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第一話:栄光なる鎖

 この世界では16歳になると皆が協会に行き、神から1つの『称号』を授与される。

 この『称号』というものはなんとも栄誉であり、『称号』に見合ったスキルや能力が手に入れる。『称号』の中には『勇者』を始めとする『魔法博士』『語り部』『詐欺師』と言ったように16歳までの行いを神の目から感じ取られた最も近い行動を『称号』として天啓される。

 この儀式はかつて昔に恩恵を人類に授けた1人の神の代行人の天使が自らがくれたものだということが国王に保管されている本に記載され、天使の物らしき羽が証明している。

 表面上では『勇者』や『賢者』、『聖女』といった『称号』を持っているもの達の活躍を子供たちは見て憧れる一方で親たちはというと、子供の『称号』を栄誉あるものにしたさに子供に自由を与えない家もあれば、自由を与えて『悪者』などの『称号』を得た子をまるで居なかったかのような扱いをして捨てるなり、時には不名誉さに親から子に手をかけようとするものまでいる。

 そう。この世界は『称号』というなの運命の奴隷に縛られている世界なのだ。

________________________________________________

 そんな世界に生まれた俺は今は15歳。前世の世界ではゲーム好きの男の子としてすくすくと育っていき36歳、親からの自立、親孝行。自由奔放かつ順調に平凡な生活を送ってきていた。

 ある日、通勤中の電車内で無差別殺人者が現れる。

「なんなんだよこんな理不尽な世界はよぉお!お前ら全員道連れだ!俺に殺される『運命』なんだよぉギャハハハ」

周りの人が別車両に逃げ出す。もちろん自分も必死に逃げた。しかし、子連れのお母さんと泣きやめく赤ちゃんにはどうにも殺人者も癪に障ったらしい、標的となった二人めがけて刃物を持って走っていく。

(最近の若者は赤ん坊まで狙うのか恐ろしいもんだな)

とか思いつついつもだったら関わりたくないはずなのに自然と逆方向に走っていく。

(くっそ、なんだあの赤ん坊の泣き声...?なんでか....足が勝手に....!チッ)

-----------------------------^-グサッ-----------------------------------------------------------------------------------------

「カハッ」

そう言い倒れる俺。床しか見えないが周りで人が押し倒される音、パトカーや救急車のサイレンが聞こえてくる頃には意識が遠のいてきている。

「大丈夫ですか!しっかりして!!」 「早くAEDを!!!」 「お二人は大丈夫ですか?」 「えぇ...私達の事より彼のことを...!」 「アァァァァ!!ウワァァァァン」 「クソ!なんでお前みたいな『偽善者』がいんだよ!とっととくたばっちまえ!!このおっさん!!!」

(ハハッ、偽善者か....学生時代も言われたな.....)そう思いつつ最後の力を振り絞って犯人の方を向く。

「ざまぁ....見やがr....」

(あぁあ....こんな『運命』だったのか....順調だったのにな.....まぁ偽善者...悪くは...な....い....................

________________________________________________

 そうして目が覚めるとこんな変な世界にいたってわけ、本当に俺の『運命』ってどういうことやら.....

そして1週間後には16歳になって『称号』の授与式が行われる。正直本当に怖い。子供の頃夢見心地の生活で深く考えずに生活して14歳の頃、物心がしっかりと築き始め記憶力が良くなってきて最初に覚えているのは近所のよく一緒に遊んでもらっていたお姉さんが『勇者』となって一見厳しそうな両親が安堵して家族3人で笑顔で抱擁をしていたのは覚えている。けれど問題はよく力自慢でいつもニコニコして遊んでくれた建築家系のお兄さんが『料理人』ってなった時のお兄さんの両親は父親は無視するようになって、母親は安心したような困ったような顔をしていたことだった。その時一瞬で悟った、『称号』というのは憧れではなく『運命』なのだと....。

 その日以降村の貸借本店に行くようになり前世のこともはっきり思い出してきた。36歳(+14歳)の頭脳はやはり冴えているなと自画自賛しつつ世界のことを調べていく。

(ゲッ....この村だけでも『勇者』もう20人出てる...)

そう、勇ましい者ならば誰でもなれるのが勇者なのだが、この世界だけでも歴代で4桁を超える勇者がいるはずなのにいまだ『魔王』が完全に討伐されないことに疑問を覚えつつ本を閉じる。

家に帰ると...

「おかえりなさい。今日は遊んでいる所あんまり見なかったけどどこ行ってたの?ホクルテ?」

そう言って俺の名前を呼んで心配しつつ赤ん坊の俺の妹の世話をする(この世界での)母親。

「おう、お帰り。なんだ?どっかでも怪我したのか?なんかあったらちゃんと言うんだぞ?」

と言ってくる自慢のスキルで子の前でかっこいいとこを見せたい(この世界での)父親。

その時14歳、いくら精神年齢は高くても感情コントロールはできない。二人とも優しそうに見えるがもしかしたら無視してくるかもしれないと思ってしまい大人げないが泣き出してしまう。

「誰にやられたの?言ってごらん?」

と言いつつ母親は『正義』のスキルを使おうとするのを見て泣き止み、父親が慌てる。

一度だけ同年齢の子が悪ふざけで僕のことを罠にはめた時たまたま通りかかった母親がスキルで子供たちにも容赦なく正義を叩きつけて親同士で話し合いをしているのを見たことからなんとなくだが母親の『称号』を知っていた。

父親は家ではオロオロとしているが仕事場では『名医』としてのカッコいい立ち振舞いをしており、若いこともあり、村の奥さん達がいつもデレデレしているのに鈍感で気づかない父親。

そんな母親を必死に落ち着かせている父親を眺めてまた思い悩むが、今は胸にしまっておこう。その時が来るまで........。

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