6/11
***
玉は河を流れてくる。
白く淡い光を放ちながら、それはそれは長い旅路を行くようにたゆたって。
ゆっくり、ゆっくり。
音もなく、ただ緩やかに。
玉は流れてゆく。
流れを妨げるものはない。
ずっと、果てしなく続く流れに乗って、どこまでも行くのだろうと思われた。
しかし、いつしか玉はその速度を落とし、ついには動きを止めていた。
漆黒の大地に、身を寄せるように。
岸辺に辿り着いたのだった。
最後は、伸びた手に掬い上げられ、河から男の手へと納まった。
こうして、男の気紛れに運命は繰り返し始める。