗っている西院の生徒が皆、俺の方を向く。

「わかったよ………これ以上隠すのは無理そうだ。」

そう言って俺は話し出した。







3年前……この世界には全ての戦争の根元とも言えるトラファリアと言う国があった。

その力は強大で、他の国全てを圧倒した強さを持っていた。

トラファリアの隣にはフェアルリアと言う小さな国があった。

トラファリアはフェアルリアなどいつでも潰せると言う事で、フェアルリアには何も干渉していなかった。

そこで俺は暮らしていた。

ディルファリア生まれだが、親父が優れた軍人だったらしく、フェアルリアにスカウトされたらしい。

もちろんそこに行くまでにいろいろあったらしいが、俺は知らない。

俺は毎日親父にくっついて剣術を習った。

毎日毎日、練習をした。

俺が14歳のある日、親父が殺されたと言う連絡をもらった。

母はショックで数ヵ月後に死んだ。

親戚も何もいなかった俺を親父の同僚が引き取ってくれた。

その後、俺は誰が親父を殺したのかを独自に調べた。

親父を殺したのは、トラファリアの暗殺部隊だった。

俺はその日を境に人を集めた。

弱冠14歳だったにもかかわらず、24人が集まった。

俺を含めた25人で俺は最強の部隊を作る事にした。

まだ14歳だった俺の代わりに実際に指揮をとったのは、当時25歳だったティル・グレゴリーだった。

俺達は強くなる為に、世界中を旅した。

世界中の犯罪者を相手に俺達は強くなっていった。

俺だけは、強さじゃなく、協力者を探した。

1年後には、俺達はかなり強い部隊だった。

各国からのスカウトが毎日の様に来た。

協力者もかなり得た。

世間では俺達の事を黒いコートを着ていたので『漆黒の死神』と呼んだ。

そして、そのトップである15歳の少年を『黒き征裁』と………。

そこで俺達は本来の目的を果たす事にした。

元々、トラファリア潰す為に集めたチームだ。

そして、1年前の冬、俺達は作戦を実行した。

トラファリアは完全な王政だ。

王を殺せば軍隊にも迷いが出る。

軍隊が機能しないとなれば、周りの国が一斉にトラファリアを潰そうとするだろう。

これが、俺が立てた作戦の大体の内容だ。

途中まではかなり順調だった。

城に忍び込み、近衛兵を次々と機能停止にした。

そして、負傷者ゼロで王がいる部屋までたどり着いた。

あと少しで親父の仇を討てる。

そう思って俺は扉を開いた。




そこには王と一緒に親父がいた。

俺は訳がわからなくなった。

指揮が執れない。




周りが真っ暗だ………。



気付ば囲まれていた。

「亮!!!どうするんだ!!!」

ティルの叫び声が聞こえる。

「亮……。お前もこっちに来るんだ。」

親父が言う……。

「亮……。お前も本来はこっちの人間だ。」

親父が言う……。

「 」




何も聞こえない………。




何も………聞こえ………ない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ