第23話:修学旅行1
拓也がサンペルシカ島の事を図書室で調べたけど、密林だけの島だと言う事以外の大した事はわからなかった。
何か対策を練るはずだったんだけど、順の
「亮がいるからなんとかなるだろ。」
って言う言葉にみんな納得してしまった。
確か何かマズい事があった気がするんだけど覚えてない。
まぁ何とかなるだろう。
で、修学旅行当日になった。サンペルシカ島までは学校から船で送ってくれるらしい。
航海日数3日………修学旅行は1週間のはずだから島で4日過ごす事になる。
「見えたぞ!!!」
と甲板から順の叫ぶ声がするので甲板に上がった。
「うわ〜。緑ばっかり。」
「優華ちゃんは軽くショックです。」
「私もですぅ。」
女性陣の反応。
「今になって不安になって来た。」
「亮がいるから大丈夫だって。」
俺を除いた男性陣の反応。
島に近付くにつれて誰もしゃべらなくなって来た。
「じゃあ4日後にここで待っとけよ。」
そう言い残して船は戻って行った。
「今、何時??」
「8時ぐらい。」
「じゃぁ、ロードワークすっか。」
って事で3時間ぐらい歩きまわってやっと落ち着けそうな場所に着いた。
「じゃぁ、私達昼ご飯の準備するから寝れるような所作っといてね。」
「出来たら呼べよ??」
とカップル2人が勝手に決めたので俺達は寝床を確保する事にした。
俺達が生活する場所は川の上流あたりにあるちょっとした広場だった。
「どんな風なん作るんだよ??」
「1人分ずつ作ってたら時間足りなくなるからな。全員が寝れるもんにするか。」
「ま、妥当だな。」
上から順、俺、拓也。
「じゃぁ順は骨組みになるような木、拓也は柔らかい草みたいなん採ってきてくれ。」
「うぃ〜。」
俺は、もうちょっとロードワークでもしてみるかな。
俺達がそれぞれの仕事を終えて、広場に戻って来てからすぐに綾が呼びに来た。
「ご飯できましたよぉ。」
「あ〜。やっとかよぉ。」
「疲れた、疲れた。」
ちなみに本日の昼ご飯は、スープとパンだった。
「すっげ〜簡単な食事だな。」
「文句言わない。」
昼食後はみんなで集めて来た木とかを使って寝床を作った。
「疲れたぁぁぁ。」
「もう、夜になっちゃいましたぁ。」
「あ〜腹減ったぁ。」
「お前はあんまり動いてなかっただろうが。」
「うるせぇ。亮と違ってなれてないんだよ。」
1日目の晩ご飯は持って来たものでまかなった。
明日からは自分達で探さなくちゃいけないけどな。