第15話:新霊力種
いざ退院してみると結構ややこしい事になっていた。
どうやら俺が霊力使って戦ってたらしい。
好田の反応が間に合わないぐらい速く動けたのも、霊力壁や霊力での攻撃が効かなかったのもそのせいらしい。
って事は霊力使ったの最後のちょっとだけだろ??
あんま使えてね〜じゃん……。
「だから、問題は亮が霊力使えたとかそこじゃなくて霊力の種類なんだよ。」
「霊力に種類なんてあるのか??」
初歩的な質問ですみませんねぇ。
これも読者の為……じゃなくて何もわかってない俺の為なんで。
「だから、霊力にはいくつか種類があって、大きく分けて3つあるんだよ。」
遠距離型と治癒型と対物型らしかった。
まだまだ拓也の半分キレた状態の説明が続く。
「遠距離型は遠距離攻撃、治癒型は治癒力、対物型は武器に霊力宿して戦うんだよ。」
ちなみに霊力壁はどれでも作れるらしかった。
「だから何だよ??どこが問題なんだ??」
「はぁ〜。」
クラス一同の溜め息でございます。
「お前は霊力を体の表面と武器の表面に圧縮して使ったんだよ。」
「なるほど。それであんなスピードやらが出る訳か。」
「そんな能力は世界中で発見されてないんだ。」
…………。
束の間の沈黙。
「じゃぁ…俺は世界初の人間なのか??」
「やっとわかったのかよ。」
すかさず順の突っ込みが入る。
「っっすっげ〜!!!」
「は??」
「世界初だろ??すっげ〜じゃん!!!いや〜流石俺??」
「…………。」
まだ俺は状況を理解できてない??
拓也君お願い!!!
「世界初って事は、前例がないんだ。」
「それくらいわかるって。」
「って事はどうやって訓練すればいいのかもわかんね〜し、どう応用するかもわかんね〜んだよ。」
「………。」
黙って聞いてマス。
「強くなる為には並大抵の訓練じゃダメって事なんだよ。しかも効果的な訓練方法が見付かるまでは訓練量に比例して強くなれる訳じゃないんだ。」
なるほど、やっと状況が理解できた。
でも俺にとっちゃ大した事じゃないんだけどな。
「だからなんだよ??人の倍しても普通の奴に追い付けないって事だろ??」
「あぁその通りだ。」
「じゃぁ俺は人の10倍訓練してやんよ。」
たった100年の人生………どうせなら誰よりも強くなって死んでやるよ。