17/19
未来のために7
私はおずおずと手を上げて彼女に告げた。
「あの、私が後始末をした一人目の女性は、まだ息がありました」
彼女は驚きもせず、
「あら、そうだったの」と言った。
本当に知らなかったかは怪しい、と思いながらも、
「私も、あなたの共犯者のようなものでは」
彼女は、顎に手をあて、少し考え込むと、
「そうなの?」と呟いた。私は続けた。
「残された人たちにとっては、あなたも、私も」
どちらも許すべからざるものだろう。
彼女は眉間に皺をよせ、じっとテーブルに視線を落とした。
しばらくして、「私の本意ではないのだけれど」と視線を私に向けた。
「巻き込んでしまったようね」
そんなことは、どうでもいいことだった。
彼女は、私を殺すつもりなのだろう。
そう確信した。




