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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

異世界召喚されたら初期アイテムが「ラッキースケベが起きるボタン」だった話

作者: 結城 からく

 自宅でAVを観ていたら、見知らぬ謎空間に瞬間移動した。

 そこには純白のワンピースを着た金髪碧眼の美女が待っていた。

 女神を名乗る美女は、雰囲気のある佇まいで僕に告げる。


「加納アキト。あなたには異世界を救っていただきます。理由は割愛します」


「どうしてですか」


「尺が限られているからです。余計な口出しは許しません。すべて鵜呑みにしなさい」


「尺……」


 理不尽な扱いだ。

 せっかくのAV鑑賞を邪魔されて、なぜこんな仕打ちを受けないといけないのか。

 不満を抱く僕をよそに、女神はさっさと話を進めていく。


「あなたの魂の力と願望を組み合わせた神器を創造しました。それを使って魔王を倒してください」


「何を貰えるんですか」


「ラッキースケベが起きるボタンです」


「え?」


「ラッキースケベが起きるボタンです」


「復唱しなくていいです」


 渡されたのは手のひらサイズの赤いボタンだった。

 女神は淡々と説明する。


「確率操作の神器ですね。あなたの欲望が介入して奇妙な仕上がりになりましたが……」


「えいっ」


 試しにボタンを押してみる。

 いきなり突風が吹き、女神のスカートがめくれ上がった。

 一部始終を目撃した僕は感想を述べる。


「女神様って履かない派なんですね」


「お黙りなさい。それとこの場でボタンを押さないください」


「すみません」


 僕は謝りながらもまたボタンを押す。

 女神のワンピースの肩紐が切れて、右胸が丸出しになった。

 その造形美と揺れに僕は目を奪われる。


「ほう、ピンク」


「色を明かさないでください。それと私の注意を聞いていましたか。神器は魔王を倒すためのものです」


 女神が肩紐を結ぼうとしたので、僕はすかさずボタンを押す。

 残った肩紐も切れ、今度は左胸が丸出しになった。

 女神は胸が見えないよう僕に背中を向ける。


「いい加減にしなさい。没収しますよ」


「反省してます」


 そう言いつつも僕はめげずにボタンを押す。

 女神が身じろぎした拍子にワンピースに大きく裂け、大胆すぎるスリットが出来た。

 そこに風が吹いてお尻を露わにさせる。


 慌てる女神がお尻を隠そうとするも体勢を崩し、いきなりこっちに倒れ込んできた。

 僕はボタンを捨てて、咄嗟に支えようとする。

 しかし差し出した両手は、女神様の双丘にジャストフィットしていた。


「おっと」


 僕は反射的に後ずさる。

 その際、カチッという音が鳴った。

 足元を見ると、落としたボタンをしっかり踏んでいた。


「あっ」


 いきなり足を滑らせた女神が僕を押し倒し、その豊かな胸で顔面を押し潰してきた。

 身動きできない僕は辛うじて声を発する。


「あの……」


「そこに、立ちなさい。あなたに伝えたいことがあります」


 この後、二時間ほど倫理と性犯罪に関する説教を受けてから僕は異世界へと送り出された。

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