16/19
未来のために6
「これから、すべてを、告白します」と彼女は言った。
彼女が今まで奪ってきた命はかなりの数に上り、その中でも、復讐の機会を伺っている関係者がたくさんいた。
「今まで、私のことを知らなかった人たちに、過去に起こったことを知らせることにしたの」
彼女という捕食者は、これから無数の殺意に晒されることになり、おそらく彼女は誰かに命を奪われることになる。それは当然の報いであるが、私には受け入れがたかった。しかし避けられないだろう。
「それで、お願いしたいことはね、後片付け」と再び微笑んだ。
簡単には、済まないだろうけど、私の痕跡を消してもらいたい、のだと。
「勝手なお願いなのは重々承知」
惨たらしい目に会う覚悟はある。だが、死体がさらされるのは、何かいやだ。
誰も理解できない考えだろう。
私を除いては。




