第16話:補習
人の10倍訓練してやるって言ってみたけど実際はまず基礎かなだった。
井伊の話によると
「お前は霊力を戦いの中でどう使うか天性的にわかってるんだから霊力があれば今の倍以上強くなるはずだ。」
らしかった。
マジかよ………。
強くなるのって簡単だなぁ。
「そっからが難しすぎんだよ。」
ちなみにこれは順の言葉。
夏休みに入るまで普通の授業に出つつ井伊と1対1の補習だった。
正直かなり辛かった。
何回か1年と一緒に授業受けたからなぁ。
そのおかげで1学期が終わる頃には霊力が55まで上がっていた。
ちなみに全国平均が50だそうだ。
でもいくら霊力が上がったからって強くなる訳じゃなかった。
霊力が上がった分コントロールが難しい。
俺の能力はコントロールができてないと体の内部から霊力分のダメージがくる(実証済み)
「どうしたもんかねぇ。」
「大変だなぁ。」
「あぁ。」
気温が高く暑いせいか教室の空気と共に会話もだれてくる。
「そう言えばさ。」
今までほとんど機能停止していた順が何か思い出したみたいだ。
「井伊が亮読んで来いってさ。」
「そっかぁ。」
「いつ言われたんだよ??」
なぜか拓也が聞いた。
「30分くらい前だったかなぁ。」
…………。
俺も機能停止したい……。
そう思った時放送が流れた。
『漣亮、漣亮、今すぐ職員室まで来なさい。』
お決まりのタイミング。
職員室はかなり涼かった。
「夏休みなんだが、講習があるのは知ってるよな??」
「明日からっすよね。」
「お前は出なくていい。」
「……マジで??」
「あぁ。その代わり俺と補習だ。」
…………。
講習に出たいです。
「期間は講習と一緒だから気にするな。」
でも井伊と1対1はもう飽きました。
でも言っても無駄だろうなぁ。
「駄目だ。」
言ってみたけど無駄だった。
明日から夏休みだけどあんまり嬉しくない。
夏風邪でも引こうかな……。