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新しい日5

あの人は女の後ろから長い紐で首を絞めていたのだろう。紐を持つ手をゆるめ、

ちょうど、どさり、と地面に女が倒れたときだった。


私は非常階段の影に隠れていた。


あの人はじっと女を眺め、深く目を閉じ、1分もしないうちにその場を立ち去った。あの人の横顔が見えた。少し微笑んでいるようだった。


あの人が遠くに行ったのを確認してから、女に近づいた。首に巻かれた紐は、深い緑色のシルクのネクタイだった。女の口から舌が飛び出していた。

胸に耳を当て、心音を確かめる。微かに聞こえる、いや止まっている。


頸部の圧迫が不十分なら、一時的な失神かもしれない。

少し迷っていると、女の眼に涙が浮かび、ゆっくりと頬の上を流れていった。


ためらう時間の余裕はない。


私は女に絞められていたネクタイを外し、ロープをリュックから取り出して巻きなおした。それから十分な力と時間をかけて、目的を果たした。


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