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第28話:敗戦国の現状

起きるとまだ優華は寝ていた。

昨日の事思い出すとかなり恥ずかしくなってきた。

「ラブコメになっちゃうじゃね〜か。」

1人言なので気にしない事。

少したつと何人かの男が全員分の朝食(パン)を運んで来たついでに俺を呼んだ。

どうやらお偉いさんが話をしたいらしい。

「どうして君は古代大国の3ヵ国語を喋れるのかね??」

かなり豪華な部屋に案内されて、少し待っているといかにも強そうな男が入って来て言った。

「あんただって喋れるだろ??」

「私はイギリス人だ。喋れなくては困る。」

「…………。」

「それに、その態度……あまりにも悠然としすぎている。」

「俺だけが特別みたく言うなよ。言葉がわかればもっと落ち着いてられる奴が檻の中にいるだろうよ。」

なんか面倒臭い事になりそうだ。

言葉がわかんないふりしてたらよかったかもな。

「これから言う事を君の学校の生徒にきちんと理解させる事ができるかね??」

「話の内容も聞いてないのにそんな約束できるかよ。」

「では、話そう。」

そう前置きを置いて、男は話し始めた。

「ディルファリアは3分割される事になった。君達が住んでいる場所はイギリスの領地になる。」

……………。

「よって今日よりイギリス法が全てに適応される。」

「ちょっと待てよ。」

俺は話を切った。

「って事は俺達は徴兵に行かなくちゃなんね〜のか??」

イギリスでは戦う技術を持った人間は老若男女関係なく徴兵に行かなければならないはずだ。

「………イギリス法まで知ってるのか。」

男は多少驚いた様だ。

だからと言って事の重大さが変わるわけでもない。

「敗戦国として当然か……。」

「………それを聞いても何とも思わないのか??」

「俺がどうあがいたところで変わらないからな………無駄な労力は避けたい。」

「君は………何者なんだ??」

「ただの高校生だ。過大評価すると後で痛い目に合うぜ。それよりまずは俺達全員を帰せ。」

「もちろん。準備が必要だしな。」

ディルファリアの正規軍がイギリス軍になるのにその上まだ徴兵するのか……。

噂通り古代3国は無茶苦茶な法律を作ってやがる。

それよりこの事実を俺が伝えろって言うのか??

ふざけやがって。

勝戦国として通訳ぐらい連れて来やがれ。

「伝えてくれるな??」

「…………。」

「お前が言わないと誰も知れないぞ。」

「………。わかったよ。」

そう言って俺は部屋を出た。

伝えれば必ず混乱が起きるだろう。

いくら戦闘技術を持っているからって戦争に行く覚悟ができているわけではない。

逃げ出そうと思えば逃げ出せない事もないが………ディルファリアがなくなった今、古代3国に筆頭する力を持った国があるだろうか。

俺1人で考えてても何も始まらないので、とにかく皆に伝える事にした。

1つも嘘偽りなく……現実をそのまま……。






かなりの混乱があった、怪我人さえ出た。

予想していた範囲だったのでなんとか被害を縮小できたと思う。

今は皆、騒ぎ疲れて……ショックで静かだ。

もちろん何人かは気を強く持っていた。

拓也も順もその中の1人だ。

優華と朋美と綾はかなりショックだったようで、今は静かに3人で固まって座っている。

これからどうするかを決めるために、きちんと現状を理解した上で落ち着いて判断できると思った奴を集める事にした。

これからどうなるかは全くわからないが、なるようになるだろう。

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