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新しい日2
もちろん、魅力的なあの人に、別の女が引き寄せられただろう。
今日もあの人の顔は、魅力的に輝いていた。
私は、少しだけ戸惑いを覚えた。
あの出来事から数日しか経っていないのに、何も変わりがないような表情。
まるで生まれ変わったかのようなすがすがしい面持ち。
そう、何もなかったかのように。
「いけない」私は、これ以上は考えないことにした。
そうだ、あの人は普通じゃない。普通などという考えに縛られる人ではないのだ。
そして、もし私があの作業を行わなかったなら、今日あの人の、憂いのない美しさは見ることはできなったのだと。
改めて、私は、やるべきことを果たしたのだと。
私は、心の落ち着きを覚えた。そして、今やるべきことは、あの人を遠くから見守り続けることだと。
二人は、楽し気に笑いあいながら、人の流れにまぎれていった。
数か月が過ぎた。