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新しい日3
しばらくは、私も本業が忙しくなった。地方都市に出かける用事も増えた。
その間、1週間に一度、保存された動画記録を確認して、私は可能な限りあの人の行動を追いかけた。
映像の中のあの人は、曇りのない笑顔を見せていた。
私以外の誰かに向かって。
私は自分の立場をわきまえている。
これ以上関わりを持つべきではないと。
ただ、あの日の共同作業を振り返ると、「これ以上」の基準が適切なのか、自分にも時々わからなくなる。
それでも、何も起こらないのであれば、それまでだと。
そして、久しぶりに窓の外のあの人を眺めていた時、あの人と一緒に歩く女の間に、あの日と同じ破綻の匂いが漂っていた。