豆やナッツ
食べると止まらなくなる。
片割れである我が身を嘆きつつ
つがいのあいかたをさがし求めては
その苦しみも人生さ だなんて
悟ったふうなことを口にするぼくらは
豆やナッツをほおばるたび
ちょっとしゃくにさわって
いじわるな気分になったりしやしないか?
豆もナッツも
ふたつがひとつに ぴったりひっついていて
皮や鞘 殻のなかに
仲むつまじく おさまってるよね
ぼくらがその生涯をかけて
なしとげたい たどりつきたいって
のぞんでるもののひとつを
豆やナッツはごくあたりまえのように
体現してみせてやがるんだもの
だから いじわるな気分になったぼくらは
ほおばった豆やナッツを
そのまま がりがり
かみくだいてやるんじゃなくて
まず奥歯で かりっと
まっぷたつに割ってやって
そのつがいの仲を引き裂いてから
あらためて がりがり
かみくだいてやるんだ
ただの ちょっとした
たちのわるい いじわるのわりに
なにかの なぐさめになるわけでもないし
だれぞに とがめられるわけでもない
そんな つまんないことなんだけど
ついつい
また やっちゃうんだよなぁ
グリンピースも好き。