第17話:夏休み
『待ちに待った夏休み!!!』ってのがよかったんだけど、そうはなってくれないらしい。
毎日毎日、朝から晩まで補習だった。
講習は昼とかで終わってるだろ……。
そんな悪魔の補習も明日で終わる。
徐々にテンションが上がってくる。
人の10倍って事は夏休みに遊んでる暇なんかないはずだけど、まぁそこは我が親愛なるクラスメイト諸君の寛大な心を期待しよう。
「これでなんとか今のクラスで授業を普通に受けれるだろ。」
5時になってやっと井伊が言った。
「マジで!?よかったよかった。」
「それにしても、2ヶ月でここまでできるとはな。」
「ん〜。やっぱ天才だよな。」
とは言ってみたものの実は家でもかなり訓練したからな。
俺ってば結構努力屋さん??
ちなみに今更だけど、俺達が住んでる国の説明をしておこう。
名前は、………何だったっけな??
30年前に戦争で負けてディルファリアって言う大国に負けて、今じゃディルファリアの保護を受けてるし、世界でも数少ない平和な国だ。
つまり夏休みになれば海水浴とかいろいろできる訳だ。
って事で、前々から拓也に誘われてた可愛い女の子と海水浴って奴が明日決行される訳であります。
何かこじつけっぽくてすみませんねぇ。
俺に文句は言わないで下さい。
ちなみに行くメンバーは俺と拓也と順、女子は優華に朋美に綾らしい。
可愛い女の子の水着姿が見れるのでお楽しみに(頑張って想像して下さい)
海水浴当日、かなり晴天、日焼けにご注意下さいって感じかな??
海水浴場までは朋美の親が送ってくれるらしい。
「朋美ちゃんの家って何してんの??」
迎えに来たリムジンを見て拓也に聞いてみた。
「確か……国認の武器製造会社の重役だったかな??」
「知らなかった……。」
順も同じらしい。
お前は知っとけよ。
「それにしてもラズポリスでよかったねぇ。夏休みに海水浴できるなんて♪♪」
そうそう、この国の名前はラズポリスだった。
「去年は3人で行ったよね??」
「はいぃ。楽しかったですぅ。」
どっちかって言うと朋美より綾のがお嬢様だろ。
「亮は泳げるの??」
「何でもできないみたく言うな。霊力に関係なかったら何でもしてやるよ。」
ちょっとムキになった。
「じゃぁ、かき氷買ってね??霊力に関係ないよ。」
「…………。」
優華と喋ってるとどうしても調子が狂う。