第21話:特別授業2
今日は実践練習の日だ。
午前中は雪ね中での寝床の確保の仕方をするらしい。
雪の中じゃあ普通に寝ると凍死してしまう可能性があるから、寝床の確保が重要になってくる。
まず縦に穴を掘って、その穴の中から横に穴を堀り、小さな洞窟みたいな空間を作ると言う寝床の確保が1番メジャーだな。
無理なら無理で、蒲倉でも作ればいい。
まだ9月なのにみんなで厚手のコートやら何やらを着て積雪室に集まった。
「って言うかサブっ!!!」
騒いでる順に雪玉を投げた。
それから30分間、中羽も含めクラス全員で雪合戦をした。
拓也が止めてなければもっと続いていたはずだ。
「では、今から1時間で各自寝床を確保しろ。」
自分も遊んでた後でよく言えるぜ。
1時間後、積雪室にいろんな建造物が出来た。
みんな掘る事はしなかったみたいだ。
「では、みんな漣の所に集まろう。」
俺以外の生徒を全部見て周ってから中羽は言った。
「漣が作った様に穴を掘るのが1番簡単で1番暖かい寝床を確保できるやり方だ。」
「でもさ、先生。雪なだれとか起きたら埋まっちゃうぜ??」
順は何とか俺失敗してる様に持って行きたいらしい。
……昨日さんざん馬鹿にしたからなぁ。
「それはみんなが作った蒲倉だって一緒だ。1番大切なのは安全な場所を探す事だ。」
ちなみにこの後は自由時間。
しっかり授業しろって。
「亮、もう妬んだりしね〜から教えてくれよぉ。」
やっと順が折れた。
「わかったよ。始めからそう言っとけ。」
「うるせぇ。」
って事で順にいろいろ教えた。
午後からは密林地帯での寝床の確保だった。
まぁ言うまでもなく大丈夫だった。
1週間ずっと実践練習らしい。
「意外と簡単だなぁ。」
やっとコツを掴んだらしい順はご機嫌だ。
「今日は拓也、朋美ちゃんと一緒に帰る日だったよな??」
「今日は先に帰っといてくれだってさ。」
「おっ……怪しいぞそれ。」
「残って練習するらしいわぁ。」
「………全く怪しくね〜な。」
順の期待は一瞬にして崩れ去った。
「はっ!!!そうかいそうかい。じゃぁ俺は女の子を待たせてるから。じゃ〜な。」
と言って順は走り出した。
………女の子を待たせてるって??
誰だよ………その女の子って。
明日、尋問だなぁ。