6/19
新しい日
翌日のニュースのどこにも昨日のことは見当たらなかった。
私は自分の手際のよさに満足した。
心残りは、私のこの頑張りを、あの人に伝えることができないことだ。
公園から立ち去ったあの人にはまだ出会えていない。
おそらく、あの人は眠れぬ夜を過ごしたに違いなく、できることならば、あの人の不安をすぐにでも解いてあげたい。
それができないことが辛かった。
私は、愛するあの人を陰ながら支えることしかできない。
そう、昨夜心に誓ったのだ。あの人を脅かす全てのことから、あの人を守り通すと。
私は、自らの立場を厳格に守り続ける。
遠くから、あの人の姿を見つめるだけ。
その日の仕事終わり、そう金曜日のあの人の行動パターンを予測し、書店脇のカフェから窓の外を眺めていると、あの人を見つけた。
横には、見たことがない女がいた。